「最近よく買い食いばっかりして夜ご飯食べれなくて〜」みたいな話をしたら、みんなから「腹ぷよじゃ締まんねぇぞ、晩メシは食え、しばらく買い食い禁止な」ってお節介されてぶすくれるけど、買い食いしてるの見つかったら怒られること増えて、でも買い食い美味しいじゃん……てしょもしょもする🎍
冬のちょっと寒い日に我慢できずに肉まんとピザまんひとつずつ買って、すぐ食べるので袋いらないです!って両手に持ちながら歩いて食べようとしてたら、「ア?夕ヶ三千?」って後ろから声かけられて、ヤベ〜……😨😨ってなる
ここ最近買い食いしたの見つかると🍯に正座させられたり、🐉に顬ぐりぐりされたり、正直言ってあんまりいい思い出がなくて、両手に持ったほかほかの肉まんとピザまんを見つめる。
袋ならまだ誤魔化しようがあったかもしれないけど、むき出しは流石に……!って思いかけて、……アッ!ってとあることを思いつき、急いで服のボタンを緩めて、インナーの中に肉まんとピザまんを突っ込む。
イヤ多分、腕で押えてたら見えないし!
「どーした?」
「エ!?あ!?八"ジくんじゃないっすかァ!偶然ですね!?いやあのハハ、散歩……してて……」
「フーン……なんで腕組ンでんの?転んだらあぶねぇだろ。」
「へァ……えと……さ、寒くってェ……」
「そんな薄着だったらそりゃそうだろ……。オマエ鈍臭いンだから気をつけろよ。」
「は、ハヒ……」
「オレ今から千フユの家行くけどついでに来るか?さっきまでホシューだったンだけどよ。アイツ先に帰りやがってさァ。」
「ヘェ!?いや、えっとォ……お、おつかい頼まれててェ……」
「そーなん?じゃ、またな。転んで鼻っツラ擦りむくなよ〜」
「ハァイ……」
🐺が🎍を追い越して、しばらく歩いたのを見届けてから組んでいた腕を解いた瞬間、「ア、そういや千フユが借したマンガ返せって、」って🐺が振り向いたのにビクッとしてずり落ちそうになったインナーの下の肉まんピザまんを急いで腕で支える🎍、🎍を見て目を丸くする🐺、ドッと吹き出す汗。
「ハェ、ァ、ま、マンガですよネ!?!?ハヒ、明日返すってアノ、言っといてくれませんか!?」
「……オマエ、まさか……」
「エ!?!?何ですか!?!?何にも!ありませんケド!?!?千フユ待ってるんじゃないですか急いであげた方がイイっすよそれじゃ行きますねまた!!!!!」
すごい勢いで来た道を戻って走って行く🎍を見てポカンとする🐺
🐺に気づいた時に咄嗟に腕を組む仕草、明らかに何か隠しているのが丸わかりな泳ぎまくりの目、それから極めつけは……
「……マ、マジか………や、ヤベェ…………!!!」
途端に青ざめた🐺は全速力で❄の家に向かった。
「アレ、八"ジさん?どしたンすかそんな息切らして……」
「千フユ、今すぐ、そこに、座れ」
「え?あ、ハイ……。……顔真っ青ですよ?具合悪いンすか?」
「イイか、千フユ、今からオレが言うことを、よく聞け。」
「何ですか、深刻そうな顔して……また補習増えたとかですか?だからあれだけ……」
「ち、ちげぇよ!……た、夕ヶ三千……夕ヶ三千が……」
「夕ヶ三っち?何かあったンですか?」
「夕ヶ三千…………オンナかもしれねェ……!!!!!」
「…………へっ?」
「おおおオレさっきソコのコンビニの前で夕ヶ三千に会ったンだけどよ、オレが声掛けた瞬間腕組ンで、目は泳ぎまくってるしどもってっし、あ、あと……」
「あと?」
「オ、オマエがマンガ返せって言ってたの、言おーと思ってちょっと歩いてから振り向いたら……また腕組んで……そしたら…………ち、ち……」
「ち……?」
「乳が…………ボヨンって……!!!!!で、デケェのが……!!!!!」
こ、こんくらいのが……!って両手でカップを作る真っ青な顔の🐺をしばらくポカンと見つめてた❄が吹き出して、爆笑し始める。
「アハハハ!!!な、何言ってンですか八"ジさん!!夕ヶ三っちがオンナなワケないじゃないですか!!いつも男トイレ入るし、立っションしてるのだって見た事あるでしょ?」
「た、確かに……チンコある……よな……で、でもよ、そしたらあんな汗かきながら慌てて隠すか……?しっかり揺れてたし……」
