…あー、と目を泳がすタビコを見てヴェントルーは自分の早計さを恥じた。こんなにも自分を許しているものだからひょっとしてと思案した故の告白だったがタビコにとっては青天の霹靂だったらしく、うーん、とうなり続けるタビコを見てヴェントルーは穴があったら入りたいほどいたたまれなかった。もう返事は貰ったも同然だったがこめかみを抑えながら何か言いたげなタビコをずっと待つ。永遠とも思える時間が経ってタビコが口を開いた。
「…すまない、私はお前と同じ気持ちは持ってないよ」
半ば予想していた返答だったが、ヴェントルーは胸をざっくりと割かれたような心地になる。
「なんて言えばいいかな、お前が弱っているところを見るのも、使役するのも、最高に興奮するが、それはお前が強大な吸血鬼だからであって、それ以上でもそれ以下でもないんだ」
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