Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    梅雨@brille2525

    @Brille2525

    二次創作中心の物書き。
    BLゲーム作品多めですが、リアクション頂けると励みになります。


    これまでの投稿はpixivにもあるので、そちらもどうぞ。
    pixiv:https://www.pixiv.net/users/1984192

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 31

    梅雨@brille2525

    ☆quiet follow

    Webオンリー 『監督の赤い糸』 X連動企画 作品投稿
    お題④ 「フリー」 運命の赤い糸

    運命の赤い糸②【藤堂 ーPurpleー】
    家を出てから2時間後。
    俺は自分の指に結ばれた糸の先を追ったが、未だに糸の先にたどり着くことが出来ずにいた。
    一度休もうと道の途中にあったベンチに座って体を休めていると、持ってきた携帯電話が鳴り出す。
    液晶画面に表示されている発信元を確認すると、そこには藤堂という文字が出ていた。
    すぐに通話ボタンを押したが、一方的な会話は相変わらず。俺が今どこにいるかだけを聞かれ、素直に答えればそこで待ってろとだけ言って切られてしまう。
    「赤井」
    その数分後、約束通り藤堂の車が目の前に来た時に気づいてしまった。先程から探していた、俺の指からどこかに繋がる糸が、この車の運転席にあることに。
    「で、あんなところで何してたんだ」
    右側の助手席に座ると、再び車が走り出す。藤堂に質問をされながらも、ちらっと藤堂の小指と自分の小指に赤井意図が繋がっていることを確かめる。藤堂の様子からすると、どうやら藤堂にはこの赤い糸は見えていないようだった。
    「…ちょっとな。それより要件くらい教えてくれてもいいだろ」
    「行けば分かる」
    ぶっきらぼうな言い方に、つい反論する。こうやって車に乗ってしまう自分も悪いが、少なくとも要件を聞くくらいは良いはずだ。
    「藤堂…」
    睨みつけるようにジッと藤堂の顔を見つめていたが、俺からの視線が気になるのか赤い糸が垂れている方の手が車内の収納扉を指を差した。
    「……そこのグローブボックス、開けてみろ」
    言われた通りの場所を開ければ、中には紙が二枚入っている。手に取って記載されている内容を見れば、それは先日応募をして、外れてしまった映画の試写会チケットだった。
    「なんでこれ…」
    「俺も応募してたからな」
    応募していたことや外れてしまったことは話をしていたが、まさか藤堂も抽選しているとは思わなかった。もちろん藤堂自身はこの映画に全く興味などないのはずなのに、こうして手伝ってくれていたことがなにより嬉しい。
    「ありがとう」
    嬉しさのあまりシフトレバーにかけていた藤堂の手を掴んだ瞬間、驚いた声を上げた。
    「これは…」
    自分の小指から俺の指へと視線を移し、触れたことで藤堂にもこの糸が見えるようになったことが分かる。
    「俺も分からないんだ。でも、このままだと外に出られないよな」
    今は車の中だから良いものの、映画館に入ればもしかしたら他の人に見えてしまうかもしれない。
    「なら、見せつけてやればいい」
    「本気か?」
    「当たり前だろう。それにこれなら赤井が、先約済みってことが一目で分かる」
    得意げな顔で答えるのを見て、この赤い糸の意味に気づいているのかもしれない。何か知っているなら教えて欲しいと問いかけたが、藤堂は俺は何も知らないとだけ答えられてしまう。
    自分だけ知らないままなのが納得いかずに不貞腐れていると、赤信号になったのか車が少しだけ揺れて一時的に止まった。
    「――赤井」
    そして、強引に俺の右手を掴むと嬉しそうに赤い糸が結ばれた指へキスをした。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💜❤💞💞💞🚗🚗🚗🙏🙏🙏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    梅雨@brille2525

    TRAINING学園ヘヴン 〈和希×啓太〉
    和希の誕生日おめでとう!もうこの二人はどれだけ遠くにいて、どれだけ長い期間を隣にいなかったとしても、決して離れることは出来ないんです。

    久しぶりに学へヴ書いてみたけど、離れた期間が長すぎてズレが起きてる気がします。本編をもう一度やり直して、アニメ見て、ドラマCDを再履修したいと思います。
    不離一体ベルリバティスクール、通称BL学園。自身の母校であるこの学園の教師に就任してからもう数か月が経っていた。
    「それじゃあ皆、来週までにレポートを提出するように!」
    そう伝えるのと同時に、校舎内に授業終了の鐘が鳴り響く。生徒たちはその合図を聞き、それぞれ別の行動を始める。例えば部活動のため教室を後にする生徒やクラスメイト同士で集まって雑談に花を咲かせ、また別の生徒は机で突っ伏して眠っていた友人の元へ駆け寄って授業を終えたことを知らせていた。
    「…トーモー!授業終わったぞー!」
    「んー…、もう少し…」
    俺はそんな微笑ましい光景を見守りながら、開いていたテキストを片付けていく。そして、不意に窓の外へ視線を向けると、ついこの間まで桜色に彩られていた校内の木々が、いつの間にか新緑に変わっていることに気づいた。
    2217