碧海に浮かぶ小花 「イヌピーくん!お誕生日おめでとうございます!!」
花垣のよく通るデケェ声がファミレスの店内中に響き渡った。
昼飯には遅ぇし、夕飯にしてはまだ早ぇ時間帯だからかまだ疎らにしか席が埋まっておらず、座っている客の中には微笑ましそうにオレたちを見る人間もいれば、あからさまにクスクスと笑っている人間もいて反応は様々だった。
遡ること一時間前、集会後にオレは花垣に「ちょっといいッスか?」と呼び止められた。
「イヌピーくん、このあと時間ってありますか?」
「花垣との時間ならいつでも空いてる」
常日頃から思っていることを口に出すと、
「良かったッス!じゃあ、二人でメシ行きませんか?」
とメシの誘いを受けた。
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