「チンコあるならオンナなワケ………………イヤ、エ、まさか……」
「な、何だよ!?」
「た……夕ヶ三っち……最近……オレらの前で着替えなくなって……せ、銭湯行くのも断って来るじゃないですか……?」
「それが何だよ……?都合悪かったりするだけじゃ……」
「ヤ、わ、わかんないですケド、も、もしかしたら、夕ヶ三っち…………」
「オイそこで黙ンなよハッキリ言えよ!」
「もしかしたら…………ふ、ふた……ふたなり……なのかも……しれない……!!!」
「フタナリ……?なんだそれ……」
「きっ、聞いた事ありませんか!?エ、エロマンガであの、チンコと…………ま、マン…………が……りょ、両方…………!!!!」
「ア……?……ア……そういやむかし……シンイ千口ークンが……コソコソ読んでた…………オ、オンナなのに……チンコついてる……アレか……?た、夕ヶ三千が……?」
「ふ、普段は……サラシとかで胸潰してて…………で、でもいや、前に銭湯行った時胸ぺったんこだったしそんなワケないですよね!?アハハ何言ってンだろオレありえねぇ!!!」
「…………で、でもよォ……オ、オンナの……胸って……も、揉んだらデカくなるンだろ……?ワ力クンがむかし……」
「……夕ヶ三っちと最後に銭湯行ったのって…………」
「……五ヶ月くらい前だな……夏は汗かくから集会の後とかに行ってたケドよ……最近ずっと……腹痛いとか寒いとかって断ってたな…………」
「イヤ、イヤイヤイヤ、た、夕ヶ三っちに限ってそんなコトあるワケ……!だってど、童貞だって言ってましたよ!?」
「は、腹痛いとかは……セ、セーリ……?が……さ、寒いとセーリツーがひどくなるって保体でこの間オンナのセンコーが…………ふ、普段は……チンコ使わねェのかも…………オ、オンナの……方で…………」
「や、やめてくださいよ八"ジさんそれ以上言わないでください!」
「ち、チンコ突っ込まれる側で…………胸も…………揉まれて……デカくなって………………!!!!!」
「き、聞きたくない聞きたくない聞きたくない!!!」
「だ、だってよォアイツ、目ェデカいしカリッカリだし、何より……め、め……メッチャ可愛いじゃねェか………………!!!?」
「イ、イヤだァ!!!!!ばばば八"ジさん今すぐみんな集めましょうそうしましょう道連れにしないとぶっ壊れますオレらが!!!」
「おおおオウそうだよな!?!?!?」
爆速で各所に電話をかけ始める🐺と❄、全員に今すぐ来い絶対集まれ来なかったら殺すって言い回って、あまりにも人数が多いので🌾の家の道場に集まることになる。
溝中の4人だけはどうしても来れなかったけど、それ以外は不機嫌そうな顔ながら何とか幹部と近しい隊員が集まって、🐺と❄が前に立って深刻な顔をしながら口を開く。
「何だよ二人とも死にそうな顔して……夕ヶ三っちは?なんでアイツだけ居ないんだよ。」
「アノ……そ、その、夕ヶ三っちのコトで…………ば、八"ジさん、八"ジさんが言ってくださいオレには無理ですお願いします!!!」
「アァ!?なんでオレなんだよオマエが言えよオレだって無理だよ!あぁクソもう二人で言うしかねぇだろ!!!」
「せーので言いましょうせーので絶対ですよ裏切りとかナシですからね!?」
「裏切るワケねーだろ!?い、言うぞ、いいか、せ、」
「せーの!」
「夕ヶ三っちが!オンナかもしれなくて!!!」
❄の声だけが響いて、今まで文句で溢れていたのが嘘のように静まり返る道場、遠くから聞こえる庭の獅子脅しの間抜けな音、呆然と隣を見る❄、唇を噛み締めてブルブル震える🐺。
「ば……八"ジさん……?」
「悪ィ千フユ…………オレには無理だ…………」
「あ、アンタ……アンタ……!!!!!信じてたのに……!!!!!」
「…………なんて……?」
「は、ア、だ、だからよォ…………!千フユが言った通りだよ…………」
「それがわかんないから聞き返したンだけど……?」
「は?え?マジか、お前ら……」
途端に爆笑で溢れる道場、🐺と❄除く全員の大爆笑で道場の壁がビリビリ震えて、外から「ウルセーぞクソガキども!!!」って🏍の怒鳴り声が聞こえてくる。
