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    ゆうら

    @08yurayuratti22

    主に鯉鶴・うさかど・菊トニ・尾白が好きですが
    かなり雑食
    色々書けていけたらいいな~
    どうぞよろしくです!

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    ゆうら

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    8月生まれの方へ捧ぐ🎉
    うさかどwebオンリネプリ企画、門さん誕生日短編の1つを加筆して公開!(博物館うさかど番外編)
    付き合って1年くらい経ってる2人のお話

    #うさかど
    houseFrontage

    そんなところが好き ~博物館のひと 番外編~今日は僕の大切なオジサンの誕生日だ。
    夏の日差しが、目を焼く午後。
    恋人の為に買ったプレゼントが、勢いよく地面に落ちる。
    手から離れたのさえ気付かなかったのは、目の前の光景に、唖然としながら怒りに震えたからだ。
    「門倉さん!!」
    口から出たのは、そんな風に名前を呼ぶ事だけ。
    これ以上強気に出られないのは、僕の敬愛する人が、恋人の目の前にいたからだ。
    「鶴見さん!大丈夫ですか?!」
    「…鶴見には大丈夫とか聞くんだ…」
    何かボソッと聞こえるが、取りあえず無視だ。
    「ああ宇佐美君、大丈夫だよ。ちょっと滑ってしまってなぁ」
    そう言いながら、艶のある髪を濡らした鶴見さんが笑った。
    2人は何故か全身ビショビショに濡れた状態になっていて、駐車場のアスファルトの上に座り込んでいた。
    その足元には萎びたホースが転がっている。
    確かに水浴びには良い陽気かもしれないが、いい大人がするわけが無い。
    完全に門倉さんの不運に、鶴見さんが巻き込まれたに違いなかった。
    鶴見さんにハンカチを渡しながら、門倉さんに尋ねる。
    「…どういうことですか?」
    睨んでもこの狸、肩をすくめるばかりで何も言わない。
    「ああ、ちょっとなぁ…なあ?門倉」
    「ちょっと、な」
    その親しい間ならではのやり取りに、胸の怒りがおさまらない。
    「今、車を2人で洗ってたんだ。そんな中、蜂が数匹…門倉目がけて飛んでってな」
    「慌ててホース振り回したら…こうよ」
    思ってた通り、やっぱり門倉さんのせいだった。
    「まったく…門倉さんの不運を鶴見さんに振りかけないでくださいよ」
    鶴見さんは怒るでもなく、むしろ笑いながら首を振った。
    僕は内心イライラしつつ、下半身もイライラしていた。
    だって、この2人の濡れ姿なんて目の毒…いや、毒とか鶴見さんに失礼だっ!
    薬!そう薬だよね。
    鶴見さんも門倉さんも、シャツが濡れて肌が透けていた。
    鶴見さんはアンダーシャツを着ている為、胸辺りは見えないものの、充分過ぎるほどの色気を振りまいている。
    鍛えられた身体の線はもはや芸術だ。
    門倉さんはといえば………エロの塊かな?
    あんなに言っておいたのに、アンダーシャツを着ていない!
    僕が育てた胸の先端なんか、色までくっきり見えるじゃないか!
    それに何?あのだらしないお腹!二の腕!
    揉みしだいて噛み付いて、嫌ってほど泣かせたいくらいエロい。
    うん、今日も抱こう。
    「すげぇな…何も言ってないのに、何されそうか予想できた」
    「それは何よりです!」
    そんな僕と門倉さんのやり取りを、慈しむように見つめる鶴見さん。もうこれは天使。
    …それにしてもこんな天使な鶴見さんに、なんて事を…
    「門倉さん、鶴見さんに謝ったんですか?!」
    「あ、そうだった!…鶴見…ごめぇん…」
    「いいんだ。おかげで蜂は何処かへ行ったしな。それより風邪をひいてしまうから、早く着替えよう」
    「…そうだな」
    と、慣れた手つきで鶴見さんの車の後部座席を漁る門倉さん。
    「っちょ!何勝手に鶴見さんの車に触ってんですか!」
    「ええ~?だって俺の着替えがここにはいってるからよ…」
    この2人、何の因果か親友同士だ。
    お互いの誕生日に旅行を贈りあい、一緒に行く中だ。
    今年は門倉さんの誕生日が金曜日だから、明日の土日に行くらしい。
    もう…ほんっ……とに、ムカつく。
    でも鶴見さんが毎年楽しみにしているから、止めろなんて言えるわけが無い。
    鶴見さんの幸せは、何においても大事なのだから。
    「明日の旅行の為に、予め鞄を積めといてよかったぜ。お、あった」
    「門倉、私のも取ってくれ。館長室で着替えよう」
    うーん、残念。
    まぁ…僕以外の誰か他人に、2人の肌を見られたくはない。
    鶴見さんと門倉さんは連れ立って、館長室の窓へ向かう。
    ガラッと窓を開けると、鶴見さんが最初に入り、門倉さんがそれに続いた。
    そこから入るんだとは思いつつも、何も言わずにその一挙一動をジッと見つめた。
    …少年のような行動をする2人に、ニマニマが止まらない。
    「良い笑顔でこっちみんな!」
    「見てるだけですよ?」
    「見てるだけ?」
    門倉さんが首を傾げて、思案顔になる。
    ふと僕の視線の先が己の胸だと知り、慌てながら両手で隠す。
    こちらは充分堪能済みなので、遅いけど。
    「すまんなぁ、このなりじゃ博物館の正面から行くわけにもいかないし、早く着替えたいだろ?」
    「っ!そ、そうだな!」
    鶴見さんに相槌を打ちつつ、こちらをギロッとこっちを睨む狸ちゃん。
    その表情で胸を隠す姿は、もはや誘っているとしか思えない。
    よし、ガッツリ抱こう。
    「ああ、くそ!何か変なスイッチ押した気がする!!」
    「ウフ、以心伝心ですね!」
    「嬉しくないわ!!」
    その言葉と共にカーテンが閉められた。
    ああ!折角の目の保養が!!
    …よし、なんならグチャグチャに抱こう。

