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    肴飯のポイ箱

    @sakana2015414

    pkmnでkbdnとか、kbnとdndがわちゃわちゃしてるような話を書いてます。時々ホラーなものをあげるのでそこだけ注意です。

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    POIPOI 64

    肴飯のポイ箱

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    お題『雨の日』
    ※is over後🗼
    どうしてもあの夜がこびりついているお話。

    #kbdnワンドロ
    kbdnOne-dropping
    #キバダン
    #kbdn

    あと15センチ 朝方から分厚い雲が占拠していた外の景色も、午後に入るといよいよ大粒の雨が降り始め、今やもうバタバタと執務室の窓ガラスを叩き続けている。タワーは構造上ガラス部分が多いため、天気の変化がよく分かる。バトルタワーの来場者数は、屋内バトル施設という事もあり寧ろいつもより多いくらいの数であったが、今日はダンデの所まで登ってくるトレーナーはまだ居ないらしい。そうなると事務仕事が増えてくるわけで。ダンデは朝から山のように積まれた書類達をせっせと捌いていた。
    「オーナー、時間ですよ」
    「ああ、もうそんな時間か。通してくれ」
    「実は、もう来ちゃってたりしてな」
    「おお。ビックリしたぜ」
    「全然してない顔じゃん!」
     悪戯な顔でドアの後ろから顔を出す来客、もといキバナは想像と違う反応に少し不貞腐れた顔をする。その気安いやりとりに、クスリと笑みを浮かべた秘書は応接テーブルの上に手早くティーセットを置く。
    「では、何かありましたら連絡くださいね」
    「ありがとう」
    「ありがとな」
     2人からの言葉に一つ笑みを返して、秘書はそのまま退室する。扉が閉まる音と一緒に聞こえてくる雨音が強くなる。
    「書類の山じゃん」
     扉の前からでも見える、仕事の山を見て渋い顔をするキバナに「これの他にペーパーレスの仕事もあるぜ」なんては言えず、ダンデは乾いた笑いを返す。
    「立派なホワイトヒルだろ?」
    「そうなるとこれ、まだ山頂から八合目までしか減ってない計算じゃね?」
    「やめてくれよ、事実だが落ち込むだろ」
    「ははっ!」
     元々そこまで書類仕事を好む性格でも無いので、キバナからの素直な指摘に肩をすくめて渋い顔をする。それを見て、ひとしきり笑った後に、キバナはダンデの眉間を指先で軽くつつく。
    「眉間に皺」
    「……あぁ」
     キバナに指摘され、ダンデは溜め息を吐きながら眉間を指先で揉み、解そうとする。が、あまり上手くいかないようだった。
    「雨の日って古傷が痛むよな」
    「……そんなに分かりやすいか」
    「いや?秘書さんいる時は全く顔に出てなかったな」
    「じゃあセーフだぜ」
    「オレさまには見せて良いの?」
    「キミだから見せるんだ」
    「……」
    「っいきなり抱きしめてくるな!ここは職場だぞ?!キミのグッとくる基準がよく分からないな!?」
    「自分にだけ見せてくれる姿ってグッとくるというか……くるわぁ」
     正面から抱きしめたダンデの旋毛へとその高い鼻筋を懐かせながら、キバナはしみじみと呟く。不埒に動き始めた手は、ダンデによってギッチリとつねられたので今はお行儀良く背中へと回された。
    「そろそろ離れてくれ。キミも今回の打ち合わせ終わったらジムの方へ戻るんだろう?」
    「んーもうちょっとだけ。あったけぇ」
    「ちゃんと、心臓も動いているし、元気だ」
    「……分かっちゃうか」
    「言っておくが、オレだから分かるんだぜ」
    「そっかぁ」
     なら、いいか。じわりと緩むターコイズ色した瞳とは裏腹に抱きしめられる力は強くなる。強くなる雨音に掻き消されないよう、ダンデは少しだけ背伸びをしてキバナの背へと腕を回す。
     心臓が少しでも同じ高さになれば良い。そう思って抱きついた。
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    💖💖💖💕💕
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    肴飯のポイ箱

    DONEREVELЯY2411「COUNT DOWN vol.2」の書き手クイズ企画に提出した作品となります。
    お題「催眠 付き合ってないキダ」
    開催中はドキドキとしながら過ごしておりました!すごく楽しい企画でした☺️✨ありがとうございました!
    夜空、星二つ ガラルにしては気持ちの良い、からりとした青空が朝から広がっている日だった。ブラックナイトに関する諸問題で暫く奔走を余儀なくされていたキバナは、ようやく業務もひと段落し始めた。屋外での作業は晴れの少ないガラルでは何よりも優先したい事柄だ。そんなこともあって、キバナは温かな陽気の中、ナックルジムの中庭で膝と頬を土で汚しながらせっせと植物の剪定に明け暮れていた。元が城ということもあり、一般の人々が立ち入らない場所には未だに当時の面影を残す部分が多い場所だ。キバナが居る中庭もその一つで、ナックルのジムリーダーが代々手入れをしていくことがいつの頃から習わしとなっていると聞いていた。初めてその役割を聞いた時には正直乗り気では無かったキバナだったが、元々好奇心旺盛な方だと自覚していることもあって、やり始めてみればなんだかんだと楽しみを見つけ出し、気付けば少しずつこだわりも持つようにもなってきた。
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    肴飯のポイ箱

