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    さなか

    @o_sanaka

    成人腐(↑20)。主に石乙で文字と絵を投稿してます。

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    さなか

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    噛み癖がある石流の石乙

    #石乙
    stoneB

    石乙散文 石流さんに後ろから抱き締められると、十中八九項から首筋の辺りを噛まれる。痛いと思うほどではないけれど、後からくっきり歯形が残っているとうわーと思う。
     その日も後ろから抱き締められて、耳の後ろ辺りをちゅっちゅと口づけられたと思ったら、首筋にカプリと噛み付かれて身動いだ。
    「……あの」
    「んー?」
    「あんまり、噛まないでくれませんか?痕が残ると困るんで」
     僕がそう言えば、石流さんは聞いているのかいないのか、ペロリと噛んだ箇所を舐めた。
    「う、ひぃ…」
    「なんで困るんだよ?この辺は服を着りゃ隠れるだろ?」
    「寮の大浴場とか、行けないじゃないですか…」
    「シャワー室は個室だろ」
    「……僕に湯船浸かるなって言ってます?」
     思わずムッとした言い方になってしまったけれど、僕だってゆっくりお湯に浸かりたい時はある。それを出来なくされるのはちょっと嫌だ。
     すると石流さんは顔を上げてチラリと僕を見てきた。
    「誰もいないときに入ればいいだろ」
    「そんな……共有スペースじゃあ無理ですよ」
    「なら外に五右衛門風呂でも作るか」
    「……意地でも僕に一人でお風呂に入らせようとしてます?」
     ああいえばこういう。石流さんが噛むのを止めてくれてら済む話なのに。
     でも石流さんは、意地悪く笑って言って来た。
    「オマエこそ、一番簡単な方法があるのになんでやらないんだよ?」
    「は?」
    「こんな噛み痕くらい、オマエなら反転術式で治せるだろうが」
     そう言って、項をまたカプリと噛まれた。しかも、強く噛まれて、ピリッと痛みを感じた。
    「…っ、た…!」
    「俺はオマエの裸を誰にも見せたくねぇの、これはマーキングなんだよ」
    「そん、な…!」
     思わず声を上げたけれど、噛まれたところを再び舌で舐められて、そのざらりとした感触にゾクリと背筋が震えた。
    「はぁ、ン…!」
    「……声が、その気になってんぞ?」
     そのまま顔を後ろに向けさせられて、ちゅっと唇を塞がれた。無理な体勢だから苦しくて、でもその唇を離したくなくて。

     言われたことは全部図星だ。確かに僕は石流さんに噛まれた痕を治そうと思えば治せるけど、わざとそれをしていない。しようという考えすらなかった。
    (…だって、この人にもらったものは、全部大事にしたいから)
     本当は、その痕が消えてしまうのすら嫌だなんて。

     マーキングなんて言われたら、ますます消せないじゃん。
     そんな風に思いながら、自分の身体をそっと、彼に委ねた。
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