転生現パロ同棲コラロがご飯食べる話頭ほどもある真新しいキャベツの葉を一枚ずつ剥がすうちに、ふと春が来たなと感じる。随分と今更な話だが、この時期は毎年慌ただしいもので、季節感はつい置き去りにしがちだ。
最後の春キャベツは水気を含んでやわらかく、冬より色味も淡い。今日はお互いどの程度食べるか、俺は少し多めにするかと思案しながら剥き続けていると、
「なあコラさん」
シンクの隣から声がかかった。腕組みをしたローが、沸き立つフライ鍋を睨みつけている。ロシナンテは、ローの表情と弾ける油の表面を、一瞬見比べる。
「どうした?代わるか?」
尋ねると、
「いや、いい。そうじゃない」
大きな手のひらであっさり遮られた。じゃあなんだ。揚げ具合の思案にしては目元が険しい。
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