ヘルルス書きたかっただけ「ルスレイ、どうしたんだ?それ」
緩やかな昼下がり。ヘルメロはルスレイに問いかけた。
今日というのはヘルメロにとって、久々の休日であった。浮き足立ったヘルメロは、朝から馴染みの店で小さなバゲットを買い、店主と他愛のない話をしてから花屋に顔を出した。そこで気に入ったものをいくつか見繕って、これまた小さな紙にくるんで、そして自室に戻ったのだった。
帰ってみるとそこには、手のひらほどの紙切れを手にして黙り込む──同じく今日はオフの──ルスレイがいた。休日はたいてい本を読んで過ごすか、気だるげに外を見ながらベッドで横になるばかりのルスレイが。
ヘルメロは花をデスクの上の花瓶に挿して、バゲットの最後のひとかけらを口に放り込んだ。
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