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    肴飯のポイ箱

    @sakana2015414

    pkmnでkbdnとか、kbnとdndがわちゃわちゃしてるような話を書いてます。時々ホラーなものをあげるのでそこだけ注意です。

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    肴飯のポイ箱

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    kbdnワンドロ「チョコレート」
    ⏳ちまちま大遅刻
    ※付き合いたての2人の話。
    ※風邪ネタ含む

    風邪ひいてめっちゃ苦しかったのでdndさんには愛情たっぷりで治してもらおうかと思って…この時期の風邪は辛いですね…。

    #キバダン
    #kbdn

    溶け込む愛の形 電気の消された薄暗い部屋の中、遮光性の高いカーテンが閉められたせいで、今が朝なのか夜なのかも分からない。そんな部屋に置かれたベッドの中、乾いた咳が響き渡る。
    「ゲホッ…」
     ライラック色の髪の毛をぐしゃぐしゃにしながらゴロリと寝返りを打ち、ダンデはなんとか眠りに沈もうとするが、咳と熱でそれも難しい。繰り返す咳と、ゼエゼエと聞こえる呼吸音だけが響く。
    「ダンデ、寝てる…?」
    「ッゲホ……キバナ」
    「あ、起き上がらなくて良いって」
     なんとか朦朧とする意識でも起きあがろうとしてくるダンデを慌てて止めながらキバナは慌てて部屋の中に入ってくる。
    「…今、何時…ゴホゴホッ…」
    「ほら、無理に喋るなって…。やっぱりもう溶けてたか。ちょっとだけ頭ごめんな」
    「……」
     ひんやりとした物が頭の後ろに差し込まれ、その冷たさにダンデはホッと息を吐く。
    ついでに具合を確かめるように大きな手のひらが額に乗せられ、その冷たさが氷枕よりも心地よく、擦り寄る。
    「まだ熱いなぁ。あんまり熱下がらないようなら後で解熱剤飲もうな」
    「あれは苦いから…嫌だぜ」
    「はいダメでーす。そうならない為にも、せめて何か腹に入れて風邪薬飲もうな」
    「すまないが…今食欲は…。」
    「大丈夫、そうだろうと思ってとっておき準備するから…ちょっとだけ待ってて」
    額に乗せられた手のひらがスルリと無くなり、少しだけ寂しさを感じる。

     パタリと扉が閉じる音が響き、そこからはまた静寂が耳に響く。

     本当は、今日は付き合って初めてのバレンタインデーだった。忙しい仕事を何とかやりくりしてやっとの思いで休みを擦り合わせたのに。せっかくのイベントだからと、張り切りすぎて中々寝付けず、休みを取る為に仕事を詰め込んだツケもあり、今こうしてダンデはベッドの上に力無く転がることになっている。
     本当だったら今日は一緒に前からキバナが行きたがっていたカフェのチョコレートケーキを一緒に食べに行く予定だった。色々疎いなりに準備も進めたのに。子どもみたいに浮かれた結果がこんなだなんて情けなさすぎる。そんな自分の為に、キバナは甲斐甲斐しく休みを潰してまで看病をしてくれている。
    「(せっかくの「恋人らしい」イベントだったのに……)」
     ダンデはあまりの悔しさと情けなさに、ちょっとだけ視界を滲ませながら掛け布団を頭まですっぽりとかけてキバナの帰りを待った。