「ちょ、ンフ、エ?な、なんて?フフッ……エッ?夕ヶ三っちがオンナって話だっけ?確かにメッチャ可愛いケドそれは流石に……なァ?」
「アァ!?ァに笑ってンだよマィキ一!本気だぞオレらは!!!」
「ング……フッ、ち、千フユも何言ってンだよ、ば、八"ジの隣にいるから頭悪くなったンじゃねェの……?フフッ、はらいたい……」
「い、今から話すことを聞いても爆笑出来ますか……?こうなったら死なば諸共ですよ……全員道連れにしますからね……」
「何見て勘違いしたのか知らねーけど、オモロいから話してみろよ。」
バイブレーションモードで笑う🐉が一旦話が聞こえる程度に静かにさせて、❄と🐺を見る。
「今日……コンビニの前で夕ヶ三千と会ったンだけどよ…………なんかずっと腕組んンでて……目は泳ぎまくってるワ、寒いからとか言うクセに死ぬほど汗かいてるワ、絶対なんか隠してる顔で…………」
「ウンウン、それで?」
「オ、オレが……ちょっと歩いて、千フユの伝言伝えようと思って振り向いたら…………」
「振り向いたら?」
「た……夕ヶ三千に……む、むむむむね、乳が…………」
こんくらいのが……!ってまた両手で大きなカップを作る🐺にポカンとする一同。え?胸?乳?
「イヤ、ないだろ……アイツいつも男トイレ入るし立っションするしチンコあるじゃん。何か持ってたとかじゃなくて?」
「イヤ……あの揺れ方は間違いなく乳だ……」
「チンコあんのに?普段もぺったんこじゃん。」
「そ、それなんですよ!」
「それって?」
「み、見た事ありませんか!?ふたなりってやつ……!オンナだけどチンコ生えてるってエロマンガ……!!!普段は多分、サラシで潰してるンですよ……!」
「チンコ生えてるオンナのエロマンガ……?」
「ナニマィキ一知ってンの?」
「ヤ……昔シンイチローのベッドの、シーツん中にエロマンガ隠されててサ……隠すくらいヤベェんだって思って開いたら……チンコ生えてるオンナの本だったからビックリしたことある……」
「でもマンガだろ?フィクションってやつじゃね?」
「……イヤ……」
「何だよ九井。」
「その……実際に、あるんだよ、そういう……生まれつき両方ついてる、両性具有ってやつ……」
「夕ヶ三っちがそれだって言うワケ?オンナのがついてたら分かるだろ。」
「そんなにしっかり野郎の下半身見るヤツいなくね?チンコで隠れて見えないのかも……」
「でも銭湯で見たけど胸ぺったんこだったじゃん。サラシのまま入らねぇし、そこら辺は?」
「……皆さん、最後に夕ヶ三っちと銭湯行ったの、いつだったか覚えてますか?」
「ア?……アー、最近ずっと断られてるな……腹痛いとか冬は寒いからって……最後……今が十二月だから、七月くらいだったか……?」
「そ、それです!腹痛いとか寒いとかって、思い当たるコトありません!?」
「下したとかじゃなくて?」
「違いますよバカトラくん!保体ですよ保体!みんなそれだけ成績いいでしょ!?オレらになくて、オンナにあるものって言ったら……!」
「まさか………………生理?」
「ソレだよソレソレソレ!!あんまり触れるのも悪ィけど、オンナのきょーだいいるやつは分かンだろ!?」
「……確かに……エマよく腹痛いって湯たんぽ持ってたりするかも……」
「柚葉、寒いところ嫌がるし……」
「赤音も四角の何か入れたポーチ持ってるな……」
「夕ヶ三っちにも生理あるってコト……?」
「や、仮にそれが本当だとして、胸のことは解決してねーじゃん。そこはどう説明すンの?」
「ング………………!!!」
「エ、何?その顔……」
「……オマエら、知ってっか…………」
「なになになに怖い」
「オンナの胸って…………揉むとデカくなんだよ………………」
「…………イヤ、イヤイヤイヤ、ない、それは流石に。」
「だって夕ヶ三っちだぞ?童貞なの気にして泣いてンじゃん。」
「童貞はあってると思います、ただ…………」
「…………オイ、待て松野。察した、言うな。」
「夕ヶ三っち…………………胸揉まれて…………!!!ち、チンコ……突っ込まれる側で…………!!!」
