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    ぱせり

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    ぱせり

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    ドラマイワンウィークさんのお題「フェチ」をお借りしました。

    #ドラマイ
    drabai

    指フェチマイくん ケンチンの指、キレイだな。
     そんなおよそ男相手に思わねぇだろってことを初めて思ったのは、まだ中学生だった時。まだ今みたいな恋人でもなかった頃。
     一緒にバイクをいじってて、淀みなく動くその長い指が、大事そうに優しく触れるその手つきが、なんだか特別なモノに見えた。
     今思えば、あの頃からオレってケンチンのこと好きだったのかな。

     それから恋人になって、今では一緒に住んでたりなんかするんだけど。ケンチンはオレにも、宝物みたいに優しく触る。たまにそれがくすぐったくて、笑ってしまう。
     寝起きに涎付いてるぞって口拭われる時も、腹出して寝るなって服直される時も、後はオレのためにご飯作ってくれる時とか。
     ついじっとケンチンの指を眺めてしまう。
    「なんでそんなオレの手見てんの?」
    「バレた?」
     今は2人でこたつに潜り込んで、ケンチンにみかんを剥いてもらってるところ。
    「なんでだと思う?」
    「早くみかん食わせろって?」
    「ちげぇし!」
     白いスジまで取られたつるりとしたみかんを、ぽいと口に入れられる。それをもぐもぐ食いながら、今ちょっとケンチンの指唇に当たったなとか考える。
    「ねぇケンチン、セックスしよ」
     ケンチンの指が大好きなオレは、当然ケンチンとのセックスも大好き。あの指で体中、それこそ自分でも触らねぇようなトコロまで暴かれるの、オレってケンチンのモノだなって思えて好き。どんな時でも女みてぇに柔らかくもないオレのこと優しく触ってくれるのも、オレってケンチンの特別なんだって思えて好き。
     そんなことを思い返せばなんだか甘えた気分になって、みかんを早く食べちゃおうとケンチンの口にもみかんを押し付けた。
    「ちょっと待て」
    「えー?」
     みかんを食べ終わってケンチンがゴミを捨てにこたつを出たから、オレも立ちあがろうとしたらケンチンに止められた。何かと思えば、ケンチンが爪切りを手に戻ってくる。
    「今から!?」
    「おう」
     驚くオレには見向きもせず、ケンチンはどかりと座って爪を切り始めた。オレがセックスしよって言ったの聞いてた?
    「まだー?」
    「もうちょっと」
    「さっきもちょっと待てだった!」
     左手右手ときて、終わったかと思ったらヤスリまでかけ始めやがった。ぷうとほっぺ膨らませてみても、ケンチンは自分の爪に夢中。こんなことならみかんやらなきゃよかった!
    「よし、いいぞ」
    「何が!?」
    「セックスするんだろ?」
    「する!」
     もう知らねー!ってそっぽ向いてたのに、ケンチンに聞かれたら素直に答えてしまった。なんだよ、ケンチンもヤるつもりだったの?

     ベッドにころりと横になれば後はもう至れり尽くせりだ。ゆったりとした部屋着を脱がされて、ケンチンにちゅーされながら体を撫でてもらう。そしたら不思議と体から力が抜けて、ふにゃふにゃになっちゃう。
    「はっ……んっ……あんっ」
    「そのまま力抜いてろよ」
    「んぅ」
     思うままに声を出してたら、ローションを纏ったケンチンの指が中に入ってきた。
    「痛くねぇ?」
    「うん」
     こんなに丁寧にしてくれてんのに、痛いわけねぇじゃん。そう思ったら、ヤる前に爪切ってヤスリまでしてたケンチンの姿が思い起こされた。もしかしてあれ、オレのこと傷つけないためだった?
    「……っ」
     オレ、ケンチンに大事にされてるんだな。そう思ったら心臓がきゅうって締め付けられて、ついでにケンチンの指もきゅうって締め付けちゃったらしい。
    「どうした。痛かったか?」
    「んーん」
     心配そうに聞かれて、ぶんぶんと首を振る。
    「ケンチンに抱いてもらって、嬉しいなぁって思ってた」
     そう言えば、ケンチンがふっと優しく笑った。
    「オレもマイキー抱かせてもらえて嬉しい」
     恋人になって最初の頃は、男相手にそんな気になるか?って思ってた。でも今は、ケンチンがオレのこと好きでいてくれるからだってわかってる。
    「よし、はよチンコ入れろ!」
    「色気ねぇなぁ」
     オレが何言ってもケンチン萎えねぇの知ってるし。
     でも早くって言ってもケンチンは聞いてくれなくて、もうヤダって泣きべそかくまで指で中広げられた。やっと入れてもらえる頃には息も絶え絶えだ。ケンチンの指は長いから、いつも奥までじっくり開かれる。
    「マイキー、入れるぞ」
    「ずっと入れてって言ってんじゃん!」
     べそべそ泣いてたら宥めるみたいにちゅーされたけど、泣かせたのケンチンだかんな。
    「んんっ……」
     ぐっと腰を押し付けられて、中にケンチンが入ってきた。痛くはねぇけど、この瞬間だけはいつもどうしても力が入ってしまう。
    「ほら、唇噛むなって」
     ケンチンの親指で唇を撫でられて、ぱかりと口を開けた。ケンチンの指やっぱり好きだなって思って、そのままぱくりと咥えてやる。ひとしきりちゅうちゅう吸い付いた後、もしかしてオレのケツいじった指か?と思い至って口を離した。
     だけど時すでに遅し。
    「オマエほんと可愛いな」
    「ん?」
     見上げればギラついた目をしたケンチンがいて、この後めちゃくちゃイかされたし泣かされた。

     ケンチンの爪短くする理由が分かったから、今度からケンチンの指眺める時は爪が伸びてないかもチェックしてあげようと思う。

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    fukuske5050

    MOURNINGド誕のつもりで書き始めだけれども…😭下書き状態でだいぶ意味不明ですが…いろいろ無理だった⤵️⤵️
    ドがひとつ年を取るのはマが身を削って頑張った証、と思って書きました
     やっと軌道に乗ったバイク屋の灯りが消えるのがは遅いのは毎晩のこと。営業時間を終えると共に店を営む相棒が先に店を出る。アイツは店にひとり残りデスクに向かい、辺りが暗くなった頃にやっとシャッターに鍵をかけて帰路へと向かう。
     跨るのは丁寧なメンテナンスを繰り返した昔と変わらない愛機。同じ商店街で挨拶ついでに総菜を買うか、遅くまで開いているスーパーで買い物をして帰るのが日課。渋谷の繁華街にある実家を出て、安アパートにひとり移り住んでからは一層堅実に生きている。
     けれどその日だけは閉店作業を終えると早々に店を出る。少しばかり遠回りをして、昔なじみの店で懐かしい味の甘味を2つ。時代に合わせるように改装した小洒落た店構えと女性向のメニュー。いかついツナギ姿の男がひとり、不釣り合いな店に入れば一斉に注目を浴びて少しばかり肩身が狭い。遠慮がちに店員に声をかけると、店員は古参なのか訳知り顔で表情を崩すと店の奥に声をかける。かけられた声にぱたぱたと小走りに姿を現したのは母親のような年代の店の主だ。にこやかに目じりの皺を緩ませて、小さな茶色の包みをアイツに手渡した。
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