再会は薄陽とともに「何奴も此奴も口を揃えて、お前は死んだと言うんだ」
「うん、でも、確かに私は死んだよ」
「無責任に放り捨てられておいて、みなお前の事など居ないように振る舞う」
「そうだな、それがあるべき形なのだから、それがいい」
私はもう居ないんだ。その一言を言いかけて、ドクターは思わず息を止めた。暗い私室に寝転がる男はまるで死んでいるような有様だった。男だけではない、律儀に毎月破いていたカレンダーも、窓際に置かれた鉢植えも、あの時から手を加えられず朽ちかけている。
端からドクターの声は聞こえていないのだから、気を遣ってやる必要はない。しかし、目の前で這う男をどうしても1人にしてやりたくなかった。以前見たときから少し痩せた頬を撫でる。透けた指では触れることすら叶わないが。
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