Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    肴飯のポイ箱

    @sakana2015414

    pkmnでkbdnとか、kbnとdndがわちゃわちゃしてるような話を書いてます。時々ホラーなものをあげるのでそこだけ注意です。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 🐉 💜 👏 ☺
    POIPOI 64

    肴飯のポイ箱

    ☆quiet follow

    ワンドロ開催ありがとうございます!
    ⏳ちまちまと中断しながら1時間位
    お題「春一番」
    以前書いた「春」のお話と繋がっていますが、これ単体でも読めます🌸
    春風に乗って迷い込んできたものと、ちょっとしたラッキー(良かったなキバナ!]な話。

    #キバダン
    #kbdn

    春一番で旅をする 日差しが暖かさを増し、リザードンがウキウキで日向ぼっこに勤しむ時間が増えてきた春。今日も日課のトレーニングが終わると、彼はいそいそとお気に入りのラグをあっちこっちに引き摺っていた。漸くお気に入りポイントを見つけた後は、のんびりと欠伸をしながら横になり、すぐに穏やかな寝息が聞こえてきた。
     そんな相棒の一連の動作を満面の笑みで見守りつつ、ダンデは庭に置かれた木製のベンチに座り、ゆったりと手の中にあるマグを口元に近づけた。様々なハーブの香りが広がってくる。ホッと一息ついてからもう一度庭に目を向ける。自分の相棒を始めとしたポケモン達が楽しげに過ごす姿を見て、もう一度ダンデは笑顔になる。カップの中身も減ってきた。そろそろ荷物の荷解きを再開しなければ。

    「ピィー!」

     カップを片付けようと腰を上げた時、甲高い声が庭の奥から響き、庭のポケモン達がざわつき出す。リザードンだけは五月蝿そうにラグ横のクッションに顔を突っ込んでいた。彼は、外で常に気を張る分、家だと結構こういうところがある。
     ピィー!ともう一度響く助けを求めるような声に、ダンデは咄嗟に駆け出した。庭といってもガラルの庭は半分森のようなものだ。すぐさま後ろ姿は木々の影に隠れて見えなくなり、その後ろを心配そうに庭にいたポケモン達も追いかける。
    「なんだなんだ?なんか騒がしいな。」
     そこで漸く、奥の台所の作業をしていたキバナが、庭の騒ぎに気付いたようで顔を見せる。その時には、ベンチの上に中身の無いカップが転がっているだけだった。訂正しよう。日当たりの良い場所でリザードンも転がっていた。
    「リザードン、ダンデ達は?」
     キバナが尋ねると、リザードンは眠そうに半目で「ギュ」と鳴き、庭の奥へと鼻先を向けてまたクッションへと顔を押し付けた。
    「森の奥か。ありがとな。」
     キバナのお礼にフンスッと鼻息だけを返してくるリザードンに苦笑いをしながら、キバナも着けていたカフェエプロンを外して庭の奥へと足を進めていった。


    「ピィー!ピュイ!」
    「なるほど、この子の声だったのか。」
     庭の奥まった場所に植えられている大きなオレンの木。天辺近い木々の隙間にピンク色の小さなポケモンらしき姿が見える。下からだと葉が邪魔をしてどんなポケモンなのかは良く見えないが、ジタバタとしてはピィピィと哀しげな声をあげている様子を見ると、どうやら体が引っかかってしまっているらしい。疲れが出てきたのか段々とか細くなるその声に、着いてきたポケモン達も「早くなんとかしてあげよう?」とダンデに指示を仰ぐように見つめてくる。
    「あっ!やっと見つけた!」
    「キバナ!」
    「こんな奥まで来て、みんなで何を「ピュイ!ピィー」…なるほど。」
    「あれだけ枝が多い場所だと、俺達のポケモン達じゃ飛んで近づくのも羽が当たって危ないだろ?サイコキネシスしようにも、引っかかってる場所がよく見えなくて危険だし。」
    「マジだ。なんのポケモンだろうなぁ。よし、良い方法があるぜ。」



    「これ、本当に良い方法か?本当に他に方法無いのか?」
    「いーのいーの!ほら、あのポケモンを助けるんだろ。上げるぞ!」
     キバナの考えた良い方法というのは単純な話、肩車をすることだった。大人2人だけでは高さが微妙に足りないということもあり、土台をジュラルドンにお願いし、その上にキバナ、ダンデの順で乗っている状態だ。キバナの合図でグッと視線が高くなり揺れに驚いたダンデがキバナの両頬に触れている太ももに力を入れてしがみつく。
    「おわっ!思ったより揺れるな。」
    「わぁおー。想像以上だった。」
    「キバナっ!すまないが暫く我慢してくれ。」
    「良いぜ。むしろご褒美だし。」
    「ご褒美?」
    「いやこっちの話だから。どう?いた?」
     キバナの言葉に甘えてしっかりとキバナの頬を両腿で挟み周りを見ると、少し上くらいの高さに緑の葉っぱを枝の根元に引っ掛け、ピンクの丸い体をパタパタさせているポケモンの姿がよく見えた。
    「驚いたな。ハネッコだぞキバナ。」
    「えっ?ガラルまで飛んできたのソイツ。すげぇな。取れそうか?」
    「ああ、ほらもう大丈夫だぞ。頑張ったな。」
     枝を動かして挟まっていた葉っぱを外し、ダンデの腕の中に抱えてやるとハネッコは安心したのか大声で泣き始めた。
    「まだ小さいなぁ。もしかしたら初めての渡りの途中だったのかもな。キバナ、下ろしてくれるか。」
    「オッケー。ジュラルドン、ゆっくり頼むぜ。」
     ゴーキン、という鳴き声を合図にゆっくりと視界が低くなるのが不安だったのかしがみついてくるハネッコを宥めながらダンデもようやっと地面に両足を着けた。何故かキバナは少しだけ残念そうだった。



