三度目の春にて サークルの飲み会に参加していたその子は、自分と同じ棟での授業を取り始めたのか、今年から何度か見かけるようになった子だった。
今時、髪色が明るくてもグラデーションが入っていても驚かないが、それにしても見惚れるような色味のふわふわとしたショートヘアで、ウェーブがかかった前髪でやや隠れていても、端整な顔立ちが目立つ青年だった。いわゆる美形に分類される顔だ、とスハは思った。普段顔立ちが美しく立体的な人物に対しては、やや圧を感じるのに、彼に関しては、雰囲気のある子だなと思ったのを、良く覚えている。
そんな感想を持っていた人物が、まさか自分のサークルにやってくるとは思っていなくて、正直驚いた。
――だってここって皆で集まって飲んだり遊んだりしようってところだし。いや、他所に比べたら酷いことなんて起こらないけど、出会い目的の人もいないわけじゃないし。っていうか、自分も最初はそんな友人に引っ張られて参加しているし。
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