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    hagoromo_09

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    hagoromo_09

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    宇佐美の恐怖部分が協調されてるけど、
    門倉さんもめちゃくちゃに深堀していくと門倉さんも大概何を考えてるかわからなくない…??と思ったので。
    お互いがお互い、「なんだこいつ」と思っているうさかど、かわいいと思います。

    こわいひと門倉部長は、僕の事を「恐ろしい奴」だとか、「恐怖の象徴」だとか、非常に失礼極まりない事を言ってくるけれど、本当に怖い人間というのは一体何だろう?と考えた事がある。
    人間は、「分からないもの」を怖がる傾向にある。
    幽霊や妖怪の類なんて、まさにその象徴だ。実際に見た事がある人のほうが少ないのだから、いくらでも想像で恐ろしいものを生み出してしまえる。
    世間で流行っている病も同じだ。
    それを治す方法が分からない。なったらどうなってしまうか分からない。だから怖い。
    だとしたら、僕なんてとってもわかりやすいから怖くないはずだ。
    だってそうでしょう?
    僕は一途だ。今も昔も。
    僕は執着が人よりも強い。
    その執着の矛先が自分で完結できるものならいいけど、僕の厄介な所は人間にも容赦なく向くところだ。
    そして、人間に執着が向いた場合、その相手が僕をきちんと認識していないと気が済まない。
    どんな形でもいい。それこそ、利用という形でもいい。
    ただ、「僕」という存在をきちんと認識して、そしてその人の中で「なにか」の一番になれていればいい。ただ、その形式は問わないというだけ。
    そのためなら僕はどんな事だってやってのける。
    それこそ人殺しだって、その人が僕に「一番」をくれるなら、なんだってやれる。
    それが僕という人間だ。
    だから、門倉部長は僕の事を「怖い」というけれど、恐怖を与える事なんて何もないはずだ。
    そりゃ、猫を被って僕を隠していた時だったらその恐怖も分かる。
    だって隠してたんだから、僕の本質なんてわかりゃしないのだから。
    でも、今は違う。
    前世のあの時のように、話す時間も何もなかった時とは違うのだ。
    今は僕らは共にすんで、セックスまでする仲だ。
    あまりにも門倉部長が僕の事を怖がるものだから、ため息交じりに「僕」という人間を教えてあげたのに、あろうことかあの人、「それはとっくに知ってる」とかほざいた。
    だったら何も怖くないでしょうに!と言ったけど、彼は「この先の未来が怖い」のだという。
    それなら、分かる。「未来」は不確定要素だ。
    でも、そんな未来を怖がってどうなると言うのか。
    「今」の僕を見て欲しい。今の僕は、こんなに貴方を見ているというのに。
    貴方しか見ていないというのに。
    そう文句を言えば、「歳をとればお前も分かるよ」とか、もっともらしい事を言ってはぐらかす。

    ねえ、門倉部長。
    それじゃあ、貴方は一体何なんですか?
    僕は貴方の本音を、ひとかけらでも見た事があるだろうか。
    怖がりなのは分かる。諦め癖が酷いのも、悪運が強くてドジでマヌケなのも。
    でも、貴方からは、一度だって心の中を見せてもらった事なんてない。
    優しく僕を撫でる手も、かわいいと言ってくれる言葉も。
    貴方が人を欺く事にたけている「たぬき」なのは知っている。
    だからこそ理解ができるのだ。彼は、本当の事を小出しにしながら、一番大事な所に、誰にも触らせてくれないのだと。
    貴方が怖いというから、僕がこんなにも全てを見せているのに、それを受け取ってくれない。「怖いから」という曖昧な理由で、向き合う事から逃げているんだ。

    ねえ、門倉部長。
    貴方は本当は何が怖いんですか?
    貴方は本当は何がしたいんですか?
    貴方の中に、本当に「貴方」は居るんですか?

    貴方の中身はいつだって「誰かのため」しか入っていなくて、
    そこには貴方自身が何もない。
    門倉という人間の本質が分からない。
    ふわふわと煙のようで、すぐ消えてなくなってしまいそうなのに、何をしてもずっとそこに居る強さもある。
    体力なくて弱っちいのに、時々こちらが驚くくらいの意志の強さを見せるし。
    弱いくせに必要とあれば、簡単に、まるで自分の命がそういうものだと、当たり前のように捨てようとするし。
    目が離せないんです。
    何をするかわからないから。予想なんてできないから。

    ねえ、門倉部長。
    僕のほうが、貴方の事が怖いんですよ。




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