あまいきみ:司レオ・ケーキバース「ケーキ」と「フォーク」。
一般的な意味合いから捉えれば「対」とは言い難いその名詞は、特定の体質として使用する際「被食者」と「捕食者」の意味が付随される。
医学的には確か、長くて複雑な症状名があるそうだが、誰が最初にそう呼んだのか、その俗称は「フォーク」の凶暴性を強調する形で定着した。
「フォーク」とは、カニバリストでサイコパスな殺人鬼。そんなレッテルは強固で根強く、そうして社会から排斥される。
だから、それは隠し通さなければならなかった。
高校2年生の終わり、荒廃した日常の中で、突如として消えた味覚。
時折、特定の人物からふわりと感じるようになった、「美味しそうな」匂い。
月永レオは、「フォーク」だった。
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