    DONE12月オンイベ展示作品その②(新しいお話)
    みんなが寝静まった夜。こっそりひっそり楽しく過ごす不思議な生き物のキバナとダンデのお話
    「🎄ホリデー編🌟」
    ※ポ世界のクリスマス概念が曖昧な為、あえてクリスマスから正月までをホリデーと設定してお話をかいています。細かく考えず緩くお楽しみください🌟👻👻🎄
    それは賑やかな すっかり夜の帳が下り、静まり返ったとある家のキッチン。小綺麗に整頓されたそんな場所を小さな林檎程の大きさの何かが二つ、白い布を頭から被ってチョロチョロと薄暗いキッチンの中を動き回っている。
    「キバナ、息が真っ白だ!寒いなぁ」
    「今日も月が大きいなぁ。でも、流石に今日はみんな寝てるだろ」
     月明かりに照らされたキッチンを、キバナと呼ばれた大きい方がそれよりも少し小さなダンデの手を引きながらずんずん進んでいく。
     少し前にお菓子を貰ったキッチンは、同じように整えられていた。水切り籠にはジュラルドンとリザードンが描かれたカップが逆さまになって雫を落としていた。今日は、それ以外にもカラフルなカップや皿がたくさん並んでおり、いつもは食器棚の一番上で偉そうにしている白地に金の模様が入った大きな皿も、ピカピカに洗われて月の光を反射している。
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    肴飯のポイ箱

    DONEオンイベ開催、アンド素敵企画ありがとうございます!
    この作品は、12.3歳ごろの2人がナックルシティの片隅にあるとある喫茶店を舞台にわちゃわちゃとしていくお話となっています。
    ※両片想いほのぼのです。
    ※ガラル市民がたっくさん出ます。
    ※視点がコロコロ変わるお話です。
    少しでも楽しんでいただければと思います☺️
    とあるナックルの片隅で◆ライラック色の髪をした少年の回想

    「あ、チャンピオンだ!」
    「チャンピオン!」
    「何かイベントでもあったっけ?」
     困った。
    俺は、大きな街の真ん中で冷や汗を掻きながら、どうしてこんなことになったのかをひたすらに考えていた。
     今日は午前中にシュートでのチャリティイベントに参加した。午後はスポンサーの会社が行うガーデンパーティへの参加が予定されていたが、そちらが主催者側の事情でのキャンセルとなったので、突発的に午後は丸々オフとなった。予定されていた休みより、こういうイレギュラーな休みって得な感じがして俺は好きだ。せっかくだから前々から欲しいと思っていた物を買おうと意気込み、勢いのままユニフォームで飛び出した。自分なりに人目が少ない道を探しながら、地図アプリと睨めっこ。しかし、俺の努力も虚しくうっかり路地から大きな通りへと出てしまった。途端に集まるキラキラとした眼差しの人、人、人。応援してくれる人達の期待の眼差しを裏切ることはできず、突発的に始まってしまったファンサービス。握手に写真、サイン。もみくちゃにこそされないけれど、このままだと行きたい場所に行けないまま休みが終わってしまう。顔には出せないが内心焦りつつも人混みは消えるどころが増えていく。どうしたものかと困っていると、人混みの奥から良く通る声が聞こえて来た。
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    肴飯のポイ箱

    DONEお題『お絵かき・絵画・美術』
    絵心と、リベンジと、ちょっとした日常の話。

    https://poipiku.com/6450412/7832908.html
    と繋がっています。
    よく見てみよう「どした?」
    「……」
    「えっ…本当になに?」
     休日の朝。一通りのトレーニングを終えたキバナは、のんびりとカウチに座りながら数日前に発売されたポケモン雑誌を読んでいた。気になっていたコラムの続きを読もうと、ペラペラとページをめくっていたが、同居人がどうにもこうにも凄く熱い視線をずっと無言のまま向けてくること、三十分。最初は気のせいかと思っていたが、パチリと音が出そうなくらい目線がかち合った後も、何故かダンデは、座っているキバナを真正面から直立不動で見つめてくる。しかも、焦れたキバナがあれこれ話しかけても全く反応は無く、只々この謎な状態が続いている。
     ダンデは、口で説明するよりも行動で示す方が速いと思うと、時々突拍子もない行動に出ることがある。後から理由を聞くと、なるほど。という内容も多いが、理由を聞いても首を傾げる内容の時もある。今はどちらだろうか。そう考えながら、キバナはつやりと輝きながらこちらを見つめてくる琥珀色をぼんやりと眺めたのだった。
    2011

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