    トントン

     暫くすると、部屋の扉がキバナの控えめなノックと共に開けられる。扉が開くと同時に甘くて良い香りが部屋を満たす。その香りがとても魅惑的で、ダンデはひょこりと布団から顔を出す。どうやらそれは、お盆に乗せられたマグカップから漂ってきているらしい。   
     キバナは、一旦それをベッドのサイドテーブルへ置いた後、ベッドの横へと膝立ちになり、上手く力の入らないダンデの体を抱き起こし、クッションで背中に支えを作る。体勢が変わった事でダンデが何度か咳き込むが、優しく背中を撫ぜられると苦しそうなそれも治ってきた。そのタイミングを見計らって甘い香りのカップを手渡す。
    「ほら、熱いから気をつけてな。」
    「ありがとう……ココアか?」
    「いや、ホットチョコレートだよ」
    「…チョコレート」
    「そ。せっかくのバレンタインデーだしな。ダンデにちょっとでもイベント気分味わってもらおうかなって」
    「…せっかく初めてのバレンタインが、こんなことになってすまない」
    「ふふっ……」
     眉をこれでもかと下げて、落ち込んだ声で話すダンデにキバナは何故か、ダンデの前髪を撫で付けながら楽しそうに笑う。何故イベントを潰されてしまったのに楽しそうにするのか、と不思議そうな顔をして首を傾げるダンデの頬に、軽くキスをしながらキバナは蕩けるように笑う。
    「オレさま、そんなふうにダンデがバレンタインデーを楽しみにしてくれていた事が分かっただけで大満足」
    「君は…俺を甘やかしすぎなんじゃないか?」
    「そんな事ないって。ほら、せっかく温かいのが冷めちまう」
    「うん……美味い。ちょっとだけ…後味がほろ苦いな」
    「まあ、大人な味ってやつ…どう?飲めそう?」
    「あったかい…。大丈夫そうだ」
    「なら、それをしっかり飲んで寝ちまえ。オレさまの愛がたっぷり入ってるから効果抜群だぜ?」
     パチンと茶化すように大袈裟なウィンクをしながらそう伝えられ、ダンデも漸く顔を綻ばせる。両手でカップを持ちながらゆっくりと飲み進める。その間も、キバナはゆったりとダンデの背中を撫ぜる。その手のひらの温度と、優しい手付きに少しずつ瞼が下がり始める。いつの間にか、ダンデの手のひらにあったはずのカップは消え、殊更優しくベッドへと寝かせられる。
    「おやすみ、いい夢を」
     その言葉に返答は無く、先程よりも穏やかな息遣いだけが聞こえてきた。

    「リザードン、ダンデは眠ったよ」
    「ばきゅ……」
    「大丈夫、薬も飲めたから」
     人よりも耳が良いポケモン達は、ずっと苦しそうにしていた主人を心配して、朝からウロウロしっぱなしであったので、キバナは自分の手持ち達と一緒に宥めながら一日を過ごしていた。
     キバナは、そんな彼らを空いた片手で宥めながら中身の無くなったカップを見る。実は、ダンデが薬を飲むことを極端に嫌がることを知っているキバナは、ホットチョコレートに愛情という名の、とてつもなく苦い漢方薬を溶かし込んでいた。効果は折り紙つきだが、以前一度トライしたダンデは盛大にむせ返った挙句「もう二度と飲まないぜ!」と大騒ぎしたこともあった薬だった。子供騙しの方法ではあったが、上手く飲ませられたことにホッとする。ちょっとバレかけたから、次やる時はチョコアイスに混ぜよう。そんな事を思いながら暗い廊下をなるべく足音を立てないように歩く。
     空いたカップを流し台へ置き、リビングへ。対面式のキッチンからは、リビングの様子がよく見える。
     そこから見えるローテーブルの上には、たくさんの付箋がついたバレンタインの特集記事の雑誌。綺麗に包装された箱の入った紙袋。キバナが行きたいと言っていたカフェについて、ダンデが調べたであろうメモ書き。そんなキバナに対しての「愛」が溢れているテーブルの上を眺めて、キバナは自然と口角が上がる。

    「ヘイロトム」

     ロトムを胸ポケットから呼び、キバナはその愛の塊へとフォーカスを合わせる。風邪が治ったら思いっきり甘やかして、ホワイトデーには、ダンデが受け止めきれないくらいの愛を返そう。
     そう、暖かな日差しが差し込むリビングで静かに笑うのだった。
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    肴飯のポイ箱

