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    monarda07

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    monarda07

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    青エク×fgoクロスオーバーその③

    イミテーション・パンドラピトス③【第二幕】
    魔王軍との前線基地と化している学園町は、一般人が立ち入り禁止にされるほどの厳重なセキュリティで封鎖されている。侵入は困難だが問題ない。立香にはカルデア式召喚術がある。召喚できるサーヴァントには制限がかかっているようだが、クセさえ掴めば何とかなった。
    嫌な胸騒ぎは、潜入した後からさらに強くなる一方。なんとか動揺を静めようと心を落ち着かせながら、不審に思われないように歩いていた立香。
    と、そのとき。角から突然現れた人影とぶつかってしまい、思わずふらついてしまった。立香はその場で踏みとどまったが、相手はどうやら転んでしまったらしい。若い女性の小さな悲鳴を耳で拾った立香は、慌てて女性を助け起こした。
    大丈夫ですかと声をかけようとしたその時、女性に無数の銃口が向けられる。見るとそこには、町中で見かけた騎士團の制服に身を包んだ一団が女性に銃を向けているではないか。

    「お、お願い……助けて……!」

    女性の尋常ではない怯え方に驚いたのも束の間、その言葉を聞いた立香は、即座に彼女を助けて事情を聞く方向に動いた。
    簡易召喚で召喚できるサーヴァントは限られていたが、それでも撹乱させて逃走するには十分。
    適当に相手をしつつ頃合いを見計らって離脱しようとしたその瞬間、上空で光と音が弾けて何かが大量に落ちてきた。
    それはこの世界における“悪魔”という存在。ゴブリンの群れ(コロニー)と上級と思われる龍が一体。
    そして、それを率いていた者は──立香とさほど歳の変わらぬ少年悪魔。
    魔王だ、と誰かが叫ぶ。そう、その少年こそが巷を騒がせている魔王軍の頂点に立つ者。魔王が直接乗り込んできたことで、辺りはにわかに騒然となった。
    ここは一旦身を潜める方が無難だと判断し、立香は女性と共に物陰に隠れる。
    なんとか脱出の機会を伺いつつ、魔王と上位の戦士と思われる少女との戦いの行く末を目で追う立香。やがて決着はついた。マルキダエルと名乗った少女も人としては強かったが、それでも魔王の圧勝であった。
    少女の首が跳ぶと同時に青い炎が弾け、遺体は灰も残さず燃え尽きる。
    それを見た、騎士團の戦闘員は蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
    深追いしようとする配下押し留めつつ、着けていた面を外す魔王。
    無駄な殺生は好まないようだが、下手に動けば何をしてくるか判らない。どうするか考えあぐねていると……

    「……奥村くん?」

    何とか見付からないように息を潜めていた立香だったが、魔王の姿を見た女性が呆然と呟く。
    おそらく知り合いだったのだろう。しかし久々の再会の喜びに浸るような様子もなく、魔王は淡々とした受け答えの後に自軍を率いて去っていった。

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    monarda07

    MAIKINGぐだキャストリア大正パロの出会い編前編
    契約結婚2(前編)────二年前、倫敦。


    (わあ……綺麗だなぁ……)

    高い塀で囲まれた大きな建物の中で、煌びやかな光がくるくると踊っている。それを遠目に見ながら、少女は──アルトリアは目を輝かせた。
    それは本当に偶然だった。今日の寝床を探すために倫敦の暗い影を歩いていたら、たまたま迷い込んでしまった人間の縄張り。聞きなれた言葉の中でも目立つ、聞きなれない独特な言葉。島国の宿命としていまだ濃い神秘が飛び交う大英帝国付近の国の言葉ではない。意味が分からないが、辛うじて言語だとわかる声が飛び交っているのに気付いて「そういえば」と思い出した。
    アルトリアが迷い込んだのは、遥か東の果てにある「二ホン」とかいう小国の「タイシカン」とやらだ。ほんの数十年前まで外国との親交をほとんど絶っていたからか、神秘がいまだに色濃く残っているらしいその国は。アルトリアたちのような人ならざる者──”隣人”にとって、とても居心地の良い場所に違いないだろう。あまりにも遠すぎるため、容易に移住できないのがなんとも残念だね、などと。彼女を遠巻きにしながら、これみよがしに仲間と楽しくおしゃべりしていた妖精たちの会話を思い出す。
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