    「今日はここと、ここ。季節特有の風が強かったもんな。仲間と飛んでた時にコイツは逸れたのかもな。」
     葉っぱをゆらゆらとご機嫌に揺らしながらポケモン達と一緒にフーズを食べているハネッコを見ながら、キバナはそう呟く。首を傾げるダンデにタブレットで気象図を見せてきたが、全く理解はできなかった。
    「風で気ままに飛んでいくポケモンだけど、流石にひとりでは寂しいだろう。」
    「だよなぁ。仲間の方に無事飛んでいければ良いけど。この季節だときっとパルデアの方に飛んでいく途中だったんだろうな。」
     二人で住む家の荷解き作業は一旦休み。ハネッコの様子を見るために早めのランチタイムをすることにしたが、ピィピュイと甲高い声で他のポケモン達と楽しそうに食事をしている姿に、可愛いもの好きなキバナはずっと目尻が下がりっぱなしだ。今もダンデと会話しながらもスマホのシャッター音は止まらない。
    「まあ、今日のこの感じなら他のハネッコ達も同じようにガラルの上を通ってく可能性は大いにあるだろうし、そこに混ぜてもらっていけば大丈夫だろ。」
    「ピュイ!」
     話が分かっているのかいないのか、キバナの言葉に元気よく相槌を打つその姿は自信満々で可愛らしい。口の周りの食べカスをダンデが優しく抱き上げながらタオルで拭いてやればくすぐったそうに笑う姿に二人は思わず笑顔になる。
    「ふりゃ!」
    「ほら、噂をすればだ。」
     フライゴンが何かに気づいたように空を見上げて鳴く。同じように顔を上げると、澄んだ青空にポツリ、ポツリとピンクや緑、薄紫の丸が空高く風に乗ってふわふわと飛んでいる。
    「よし!アイツらにお願いして一緒に仲間のとこまで行ってもらおうぜ。フライゴン!」
    「ふりゃー!」
    「俺も行くか。リザードンはまだ寝てるから、ドラパ「バキュ。」
    「えっ?」
     フンスッとダンデの脇の下に鼻先を埋めながらリザードンはグルグルと機嫌悪そうに鳴いている。休みたい気持ちは勿論あるが、相棒を乗せる役割は誰にも譲りたく無いのだろう。怒りつつも翼を広げて飛行準備をし始めるリザードンに感謝しつつ、ダンデ達はハネッコ達の集団に向かって飛び始めた。



    「おーい!この子も一緒にいいかー!」
     気持ちの良い陽気の中、風に乗ってダンデの声が聞こえたのか、ふわふわコロコロ気ままに浮かんでいたハネッコ達から楽しそうな返事が聞こえ、ダンデの頭にしがみついていたハネッコも嬉しそうにピューイと声をあげる。
    「ダンデ!フライゴンが教えてくれた。大風くるぞ!」
    「分かったぜ!よし、お別れだ。元気でな!」
     ダンデが頭上のハネッコに伝えると、お礼のように一声鳴きピョコンと頭の上から飛び出した。その瞬間。
    「…っ。」
     もの凄い勢いの風が背中側から吹き抜けていき、髪が散り体が揺れる。ダンデはリザードンの首元にしっかりとしがみつきながら真上を見る。
     楽しそうな甲高い声を次々とあげながら、春色の一団が勢いに乗って飛んでいく。その中に、少し小さなピンク色も確かに混ざっていくのを、確かにダンデは確認した。やがてピュイっと草笛みたいな鳴き声達は、あっという間に遠くなり雲間に消えていった。
    「…行っちゃったな。」
    「ちょっとだけ寂しいな。でも、春みたいな色のポケモン達が春一番に乗って旅をするか。なんか面白いぜ。」
    「きっとああやって世界中旅してるんだろうな。」
    「…羨ましいか?」
    「いや、全然。オレさま地に足つけた生活の方が好きだし。それに、ダンデといると毎日が旅してるみたいに賑やかだろ。」
     そうキバナが素直な気持ちを伝えると、ダンデは嬉しそうに目を細める。
    「これからも、毎日君に大冒険を約束するぜ!」
    「いや、程々にしてくれ。リザードンの気苦労が絶えないから。」
     にっしっしと歯を見せて嬉しそうに笑う愛しい人を見て、キバナは仕方ないなと同じように笑い、相棒の火竜は呆れたような鳴き声を出した。

