小さな公園の片隅。テーブルセットが設置された東屋を借りて、浮奇特製の料理がぎっしりと詰められたランチボックスを次々と広げていく。春野菜のラペ、デビルドエッグス、シュリンプスキャンピ、ピーナッツバターとジェリーのサンド、カルビチム、ケランマリ、キンパなどなど、料理の国籍を問わず浮奇が作りたいもの、食べたいもの、またはスハに食べさせたいものが所狭しと並んでいて、視覚と嗅覚から食欲を刺激してくる。
スハの目の前にはごちそう。そして、隣には美人な恋人。しみじみと幸せを噛み締めていたが、今日の目的は“浮奇を癒すこと”だ。自分が癒されていてどうする、とふるふる首を振るスハを見て、怪訝そうに小さく首を傾げる姿すら可愛くて、ついデレ、と相貌を崩した。
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