    DONEREVELЯY2411「COUNT DOWN vol.2」の書き手クイズ企画に提出した作品となります。
    お題「催眠 付き合ってないキダ」
    開催中はドキドキとしながら過ごしておりました!すごく楽しい企画でした☺️✨ありがとうございました!
    夜空、星二つ ガラルにしては気持ちの良い、からりとした青空が朝から広がっている日だった。ブラックナイトに関する諸問題で暫く奔走を余儀なくされていたキバナは、ようやく業務もひと段落し始めた。屋外での作業は晴れの少ないガラルでは何よりも優先したい事柄だ。そんなこともあって、キバナは温かな陽気の中、ナックルジムの中庭で膝と頬を土で汚しながらせっせと植物の剪定に明け暮れていた。元が城ということもあり、一般の人々が立ち入らない場所には未だに当時の面影を残す部分が多い場所だ。キバナが居る中庭もその一つで、ナックルのジムリーダーが代々手入れをしていくことがいつの頃から習わしとなっていると聞いていた。初めてその役割を聞いた時には正直乗り気では無かったキバナだったが、元々好奇心旺盛な方だと自覚していることもあって、やり始めてみればなんだかんだと楽しみを見つけ出し、気付けば少しずつこだわりも持つようにもなってきた。
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    肴飯のポイ箱

    DONE12月オンイベ展示作品その②(新しいお話)
    みんなが寝静まった夜。こっそりひっそり楽しく過ごす不思議な生き物のキバナとダンデのお話
    「🎄ホリデー編🌟」
    ※ポ世界のクリスマス概念が曖昧な為、あえてクリスマスから正月までをホリデーと設定してお話をかいています。細かく考えず緩くお楽しみください🌟👻👻🎄
    それは賑やかな すっかり夜の帳が下り、静まり返ったとある家のキッチン。小綺麗に整頓されたそんな場所を小さな林檎程の大きさの何かが二つ、白い布を頭から被ってチョロチョロと薄暗いキッチンの中を動き回っている。
    「キバナ、息が真っ白だ!寒いなぁ」
    「今日も月が大きいなぁ。でも、流石に今日はみんな寝てるだろ」
     月明かりに照らされたキッチンを、キバナと呼ばれた大きい方がそれよりも少し小さなダンデの手を引きながらずんずん進んでいく。
     少し前にお菓子を貰ったキッチンは、同じように整えられていた。水切り籠にはジュラルドンとリザードンが描かれたカップが逆さまになって雫を落としていた。今日は、それ以外にもカラフルなカップや皿がたくさん並んでおり、いつもは食器棚の一番上で偉そうにしている白地に金の模様が入った大きな皿も、ピカピカに洗われて月の光を反射している。
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    肴飯のポイ箱

    DONEオンイベ開催、アンド素敵企画ありがとうございます!
    この作品は、12.3歳ごろの2人がナックルシティの片隅にあるとある喫茶店を舞台にわちゃわちゃとしていくお話となっています。
    ※両片想いほのぼのです。
    ※ガラル市民がたっくさん出ます。
    ※視点がコロコロ変わるお話です。
    少しでも楽しんでいただければと思います☺️
    とあるナックルの片隅で◆ライラック色の髪をした少年の回想

    「あ、チャンピオンだ!」
    「チャンピオン!」
    「何かイベントでもあったっけ?」
     困った。
    俺は、大きな街の真ん中で冷や汗を掻きながら、どうしてこんなことになったのかをひたすらに考えていた。
     今日は午前中にシュートでのチャリティイベントに参加した。午後はスポンサーの会社が行うガーデンパーティへの参加が予定されていたが、そちらが主催者側の事情でのキャンセルとなったので、突発的に午後は丸々オフとなった。予定されていた休みより、こういうイレギュラーな休みって得な感じがして俺は好きだ。せっかくだから前々から欲しいと思っていた物を買おうと意気込み、勢いのままユニフォームで飛び出した。自分なりに人目が少ない道を探しながら、地図アプリと睨めっこ。しかし、俺の努力も虚しくうっかり路地から大きな通りへと出てしまった。途端に集まるキラキラとした眼差しの人、人、人。応援してくれる人達の期待の眼差しを裏切ることはできず、突発的に始まってしまったファンサービス。握手に写真、サイン。もみくちゃにこそされないけれど、このままだと行きたい場所に行けないまま休みが終わってしまう。顔には出せないが内心焦りつつも人混みは消えるどころが増えていく。どうしたものかと困っていると、人混みの奥から良く通る声が聞こえて来た。
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