     ピュイっと空の向こうからも、笑っているような鳴き声が響いてきたような気がした。

    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🌺🌺🌸🌸☺🌸🌸☺☺💗💗☺❤❤🌸🌸🌋☺🌋☺☺☺☺☺❤☺🌸🙏💒☺🌸🌸🎈🎈☺
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    肴飯のポイ箱

    DONEREVELЯY2411「COUNT DOWN vol.2」の書き手クイズ企画に提出した作品となります。
    お題「催眠 付き合ってないキダ」
    開催中はドキドキとしながら過ごしておりました!すごく楽しい企画でした☺️✨ありがとうございました!
    夜空、星二つ ガラルにしては気持ちの良い、からりとした青空が朝から広がっている日だった。ブラックナイトに関する諸問題で暫く奔走を余儀なくされていたキバナは、ようやく業務もひと段落し始めた。屋外での作業は晴れの少ないガラルでは何よりも優先したい事柄だ。そんなこともあって、キバナは温かな陽気の中、ナックルジムの中庭で膝と頬を土で汚しながらせっせと植物の剪定に明け暮れていた。元が城ということもあり、一般の人々が立ち入らない場所には未だに当時の面影を残す部分が多い場所だ。キバナが居る中庭もその一つで、ナックルのジムリーダーが代々手入れをしていくことがいつの頃から習わしとなっていると聞いていた。初めてその役割を聞いた時には正直乗り気では無かったキバナだったが、元々好奇心旺盛な方だと自覚していることもあって、やり始めてみればなんだかんだと楽しみを見つけ出し、気付けば少しずつこだわりも持つようにもなってきた。
    6909

    肴飯のポイ箱

    DONE12月オンイベ展示作品その②(新しいお話)
    みんなが寝静まった夜。こっそりひっそり楽しく過ごす不思議な生き物のキバナとダンデのお話
    「🎄ホリデー編🌟」
    ※ポ世界のクリスマス概念が曖昧な為、あえてクリスマスから正月までをホリデーと設定してお話をかいています。細かく考えず緩くお楽しみください🌟👻👻🎄
    それは賑やかな すっかり夜の帳が下り、静まり返ったとある家のキッチン。小綺麗に整頓されたそんな場所を小さな林檎程の大きさの何かが二つ、白い布を頭から被ってチョロチョロと薄暗いキッチンの中を動き回っている。
    「キバナ、息が真っ白だ!寒いなぁ」
    「今日も月が大きいなぁ。でも、流石に今日はみんな寝てるだろ」
     月明かりに照らされたキッチンを、キバナと呼ばれた大きい方がそれよりも少し小さなダンデの手を引きながらずんずん進んでいく。
     少し前にお菓子を貰ったキッチンは、同じように整えられていた。水切り籠にはジュラルドンとリザードンが描かれたカップが逆さまになって雫を落としていた。今日は、それ以外にもカラフルなカップや皿がたくさん並んでおり、いつもは食器棚の一番上で偉そうにしている白地に金の模様が入った大きな皿も、ピカピカに洗われて月の光を反射している。
    2994

    肴飯のポイ箱

    DONEオンイベ開催、アンド素敵企画ありがとうございます!
    この作品は、12.3歳ごろの2人がナックルシティの片隅にあるとある喫茶店を舞台にわちゃわちゃとしていくお話となっています。
    ※両片想いほのぼのです。
    ※ガラル市民がたっくさん出ます。
    ※視点がコロコロ変わるお話です。
    少しでも楽しんでいただければと思います☺️
    とあるナックルの片隅で◆ライラック色の髪をした少年の回想

    「あ、チャンピオンだ!」
    「チャンピオン!」
    「何かイベントでもあったっけ?」
     困った。
    俺は、大きな街の真ん中で冷や汗を掻きながら、どうしてこんなことになったのかをひたすらに考えていた。
     今日は午前中にシュートでのチャリティイベントに参加した。午後はスポンサーの会社が行うガーデンパーティへの参加が予定されていたが、そちらが主催者側の事情でのキャンセルとなったので、突発的に午後は丸々オフとなった。予定されていた休みより、こういうイレギュラーな休みって得な感じがして俺は好きだ。せっかくだから前々から欲しいと思っていた物を買おうと意気込み、勢いのままユニフォームで飛び出した。自分なりに人目が少ない道を探しながら、地図アプリと睨めっこ。しかし、俺の努力も虚しくうっかり路地から大きな通りへと出てしまった。途端に集まるキラキラとした眼差しの人、人、人。応援してくれる人達の期待の眼差しを裏切ることはできず、突発的に始まってしまったファンサービス。握手に写真、サイン。もみくちゃにこそされないけれど、このままだと行きたい場所に行けないまま休みが終わってしまう。顔には出せないが内心焦りつつも人混みは消えるどころが増えていく。どうしたものかと困っていると、人混みの奥から良く通る声が聞こえて来た。
    9874

    related works

    recommended works