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    肴飯のポイ箱

    @sakana2015414

    pkmnでkbdnとか、kbnとdndがわちゃわちゃしてるような話を書いてます。時々ホラーなものをあげるのでそこだけ注意です。

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    肴飯のポイ箱

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    ワンドロお題「深夜or早朝」
    ⏳1h +40
    お題選べなくてどっちもという欲張りをしました。
    •これから今からくっつくkbdn。
    •モヤっとした気持ちを1人で消化しようとしてるdndさんと、それに気付いて寄り添うkbnさんの話です。

    #キバダン
    #kbdn
    #今キダになった
    imInKidderNow.

    これから一緒に寒い冬の日だった。吐く息は真っ白だが、それすらもすぐ景色に飲み込まれてしまうような時間。ダンデは1人、舗装もされていない道を歩いていた。耳に聞こえてくるのは自分の呼吸音と地面を踏み締める音。そして草むらや岩の隙間から聞こえてくる生きているものの音。
    目的地があるのかと言われたら特に無い。暗い景色を見ながら、ダンデは歩いていく。



    『酷い試合。』
    『一方的で見ていて辛かった。』
    『あんなものが放映までされたらもうトレーナーとして立ち直れないだろう。』



    そんな言葉が耳に入ってきたのは、試合が終わり、インタビューを受けるために廊下を移動している時だった。廊下の先、スタッフか、取材に来ていたテレビ局のクルー達だろうか。どちらにしてもダンデのやることは変わらない。

    態と足音を大きくして先に進むと、ダンデに気がついた声の主達はびくりと肩を揺らし、途端気まずそうに下を向いてダンデが通り過ぎるまで沈黙していた。

    今日のようにチャンピオンとして他地方のトレーナーとのエキシビションマッチをすることは多い。ダンデはどんな相手にも全力で戦う。それはトレーナーとして相棒であるヒトカゲと出会った時から決めていることだった。それは相手への最大の敬意でもあり、自分にとっての誇りだ。あんな面と向かって意見を言えないような人達に言われた言葉で自分が揺らいでしまったら、それこそ戦った相手に失礼だ。

    『ありがとうございました…鍛え直してきます。』

    そう、試合後に握手した同じ年頃か、若しくは少し歳上のトレーナーは、汗と土埃にまみれた顔を悔しそうに歪ませつつも目の中の炎は消えていなかった。そうダンデは感じていた。



    歩き続けていくと、景色が開けてワイルドエリアの様子がよく見えた。ポツリ、ポツリと見える灯りはキャンプのものだろうか。いつの間にかなだらかな丘の上まで来たらしいと気づいたダンデは、暫く景色を眺めた後、背負っていたリュックの中から折り畳みの小型椅子と、テーブル。その上に小さな簡易コンロを置いた。

    「リザードン。」

    名前を呼んだだけでも理由を心得ているのだろう。ボールから出た彼はダンデの近くにどかりと座るとそのまま丸まって待機し始めた。これで下手な野生ポケモンは近寄ってこないだろう。
    リュックを漁って簡易コンロの上にメスティンを乗せる。おいしい水を中に入れてコンロに火をつける。

    そこで漸く背もたれへと寄りかかり、ダンデは長く息を吐いた。ぼんやりと丘の下に広がる人やポケモン達の姿を目に映す。
    沸々と湯気が出始めたメスティンを掴み、コーヒー粉を入れたチタンマグへと中身を注いでいく。

    「ほら。」

    熱いコーヒーを吐息で冷ましつつ、ダンデの横で座っている相棒へリュックに常備しているドライフルーツを手渡すと、嬉しそうに一声鳴いた。

    その時だった。

    ピクリと片羽を持ち上げながらリザードンが顔を上げる。その様子にダンデも同じ方向を見上げるが、何も見えなかった。
    微かに澄んだ鈴のような音が聞こえ始め、やがてそれが羽音だと気づいた時、まさかという思いと少しの期待で胸が高鳴った。

    「やっぱり!ダンデじゃん!」
    「キバナ!」

    ジム指定のベンチコートにマフラー、耳当てと在らん限りの防寒対策をした男は、ヒラリとダンデの側に降りてきて、我が物顔でダンデのリュックを漁りスペアのカップと椅子、ドライフルーツを取り出していそいそと簡易コンロの前に陣取る。

    「いや、深夜の巡回の後でまじ寒かったから助かったわ!ラッキー。」
    「君なぁ。」

    慣れた手つきでドライフルーツをナイフで削ぎ、カランコロンとマグの中へ入れた後コンロの火を戻してお湯を沸かす。その小さな火で暖をとりながらキバナはニンマリと笑った。

