【縁切りの木(Side Haku)】【縁切りの木(Side Haku)】
ある日の放課後、特待生は放課後、教師のモービーに加賀見昴流宛の書類を託され、ホタルビ寮に寄ることとなった。
しかし、肝心の加賀見は不在、折角だしお茶でもどうだいと笑った副寮長の草薙伯玖と話が弾んでしまい、すっかり帰りが遅くなってしまった。
(この学校、夜は怖いんだよね…)
寮までの道に人影はなく、動くものは揺れる木々と時折横切る猫の影だけだ。
(やっぱり伯玖さんに送って貰えばよかったかな…)
寮まで送るという伯玖の申し出を固辞したことを、特待生は今更ながらに後悔していた。
「はぁ、早く帰ろ……あれ?」
ふと、視界の端に何か気になるものが写った気がして、特待生は足を止めた。
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