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    おまめさん

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    生理中の💜♀

    ※体調不良ネタです!

    #mafiyami

     目が覚めた瞬間、嫌な腹痛に気付く。マシになるわけでもないのに、布団にくるまったまま身体を縮こめてみる。
     予定日が近かったからナプキンはつけていたけれど、我儘を言っていいなら昼間に始まってくれたらよかった。出血してすぐ薬を飲めればいくらか楽なのに、もう痛くなってしまっては薬も効きづらいのだ。
    「ううううう」
     勝手に溢れそうになる涙を引っ込めるため、ぎゅっと目を閉じて、深呼吸。だめだ、泣くな、泣くな。
     枕元のスマホで時間を確認した。ルカはもう帰ってきているだろう。ぽちぽちメッセージを打ち込む。
     生理…、はじまっちゃった…、悪いけど…、薬と…、水、もってきて…、もらっても…、いい…?
     送信。外で何かしていたのだろうか。バン!と玄関を開く音がして、ドタバタ階下で大きな音がする。とりあえず家にいてくれてよかった。…急いでくれるのはありがたいけど、頭に響く音が嫌で目を閉じる。
     バタバタバタ!ドタドタ!ガチャ、ドン!
    「シュウ!」
    「ゔ、…ちょっと…静かに…」
    「わ、ご、ごめん…っ」
    「ううん、ごめんね。薬ありがとう」
     ルカは忍び足でベッドサイドまでやってくる。グラスにペットボトルの水を注ぎ、いつも飲んでいる鎮痛薬をその横に置いてくれた。
    「…頭も痛いよね。オレってば静かにしなきゃダメなのすっかり忘れてた…。座れる?これ、薬…」
     背中を支えられながら、薬を二錠飲む。これが効いてさえくれれば、幾分マシになるだろう。グラスに残った水も飲み干して、一息ついた。
     ルカは心配そうな顔で僕を見つめている。本当に、泣きたいのはこっちなのに、僕より泣きそうな顔をしてるんだから不思議だ。
    「もう待ってたらよくなるから」
    「うん…早く効くといいな。シュウは、もう一回寝る?オレ、出てったほうがいいなら出て行くけど。いていいならなんでもするよ」
    「………」
     痛みを忘れるためにできれば寝てしまいたかったけれど、起きたばかりなので眠気は全くない。かといって、一人でここに残るのも心細い。でも、ルカを引き留めるのも…。
     と考えて、一つの案に辿りついた。
    「布団ごとリビングに連れてって。そこでルカがゲームしてるの見るから」
    「いいアイデアだ!でも、オレは嬉しいけど…シュウはしんどくない?」
    「んー、大丈夫じゃないかな。あったかいし、じっとしてるし」
    「そう?…じゃあ行こうか。ええと」
    「ん」
     両手を広げてルカに抱っこしてくれとおねだり。普段の僕ならこんなこと絶対してもらわないけど、なんせ頭も腰もお腹も痛くて、もう正直やってられないのだ。一歩だって動きたくない。
     自意識過剰じゃなければいいんだけど、…ルカは気持ち嬉しそうに笑って、僕を布団ごと持ち上げた。
     ルカが鍛えててくれてよかった、と思う。安定感のある分厚い胸板に頭を預け、心地よい揺れを堪能する。洗面所とお手洗いに寄ってもらって、その後僕の身体はゆっくりとリビングのソファへ降ろされた。
     なんのゲームがいいかな、なんて呟きながら、結局最近進めているRPGにしたようだった。準備を終えてソファに戻ってきて、僕を足の間に挟んで座った。
    「あ、なんか飲み物とかいる?」
    「…うーん………とりあえずいいかな。いつもの配信みたいに、喋っててほしい」
    「うん?配信みたいに?」
    「ルカの声を聞いときたいの」
    「わは、オッケー任せて!じゃあ始めるよ〜」
     ゲームのBGMと合わせて、大好きなルカの声が頭上から降ってくる。重い身体は布団に包まれて、さらにその上からルカの逞しい腕に抱かれている。
     こんな幸せなことがあるだろうか。重くなる瞼を感じながら、ぼんやり考える。いつのまにか薬は効いて、痛みは和らいできていた。眠気に抗わず、ルカの胸にもたれたまま、目を閉じた。
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