秘密のメディカルチェック 女性の体調によって発情のしやすさに差がある。生殖が子孫を残すために行われることに加えて、女性の妊娠には大きなリスクがある。
だから、健康体であればより発情しやすく感度が良い。
ならば、マスターの健康を測定することが出来るのではないか。
アスクレピオスはその仮説を裏付けるために毎日のようにキスを行い、その反応を観察していた。
「胃腸の不調は口臭の変化、ストレスに対しては唾液分泌の減少がみられる。更に親しい間柄でのキスやハグはオキシトシンの分泌を促しストレスを緩和する」
ということで、マスターの体を抱きしめて深くキスをして唾液や口腔を味わう。
体を離すころには少し酸欠気味のふわふわとしたマスターがとろんとこちらを見上げてくる。
「アスクレピオス、あの、もっと……して?」
マスターが太ももをもじもじと擦りつけている。本日も体調良好。何よりだ。
「それは夜にな」
夜に行為をねだられて眠るまで相手をしたが、行為の後は熟睡できるようだ。
望ましいルーティンと言えるだろう。
アスクレピオスは仮説を実証し、日々のメディカルチェックは密室で行われる。
メディカルチェックの内容は二人しか知らない。