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    eikokurobin

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    レニ/右爆/轟爆
    眠れぬ夜の小さな図書館

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    轟爆/仮免補講中/触手(ヘドロ)

    #轟爆
    bombardment

    上書きプレイ『どうしたらそんな姿に絡まっちまうんだろうな?』

    知るかっ、テメェ、俺と組んでいるなら早くコレを何とかしろと喚く爆豪の状況を軽く説明しておくと、今はついさっき始まったばかりの仮免補講中。

    開始の合図とともに本日使用する見た目は巨大なタコみたいな仮想ヴィランに早速爆豪が囚われ、こうして宙吊りにされているわけだが、取らされた体勢がどう見てもエロいとしか言えないもんだから、つい助ける前に要らぬ感想を言ってしまった。

    (確かにエロいとか言っている場合じゃねぇよな、何とかして爆豪を助ける方法を考えないと)

    仮免補講の指導をしてくれるギャングオルカは、今日はいかに感情を押し殺し気配を消すかの訓練をすると言っていた。そしていざ訓練が始まった途端、仮想ヴィランはその何十本もある触手を一斉に伸ばして複数いた俺たち仮免補講生の中から爆豪だけを捉え、こうして完膚なきまでに爆豪は拘束されてしまった。仮免補講において常日頃爆豪はやる気に満ちているし、みなぎる闘志は攻撃的な気配ともとれる。だが、

    (予想に反して爆豪は静かだった)

    今日の課題は気配を消す、つまり隠密行動系の訓練だとすぐさま理解した俺達はなるべく平常心でいようと努め、もちろん人一倍聡い爆豪もそうした。チラリと見た横顔には常日頃は絶えない眉間の皺はなく、紅の瞳はただただ真っ直ぐに仮想ヴィランを見つめていただけ。むしろ他校の生徒の方が警戒心むき出しでいきりたっていた位だったのに、どうして触手は爆豪だけを選択して襲ったのだろう?

    『轟ぃ…あァっ』

    余程締め付けがキツいのだろうか、普段より上擦った声はますますエロく、こんなエロい爆豪を他の奴らに見せたくないから早く解いてやりたいのに、手を掛けて引っ張ってもタコのような触手はビクともしない。仕方ない、炎で焼き切るかと手をかざすと、

    『テメェまで拘束されたら詰みだ、だからテメェは攻撃はするな、それより俺の気が紛れるようなことを何か話せ、コイツは多分俺の心ン中読んで俺を選んで縛り上げた。心ン中って言っても心理学的な方向じゃねぇ、多分生き物が感情とともに分泌するフェロモンとかそういう類のものに反応しているんだ、だから轟、テメェは俺の気を紛らわせろ、何でもいいから何か話せ。普段いっつも何か話しかけてくるみてーによォ』

    爆豪に頼られるのは嬉しいが、急にそんなことを言われても、一体何を話したらいいのか。ええと、普段俺が爆豪に話しかけるのは爆豪と会話がしたいからで、どうして爆豪と会話したいかというと、それは俺が爆豪のことを好きだから。でも今この状況でいきなり爆豪のことが好きだ、なんて言い出していいものか、

    そうして俺が考えあぐねているうちにも締め上げられて苦しいのだろう、爆豪の悲鳴が漏れ、その悲鳴がまた妙にエロく感じて俺は思わず爆豪の唇を手で塞ぎ、

    『話をしろって言われてもこの状況でなんて言っていいか解らねぇし、もしかしたらお前を怒らせちまうかもしれねぇけど、このまま黙って見ているよりはマシだと思うから言うぞ。まず爆豪、今のお前は側から見ればエロい、漏れる喘ぎ声も悲鳴もあまりにエロくて、だからこうして塞いだ』

    俺の手で塞がれている爆豪は呻くことしかできないが、きっといきなり何を言い出すんだこの野郎、とでも言っているのだろう。構わず俺は続ける、

    『どうして口を塞いだかというと、お前のエロい声や顔をこれ以上他のヤツに見せたくないから。そういう顔は俺の前だけにして欲しい、これは今初めて思ったことじゃない。仮免補講が始まって一緒に行動するようになって以来、俺がお前に対してずっと思ってきたことだ。

    お前に自覚はないだろうが、普段からお前はエロくて、たまに痴漢に狙われたりしてたりもしていてやたら危なっかしくて最初は心配だった。でもよく考えたらその痴漢と同じようなことをお前にしてぇって思っている自分がいて、それで俺、お前とは友達じゃなくて恋人になりたいと思っているんだなってことに気がついちまったんだ、

