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    rica_km

    @rica_km

    👹滅:💎🔥/🔥🧹中心リバ含雑食、時々作文。ねんどーる&オビツろいど歴2周年(ねん🔥兄弟持ち、💎×2)。かなり20↑成人済

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    rica_km

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    宇煉・天桃前提の💎🏅です
    💎🏅・🔥🍑は、どちらも従兄弟関係(年齢設定とか詳細は齟齬が出そうなのでw、ふんわりで…)
    🏅19歳(大学生・成人)・🍑16歳(高校生)の3歳差。両思いながら🍑が未成年の上、🏅が注目を浴び易い状況であることから色々堪えているところ
    💎🔥はいずれも社会人で恋人同士
    💎が一人暮らししている部屋へ🏅は泊まりに来るほど懐いているし、秘密も共有している…

    ひみつとつみひとつ◆01◆01 Tengen side
     俺のマンションには、従兄弟の天満が時々泊まりに来る。いや。時々よりは、もう少し頻繁に。
     立地が便利だからというのは理由のうちほんの一部に過ぎない。
     天満は抜きん出た才のせいで少々注目され過ぎているもので、自宅近辺には大抵マスコミ関係の誰かしらが潜んでいるらしかった。横柄だの生意気だの好き放題に言われやすい天満だが、あれで結構繊細なところもあるのだ。注目の体操選手として世間の注目を浴びるのも無理からぬことだが、衆目に晒され続けて疲弊するメンタルが有名税とは到底思えない。フィジカルにだって影響を及ぼすことくらい想像に難くないはずなのに、それでも世間様は若干十九歳の青年を好奇心の赴くままに追い回して好き放題に書き立てる。
     そんな天満の最も近い逃げ場が、従兄弟である俺のマンションだった。
     数多い従兄弟連中の中で特に天満と俺が親しい仲になったのは、年が少々離れている割には好みが近かったからだ。好む服やよく聴く音楽。それから、選んだ恋人も。
     奇妙なものだが、俺の恋人である杏寿郎は、天満の恋人である桃寿郎と見た目がそっくりな上に、彼らも従兄弟同士なのだ。


     天満が泊まりに来ても、基本的に俺の生活リズムは大して変わらない。せいぜい外へ飲みに行ったりはしないという程度のものだ。今日も夕食の後はそれぞれ好き勝手に過ごし、天満のために空けてある部屋に彼が篭りきりになっても俺は特に口出しすることもない。
     余計な気を回さずとも、天満は欲しいものを堂々と要求してくる図太さがちゃんとある。