    ーーーーーーー

    旅行鞄片手に帰路につく。
    「もっかい着替えを入れ直さないとな~」
    のんびり呟く門倉さんの背中を見つめた。
    「なんか…ごめぇん」
    「なにがですか?」
    「なにって…」
    振り返って指差す先には、先程盛大に地面へ落とした門倉さんの誕生日プレゼントがあった。
    「ああ、これですか?包装紙はアレですけど、これくらいじゃ壊れませんので」
    「…何が入ってるんだ…?」
    恐る恐る聞くから、唇に人差し指をつけて呟いた。
    「秘密です。誕生日プレゼントなのに、ネタバレなんか出来ませんよ」
    「……」
    その複雑そうな顔……たまらない。
    そんなに心配しなくてもいいのに。
    少し良いネクタイと、ちょっと透けてて布面積の少ない、かわいいお洋服だ。
    どちらかと言えば、門倉さんは今夜の事を心配すべきなんだよね。
    …いや、門倉さんにとっては同じか?
    ああ、今夜が楽しみだ!
    それよりも…
    「前から言ってますけど、アンダーシャツは毎日、欠かさず着てくださいね!」
    「いや…全部洗濯出しちゃって、着れるやつがなくってな」
    「それなら今度買いに行きましょう。たくさんあれば問題ないでしょ」
    「ああ!そうか~!さすが宇佐美だな~」
    …なんてのんびり呟いて、門倉さんは前を向いてしまった。
    僕はその後ろ姿を見つめる。

    猫背気味の背中。
    薄ら見える項の黒子。
    濡れて乾いたせいでハネてる後ろ髪。

    なんか胸がいっぱいになってしまって、思わず門倉さんの横腹のぜい肉を抓った。
    「いてぇ!なにすん…」
    振り向いた唇を素早く奪えば、唖然としつつも、すんなり応じて目を閉じる。
    道の真ん中では駄目だと、いつもは直ぐ離れるのに、今日はくっついたまま。
    触れるだけの甘い接吻。
    相手の薄ら開く唇に、続きをせがまれているような気がして、こちらから唇を離した。
    視線が合わさる。
    目元が赤い。
    「もっとして欲しいんですか?」
    そう尋ねれば図星だったのか、真っ赤に頬を染めてそっぽを向いてしまった。
    …ああ、かわいいなぁ…僕のオジサンは。
    「…帰ったら幾らでもしてあげますよ」
    そう囁けば、小さく息を飲んで頷くのが見えた。

    恋人繋ぎして、2人で歩く。
    暑くたってかまうものか。
    今日の彼は僕のモノ。
    たっぷり可愛がってあげるんだ。
    そうだ、まだ言ってなかった。

    「門倉さん。お誕生日おめでとうございます」

    そのふにゃりと笑う貴方が、僕は大好きだ。
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