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    クロネコ

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    クロネコ

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    今度は⬜先輩が風邪を引いたそうです。今回の話は⬜先輩の家族の描写が入ってます。
    ・龍実さん(叔父さん)をお借りしてます!

    #ハードモード学園
    hardModeSchool

    看病②心夢先輩と今日はデー…出かける予定だったが…朝電話で…

    「く、ろえ…今日は…わる…い……」

    この一言を残して以降何度もかけたがかからなかった。

    「…てことで惠先輩に教えてもらいながら来たが……今更ながら、心夢先輩のこと全く知らないから緊張するな…」
    家族のことは以前少しだけ話になって聞いたことあるがはぐらかされてしまって、あの時は言えないことがあったんだろうとそれ以上のことは聞かなかった。
    インターホンを鳴らす…すると、重たい足音が聞こえてきた。玄関の扉が開くと、そこには倒れそうな勢いの心夢先輩が。
    「せ、先輩!?」
    「…え…黒江何で…」
    「心配で惠先輩から家教えて貰ったんですよ。無理させてすみません先輩。ほら、一緒に部屋に戻りましょう」
    俺は心夢先輩の手を自分の肩にかけて体を支える。…ちらっと玄関の靴箱に家族写真を見つけたが今はそれを気にするどころじゃない。身長と体格に差はあるが、体力なら俺の方が上。運ぶのくらいどうってことはない。
    心夢先輩に部屋を教えてもらい部屋に入るとベッドに座らせた。
    「熱は測りましたか?」
    「…40度」
    「よく玄関まで行けましたね…汗すごい、拭きますので脱がせますよ」
    濡れタオルを用意し自力では脱げない先輩のシャツを脱がせて身体を拭きあげる。…相変わらず先輩の身体引き締まってるな…結構筋肉ついてるよな…むっちりして………………病人を前に何考えてるんだ俺は…
    「…お前も顔赤くなi「気の所為です」
    服の場所を教えてもらい着替えさせてそろそろ飯の準備をしようと立ち上がる。
    「ご飯食べれそうですか?」
    「…いや、今は食欲がない」
    「そう、ですか…飲み物は?スポーツドリンク買ってきたのでそちらをどうぞ」
    「……」
    「暗い顔ですね、気分が悪いなら暫く寝ますか?」
    「…本当に悪い…今日一緒に出かける予定だったのに体調崩して…」
    「…俺は…別に…出かけても出かけなくても…先輩といればそれはそれで楽しいので…」
    「…黒江ぇ…」
    「泣きそうな顔しないで下さい」
    その時、家の電話が鳴り響いた。
    「あぁ…多分バイト先だ…休むこと言ってない…携帯に履歴あったんだがかけ直してないから家の電話にかけたんだろ…」
    「俺が出ます。先輩は寝てて下さい」
    「…うぅ…悪い…」

    (あ…家の電話だから俺の名前言ったらおかしいよな…?)
    「もしもし佐々木です」
    《もしもし、すみません。佐々木心夢君のご家族でしょうか。心夢君はいらっしゃいますか?》
    「実は心夢せn…心夢は体調を崩しまして。熱も40度あります」
    《そうだったんですか!最近こちらが多忙でして、シフトを沢山入れてしまいまして…それが原因でしょうね…申し訳ございません》
    「(成程、バイトのし過ぎか)心夢がそれを決めたのなら仕方ありません。気付けなかったこちらも悪いので。もしよろしければ数日お休みをいただきたいんですが…」
    《もちろん!多忙の中心夢君には大変助かりましたので!お大事にとお伝え下さい》
    「はい。またご連絡させて頂きます。では」

    「先輩。やっぱりバイト先からでした。シフトを沢山入れてしまった謝罪とお大事にって……なんで顔を手で覆ってるんですか?耳と項真っ赤ですよ?」
    「黒江のせいで熱上がった…」
    「はい?」


    それから時間は過ぎて、熱も40度から少しずつ下がり食欲も湧いてきたということでご飯を用意した。…と言っても俺が作るのは

    「ミルク粥?」
    「小さい頃、母さんが作ってくれて…」
    ミルク粥を置くと心夢先輩はレンゲで掬って1口食べた。
    「…甘い、蜂蜜か…?」
    「はい。口に合いますか?」
    「ん…優しい甘さで…美味いな」
    「良かった」
    「おふくろの味ってやつか…両親を思い出すな…」
    「思い出す…?」
    「…実はな、俺の両親は俺が小さい頃に死んじまったんだ」
    「………」

    これで分かった。家に心夢先輩しかいないこと。この前家族のことはぐらかしたこと。そして…玄関の靴箱にあった家族写真…両親と小さい男の子。あれは昔の写真で男の子は……
    「ごめんなさい…俺、知らなくて…」
    「お前は悪くない。話してなかったんだから知らなくて当たり前だ。母親が作ってくれたお粥で元気になったからお前も作りたかったんだろ?」
    先輩は笑ってその大きい手で俺の頭を撫でた。弱々しい…でもその手は優しくて…
    「今まではどうしてたんですか?」
    「叔父と兄貴みたいな人が面倒見てくれてる」
    「……良かった」
    俺みたいに1人じゃなくて…でも…それでも先輩は俺とは違う寂しさを持ってたと思う。それを同情する事でもないけど…俺は心夢先輩を抱き締めて、頭を撫でた。
    「黒江?」
    「…先輩。寂しい時…と言ってももうお互い高校生ですが…1人の時は俺を頼って下さい。俺は、これからも先輩の隣にいるつもりなので」
    「………それって…」
    「あくまでその可能性があれば、ですよ」
    「…素直じゃねぇな」
    「先輩だって」
    思わず笑ってしまう。先輩も優しく俺を抱きしめてきてきた。
    ……この人といつか家族のような関係になったら寂しさが増すけど…凄く幸せだr




    「よーーーっす心夢!!叔父さんが遊びに来たぞーーー!!」
    いきなりの音に現実に引き戻される感覚で思わずお互い離れた。
    知らない声がするほうを見ると、明らかにカタギじゃない人が満面の笑みでこちらを見ていた。
    「お?なんだ?なんで寝てるんだ?今日は休みだけど寝すぎだろー?で?お前は誰?」
    「えー、とぉ……」
    誰ですか?と先輩を見ると………先輩が青筋立てて叔父さんという男を睨んでた。………すごく怖い。
    そして先輩はゆっくりベッドから降りて…
    「おうどーした?叔父さんに会えて嬉しいk」
    突然叔父さん?のグラサンを掴むとそのまま割った……心夢先輩!?
    「ああああああ!!お前ぇぇぇぇ!!!」
    「アポ無しで来んなって……何度言ったらわかんだよ?あ?」
    「心夢が反抗期だ!!」
    「反抗期じゃねぇよ!!出てけゴラァ!!」
    完全に風邪なことを忘れて怒鳴る心夢先輩…海月先輩達の時と違う怒り方で更に怖い…思わず固まっていた。


    この後心夢先輩の熱はぶり返し、叔父さん?っていう人は帰らず、何故か俺は俺で先輩に帰るなと言われて数日は泊まることになった。





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