がまんできない 僕とフレミネに任された任務帰り。任務自体は簡単なもので、すぐに終えた僕達は帰りを急いでいた。今日は久しぶりにお父様が帰ってくると聞いていたからだ。
「ここを通っていけば、船着き場まですぐだ。行こうか、フレミネ」
「う、うん…」
僕の言葉にぎこちなく頷くフレミネに少し違和感を覚えるものの、それよりも早く帰らなければという気持ちのほうが強かった。それはフレミネも同じだったのだろう。
街を抜けて、海の見える船着き場に向かって林の中を急ぎ足で進んでいく。途中、つまづきそうになったフレミネの手をとると、何か言いたそうに視線を向けられる。
「どうしたんだい?」
さっきから、フレミネの様子が変だ。ここまで無視してしまった自覚があるため、立ち止まりじっとフレミネの言葉を待った。
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