     俺はベッドへ寝転がってスマホを弄っていたが、天満の部屋のドアが開閉する音を聞き取った。そっとスマホをスリープにして、ベッドサイドの灯りも落とす。寝返りを打って壁際を向き、背中側のスペースを少し空けてやる。
     すると、ノックもしない無遠慮さで天満が俺の寝室のドアを開けた。後ろ手でドアを閉めて、ベッドへと歩み寄ってくる。スリッパでペタンペタンと音を立てているのはわざとだろう。普段の天満はそんな歩き方をしない。まるで怒ってでもいるような音を立てながら近付いて、俺が寝ているか起きているかの確認もなく勝手にベッドへと潜り込んでくる。
    「ねぇ、」
     天満は俺の背中に身体をぎゅうぎゅうと押し付けて、やっと声を発する。
    「ねぇ。……いいよ?」
     額を俺の背中へ押し付けているせいで、その謎の許可はくぐもった声で届いた。
    「何が『いいよ』だっつの」
     背中合わせで大人しく眠る夜もあるので素知らぬふりを続けていたが、どうやら今回は訳ありでウチへ来たのかと察した。身体ごと天満の方を向くと、もう俺と大差なくなってきたでかい身体を胸へ抱え込んでやる。
    「……もう最後までしたっていいよ。何も考えたくない」
     遠慮なく凭れて甘えてくるのをかわいいと思わぬわけもない。誰にでも懐くタマじゃないのだ。気難しい動物を手懐けたような特別感がある。
    「お前ね……、そんな限界になる前に来いよ」
     こんなにもぎりぎりまで我慢せずとも、少しはマシな気分転換をしてやるのに。そう思いながら背を撫でてやれば、もっととねだるように額を擦り付けてくる。
    「明日、一緒に買い物でも行くか」
     誰と連れ立って出掛けても、天満だと気付かれればいちいち相手を詮索される。だが従兄弟である俺とふたりで出掛けるだけなら、世間は話のタネにはならない分、ほぼノーリアクションで済む。
    「外に出たくない」
    「重症だな」
     そうだよ、と天満は顔を上げ、俺の身体を這い上がるように目線の高さを合わせてくる。
    「ねぇ天元。しようよ。オレ、ずっとシてないの」
     スレた風なことを言う時ほど、天満は幼く見える。それが精一杯の虚勢であることがわかりやすいくらいだ。頬へ唇を寄せて滑らせると、ガラス玉のような瞳がついと俺を見る。
    「優しくしなくていいよ。何してもいいし。杏寿郎さんにはちょっと言えないようなやらしい趣味とかないの?」
     声は笑みを含むが、瞳が寂しげだ。構われたさで嘘をつく子供のようで、見ていられない。
    「俺は意外とノーマルな趣味してんのよ」
     鼻先にキスをしてやると、すかさず唇でおかわりをねだりにくる。
    「何それ。つまんねーの」
     少し図々しさが戻ってきたような気がして、俺は少し安堵した。もちろん、そこで安心していいわけではないのだが。従兄弟同士で男同士だ。こんなことは起こるまいと思い込んでいる世間からは何も突つかれずに済んでいるが、実は互いの恋人にも明かせないような秘密が時々起こる。
     ふたりの間にあるものは誰にも全く理解されないだろうし、理解される必要もない。俺と天満の間にあるのは愛でも恋でも欲でもなく、敢えて言うなら治癒だった。胡散臭くもあるだろうが、事実は事実だ。これは勝手な思い込みかもしれないが、俺と天満は魂のありようが少しばかり似ているのだと思う。だから偏りが大きくなってしまった心をニュートラルへメンテナンスするのにちょうど良いらしいのだ。
     天満の中に潜むわだかまりを吸い出してやるように唇を合わせると、大人しく舌を差し出してくる。これで本当に彼の中に蓄積された『嫌なもの』を全て受け取れるなら、代わってやってもいいのにと思う。どうして世間は期待と誹りをごちゃ混ぜにして天満に背負わせるのか。
    「天元、裸でしようよ」
    「風邪引くぞ」
    「もうちょっとマシな言い訳しなよ」
     短く笑った天満は、着ていたTシャツを脱いで床へ投げ捨てると、部屋着にしていたスエットも下着ごと下ろしてベッドから追い出してしまう。
    「天元も」
     Tシャツを一方的に裾からたくし上げられるまま俺も脱ぐと、天満はひたりと肌を合わせてきて微笑った。
    「ほら。裸のが気持ちいいじゃん」
     今度は目を閉じて口付けてくる。押し合うように柔らかく触れて舌先を擦り合わせると、湿度の高い吐息がふたりの間に落ちた。
    「最近、寝てもすぐ目が覚めちゃうんだよね」
     長く眠れないのだと、それでもあまり深刻さを感じさせない声で天満が言う。舌を長く差し出してくるので、フェラチオのようにそれを吸ってやると、兆してきたらしい腰をぐっと俺に押し付けてくる。
    「桃にもすごく会いたいんだけど、なんか怖くって」
    「怖い? 桃が?」
     違うよ、と天満は吐き捨てるような調子で笑う。ほんのりと野蛮な匂いがする。
    「オレが桃に何するかわかんないなって思って」
    「——なるほどね」
    「何年も大事にしてきたのに、」
     目を閉じたままの天満がゆっくりと熱い吐息を吐いた。喉を引き絞って、泣き出すのを堪える子供の仕草だ。泣ければいいのだろうが、それを許さないのは少年らしい潔癖さか、大人の男としての矜持なのか。天満の魂はどこか歪だが、どの角度でも輝きを増す大粒の輝石のようだ。
    「……大事なものを手放したら神様は許してくれるのかなぁとか考えちゃう」
     閉じたままの瞼が小さく震える。ほんのり濡れた睫毛に唇を寄せて、天満に「いい子だ」と囁く。ちゃんと闇から逃げ切ってここまで来られたのだ。充分褒めてやっていいことだろう。
    「触って、天元。天元に手でシてもらうと、いつもよく眠れる気がするんだ」
    「そうか」
     丈夫で美しい身体へ手を這わせる。まるで自分のもののように図々しく掌で味わえば、期待に応えて欲しがるそれが手の中でぴくんと息づくように跳ねた。
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    🏅19歳(大学生・成人)・🍑16歳(高校生)の3歳差。両思いながら🍑が未成年の上、🏅が注目を浴び易い状況であることから色々堪えているところ
    💎🔥はいずれも社会人で恋人同士
    💎が一人暮らししている部屋へ🏅は泊まりに来るほど懐いているし、秘密も共有している…
    ひみつとつみひとつ◆01◆01 Tengen side
     俺のマンションには、従兄弟の天満が時々泊まりに来る。いや。時々よりは、もう少し頻繁に。
     立地が便利だからというのは理由のうちほんの一部に過ぎない。
     天満は抜きん出た才のせいで少々注目され過ぎているもので、自宅近辺には大抵マスコミ関係の誰かしらが潜んでいるらしかった。横柄だの生意気だの好き放題に言われやすい天満だが、あれで結構繊細なところもあるのだ。注目の体操選手として世間の注目を浴びるのも無理からぬことだが、衆目に晒され続けて疲弊するメンタルが有名税とは到底思えない。フィジカルにだって影響を及ぼすことくらい想像に難くないはずなのに、それでも世間様は若干十九歳の青年を好奇心の赴くままに追い回して好き放題に書き立てる。
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