    …って、爆豪、触手の締め付けが緩んできているぞっ、もうひと頑張りだ、次は何を話そうか、そうだな、俺が爆豪のどんなところが好きかとか』

    そんな話をしているうちに、おそらく爆豪の気を紛らわすことに成功したのだろう、あれだけ雁字搦めだった触手は呆気なく解けていき、宙吊りになっていた爆豪が落ちてくるのを両手でキャッチする。それは側から見ればお姫様抱っこスタイルで、普段の爆豪ならすぐにでも降ろせと怒り出すだろうが爆豪は大人しく俺の腕の中に抱かれたまま。一方の俺はというと、爆豪の気を紛らわそうとした結果かなり正直に俺の気持ちを伝えてしまい、今になって動揺しているが今は俺のことより爆豪だ、

    『爆豪、何処か具合でも悪いのか?』

    ギャングオルカに許可を貰って医務室に連れて行き、待機していた医師に爆豪を預けてから訓練に戻ると、今度は他のヤツが宙吊りになっていたが、今度はエロくも何ともない。

    (そりゃそうか、俺が爆豪のことを好きだから、爆豪の一挙一動がエロく見えてしまうんだもんな)

    って、

    『さっきの爆豪マジエロかったよな』

    『うんヤバかった、俺正直ムラムラしたもん』

    前言撤回、やっぱり俺が爆豪を好きだからエロく見えるんじゃなくて、爆豪のことをよく知らない奴らから見ても爆豪はエロいのだと思い出す。散々電車の中で痴漢に遭いそうになっている爆豪を庇ってきたのだ、ということはコイツらも爆豪をエロい目で見てるってことか、俺は仮免補講のメンバーに対してまでイライラしてしまう。

    (ダメだ、これは平常心を試されている訓練なのだから、怒っちゃダメだ)

    幸い触手が俺に向くことはなく、訓練終了後の反省会では、あくまでヴィランに対する感情がキーになると教わり、改めて俺が怒っているのは仮想ヴィランではなくて爆豪のことをエロい目で見てくる人間の方だから俺は攻撃されなかったんだなと一人納得し、訓練終了後制服に着替えた爆豪とともにタクシーに乗せられて帰寮した。


    その夜はなかなか寝付けなくて、俺は真下の部屋にいる爆豪につい意識を向けてしまう。

    (まだ起きているだろうか?)

    起きているなら話がしたい。結局一方的に爆豪に告白をする形になってしまい、帰り道はタクシーだったこともあり爆豪が俺をどう思っているのかは聞けず終い。

    (やっぱり直接聞きに行くか)

    そう思って布団から抜け出し、爆豪の部屋に行こうと自分の部屋のドアを開けると、そこには何と爆豪が立っていた。

    +++


    『まず間抜けにも仮想ヴィランに真っ先に取っ捕まった件だが、…本当は言いたくねぇけど、テメェには言っておく。あの仮想ヴィランを見た時、俺はすぐにヘドロを思い出しちまった。テメェも知ってんだろ、ヘドロ事件。今でもネットに上がってくるもんなァ、

    あのヘドロってのはただ身体を束縛するだけじゃねぇ、身体の中に侵入してくるんだ。鼻から、口から、あらゆる所から入り込んで身体を乗っ取ろうとする。俺は抵抗し続けて何とか乗っ取られずに済んだけれど、

    身体に侵入された気持ち悪さは忘れられねぇ。

    だから今日、あの蛸みてェな仮想ヴィランを見て俺はとてもじゃねぇけど平常心でなんていられなかった。頭では冷静になろうと思ったけれど、身体の内側があのベトベトヌルヌルした感触を覚えていやがって、それであのザマだ。

    でもこれは俺の問題だ。テメェには関係ねぇ、ただテメェとはこれからも色々組んでやっていくだろうから一応言っておこうと思っただけだ、で、ここからが本題だ。

    テメェ、俺のことが好きなのか?』

    ああ、好きだ、と真っ直ぐ俺の目を見て頷く轟を前に俺はどう話そうかと一瞬迷い、昼間コイツには迷う暇なんてなかったことを思い出し、フェアにいこうと腹を括る。つまりはありのままを話すってことだ、

    『仮免補講が始まってからテメェと一緒に行動するようになった時は正直嫌だった。だってテメェは俺のこと舐めてたからな、誰だって自分のことを舐めてくる奴なんて嫌いだろう?

