恋の終わり その恋がはじまったのは、中学のとき。それからずっと、私はその人を見てきた。本当に、ずっと。
だから、言われなくたって知っていた。彼には私と出会う前から、心の中に一人、決めた人がいる。その子と再会して、あっという間に燃え上がったのだって、見ていたら分かった。
その途端、私は理解する。あの熱が、私に向けられることは、ないのだと。
「オレにしとけよ」
彩子ちゃんを家まで送っていくのだと、足取り軽く体育館を出ていった彼を見送った私の頭上から、そんな言葉が降ってきた。思わず「は?」とこぼしつつ見上げると、そこには耳を赤くした三井先輩がいる。
「『は?』ってお前、そりゃねーだろ……」
「だっていきなり……なんなんですか」
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