    「ん。」
    「…。」

    掌を差し出してくるキバナに空のカップを渡すと、そちらにも彼はドライフルーツを入れる。

    「今日も朝日か。」
    「まあ…じゃあ朝日で。」
    じゃあってなんだよ!なんて言いながらも深くは突っ込んでこない男の心遣いに感謝しつつ、ダンデはもう一度背もたれに体を預けた。自分でもこの胸の中に居座るやるせない気持ちをどうしたら良いのか分からないのだ。分からないから毎回歩き回る。そして見晴らしの良い場所で座り、朝日を浴びる。そうすると気持ちがリセットされるような気持ちになれるから。
    その不思議なルーティンに時々現れるようになったのがキバナだ。

    朝日が登るまでの間。簡単なフルーツティーと少しばかりのお喋り。そして。

    「ん。」

    フルーツティーを渡される時に彼からされる額へのキス。最初の頃は驚きもしたが、「おまじない」と優しく笑われてされるそれは思いの外心地良く、結局今も続いている。ズリズリと椅子を動かしてキバナはダンデの横に移動し、そのまま特に何か言うわけでもなく静かに紅茶を飲み始めた。


    やがて地平線の端が少しずつ、まるでレースのカーテンが広がるように明るくなってきた。

    「ダンデ。」
    「ん。」
    「おまじないじゃ無いキスして良い?」
    「…いい。」

    横にいる男の瞳を覗くと、耳まで赤くした男が驚いたように、でも嬉しそうに瞳を大きくして破顔した。朝日が反射してまるで宝石のように輝いているその瞳の色をもっと近くで見たくて、ダンデは自分から初めてキスをした。おまじないではない、自分の思いを込めたキスをした。






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    Replies from the creator

    肴飯のポイ箱

    DOODLEワンドロ
    少年kbn君と同年代🚺dndちゃんの話。
    ※先天性女体化です。
    心より行動が先にくる1人と、心が来てから一気に行動し始める1人の話
    お題『初恋or意識し始め』
    まずは一手 昼下がりのナックルシティ。ジムリーダーになって一年とちょっと。自分に割り振られた仕事をなんとか回せるようになってきたキバナは、最近になって漸く入ることを許された宝物庫内の書庫に昼休憩はもっぱら入り浸っていた。保存の観点から外に全く出される事のない書庫は、知的好奇心が強いキバナにとっては大分豪華なオモチャ箱のようなものだった。
    「(今日は午後から休みだし、入室許可も取った。絶対閉まるギリギリまで入り浸ってやる!)」
     少し浮き足だった歩みで書庫の扉を開け、少し埃っぽい空気を吸い込む。この、何とも言えない紙とインクの香りがキバナは大好きだった。
     ナックルジムの書庫は少し不思議な形をしている。吹き抜け式の円柱型の室内には螺旋階段がぐるりとドラゴンの体のように巻き付いている。その螺旋に沿って壁に本棚が埋め込まれている。光を最低限取り込む為に作られた丸い天窓には、月と太陽をモチーフにしたステンドグラスが嵌められており、外の光を透かして淡い彩光を放っている。
    2021

    肴飯のポイ箱

    DONEワンドロ
    お題「駆け引き•取り引き」
    立ち止まって周りを見たら不安になってしまった1人と、立ち止まった先でずっと待っていた1人の話。
    ※イズオーバー後同棲設定
    すっごい…難産でした…でも楽しかった!
    よーいどん すっかりと夜の帳が下りたナックルシティの片隅。夕食もシャワーも終わらせたキバナは、リビングでのんびりと読書をしながら膝に顎を乗せてくるフライゴンの頭を撫でて存分にリラックスモードだった。間接照明によって柔らかい明るさに包まれた部屋の中では、他のポケモン達ものんびりと寛いでおり平和の一言だ。ただ、少し引っかかる事があるとすれば同棲している恋人の様子が変だったこと。仕事から帰って来たと思えば夕飯もそこそこに共有してる書斎に引き篭もってしまった。
     まあ、何かに集中したい時には同じような事は度々あった。キバナもたまにやる。ただ、今回は表情がいつもより鬼気迫ったというか焦っていたというか。
    「…ふりゃ」
     撫でる手が止まっていた事にちょっと不満げな声でフライゴンが拗ねる。それに謝るように撫でる動きを再開すると、満足そうに目を細めて擦り寄ってくる。そんな可愛い姿に、今日は甘えただなぁ。なんて思いながらキバナは読書を続ける。
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