    しかもだ、その舐めプ野郎がよ、俺を守ろうとしていることに気が付いた。俺はどう言うわけかガキの時からよく痴漢や変態の類にあう。多分この個性のせいで甘い匂いがするからだろう、だからバスや電車の中でそれなりに変態には気を付けていたんだが、そこにテメェが盾になるように俺の側に立つようになった。当然俺は腹が立った、コイツまた俺を舐めてやがるって、

    でも、ある日気が付いたんだ、テメェも俺を見てムラムラしてるってことに』

    そう言って俺は轟の股間に視線を落とし、困った顔をした轟が何か言い訳を言い出す前に股間を膝頭でなぞりながら、

    『不思議と嫌じゃなかった、それどころか、轟になら触られてもいいと思った。んで、どうしてそんなことを思うのかっていったら答えはひとつしかねぇだろう、自分でも信じられねぇけれど、俺も好きみてぇなんだわ、テメェのことを。

    って、イテッ!

    待てや、いきなり押し倒してくんなっ、…まあ、押し倒されてもいいよう準備はしてきたんだけどなァ、

    なぁ、俺さ、マジで気持ち悪ぃんだ、ヘドロの残していった感触が。だからさ、もしも俺とテメェがそーいうことを今からするとして、もしかしたら俺はあの気持ち悪さを忘れるために、テメェに上書きして欲しいだけなのかもしれねぇって思ったら、それも何か好きとは違ェって思って、

    だからテメェに抱いて欲しいって思うのもそういう不純な動機を含んでいるかもしれねぇってことも言っておかねぇとフェアじゃねぇよなって思ってさ、

    話はこれで終わりだ。で、テメェはドォする?そのガチガチにおっ立てたモンをお口で慰めるくらいならしてやってもいいぜ、それで今日の貸し借りをゼロにするってことで』

    と言った途端にドサっと上からのしかかられ、ものすごく強い力で抱きしめられる。何なんだコイツ、そんなに俺のこと好きなのかよ、

    『爆豪、もう一度言うが俺はお前のことが好きだ。でもって今気が狂いそうなんだ、どうしてか解るか?答えはヘドロだ、ヘドロがお前の中にまで侵入したと聞いた時、俺は一瞬部屋を燃やしそうになった。お前に触ろうとした痴漢にさえ殺意を覚えてきた俺だ、その場に俺がいたらヘドロもきっと殺していた。

    なぁ爆豪、俺は誰かを好きになるのも、こうして押し倒すのも、これからしようとしている行為も全部初めてのことばかりだけれど、きっと俺は爆豪に対してだけ、物凄く嫉妬深いんだと思うってことは言っておく、さっきお前が言っていたフェアってのの真似だ。

    俺は今までこんなに人に執着したことなんてなかった、爆豪、お前だけだ。だからきっと俺の愛は重たい。俺はお前を全部俺のものにしたいし、そのヘドロの残していった感触も全部上書きして忘れさせてしまいたいし、これから先お前に邪な感情を持って近付く奴らも許さねぇ、

    こういうの束縛っていうんじゃねぇかって思うんだけど、もう止められそうにねぇ、だから爆豪は俺に束縛されてくれ』

    そう言って俺の両腕を布団に縫い留め、体重をかけて身動き一つ出来なくしておいてオスの顔をして懇願する男に俺はこのまま捕まってしまっていいのか、

    (今ならまだ逃げられるか?)

    いいや、もう無理だろう。逃げても不毛な追いかけっこが始まるだけだ、何故なら俺たちは互いに好意を持っている。だったら大人しく受け入れた方がいいだろう、繰り返すけれど、俺はコイツのことが嫌じゃないのだ。むしろコイツに触れられたくて、ネットでかき集めた知識で持って準備してきた身体をゆっくりと開くと自分でも解るくらい甘い匂いがぶわりと立ち上がる。

    (これじゃ俺の気持ちなんて隠しようもねぇしゃねぇか)

    さあ、好きなだけ喰えよとばかりに俺は轟に身を委ね、文字通り身体中の至る所に刻印をつけるかのように執拗に触れられ、何度も轟を感じては意識を飛ばし、今から身も心も轟のものにされるたのだと自覚した。



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