「オレ今言うなっつったよな!?」
「か、カレシが…………いて……!!!!そ、ソイツに………………!!!!!」
「やめてやめてやめてもう止まって」
「も、もう……処女じゃなくて…………!!!!!」
「ないないないない!!!!!大体五ヶ月だぞ!?何ができるって言うンだよあの奥手の夕ヶ三っちに!」
「オレら健全な男子中学生だぞ!?二ヶ月、イヤ一ヶ月……さ、最悪……二週間で……!そういうコトになんだろ!?オレら健全な男子中学生だし!!!」
「い、いいように言いくるめられて……!悪いオトコに捕まって……!た、夕ヶ三っちのことだし……断れなくって……!朝も夜も最悪の場合昼でも……!ずっとベッドで……ッッッ!!!」
「ひたすら胸揉まれて…………そしたらあんなにデカくなっちまったのかも……!!!」
「聞きたくない聞きたくない聞きたくない」
「お、オレらと最近遊んでくれないのも……カレシに束縛されてたりとか…………だ、だって、夕ヶ三っちですよ!?夕ヶ三っちなんですよ!?」
「ほんとに、やめてください」
「メッッッッッッッッッチャ可愛いじゃねェかアイツ…………!!!!!」
「アー!!!!!聞こえない!!!!!聞こえない!!!!!」
「お、オトコだと思ってた今まででも死ぬほど可愛かったのに……!!!それがオンナになったら……!!!そ、そこら辺のオトコなんてコロッと……!!!!!チンコのあるナシ関係なく……!!!」
「なァ死んでもいいか?」
「じゃ、じゃあ………………夕ヶ三っち…………今までオンナの体で……喧嘩してたってコト…………?」
「ま、毎回ガッツリ腹殴られて…………お、オンナって、し、子宮あンじゃん…………せ、生理だけじゃなくて…………腹殴られたせいで血ィ出てたり…………」
「喧嘩賭博とか……させられてたし……ど、ドスで刺されたり…………ボコボコに殴られてたり…………さ、最悪撃たれて……!」
「……………よ、ヨメ入り前の…………オンナを……矢面立たせて……オェッ………………」
「稀咲息してない………………」
「………………夕力ちゃん…………た、夕ヶ三っち…………お、おなかに…………赤ちゃんいたらどうしよう…………」
「い、いるわけねーだろ!?変なコト言うのやめろよ八ッ力イ!!」
「で、でもでもでも、わ、悪いカレシだったら……ゴムなんてしないかもしれない……!!!」
「…………妊娠して、腹が出てくるのって……こ、九井…………」
「大体十六週…………月に直すと……五ヶ月だ……」
「ねぇヤダちょっと待ってマジで」
「最近よく腹さすってるのもほんとは買い食いのし過ぎじゃなくて……」
「に、妊婦のひとって……よく腹減るようになるンだろ……?でも晩メシは食べれないって…………つ、つわり……」
「揚げ鶏とかポテチとか油っこいモンばっか食べてるのって……」
「特服きついって言ってたのも妊娠して腹が出てきたからで……」
「む、胸って……母乳出すからデカくなンじゃん…………」
「一昨日絡まれてた時…………フツーに腹殴られてたよな…………?」
「も、もしかしたら……り、りゅ、りゅう…………!!!!!」
「たとえ相手が悪いオトコでも…………た、夕ヶ三っちが好きなヤツで…………そいつとの子供が………………」
「ど、どうしよ………………どうしよう………………オェッ…………」
「あ、謝らなきゃ…………夕ヶ三っちに……謝らなきゃ…………」
「でも…………オレらが謝ったって…………殴られたせいで潰れて死んでたら……も、もう、腹の中の子供………………戻ってこないじゃん………………」
「マィキ一………………オレら…………取り返しつかないこと…………」
静まり返る道場の中、みんながみんな青ざめてたり頭を抱えて泣いてたり、その場で吐いてたり、取り返しのつかないことになってしまった絶望で頭がおかしくなりそうだった。
ちなみにその頃、道場で何が起こっているかミリも知らないまま肉まんとピザまんを食べ終えた🎍は、溝中の四人とファミレスでチーズINハンバーグを食べながらポテトをつまんでいた。