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    肴飯のポイ箱

    @sakana2015414

    pkmnでkbdnとか、kbnとdndがわちゃわちゃしてるような話を書いてます。時々ホラーなものをあげるのでそこだけ注意です。

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    肴飯のポイ箱

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    ワンドロ開催ありがとうございます!
    ⏳30分
    お題『手を握る』
    一歩分の見える景色の違いの話です。

    #kbdn
    #キバダン
    #ワンドロ

    一歩前の世界「ほら」

     心底仕方がないという顔をした後に、宙を彷徨っていたオレの手を引いて足速に歩き出すその背中を、静かに眺めながら歩く時間が実は密かな楽しみだと言ったらキミは怒るだろうか。
     何度も繰り返されるこの道案内のやり取りに、いつか愛想を尽かされてしまうかもな。なんて自嘲しながらも、自分と同じ所にタコのあるトレーナー特有のガサついた手を、少しだけ力を入れて握り返す。自分より低い体温を帯びた指先が、少しでも長く自分の手と繋がってくれてたらいいのに。
     そんな自分勝手な想いを、自分より幾分か広い背中に向かって視線と共に密かに飛ばしたが、キバナの足並みは勿論全く変わらなかった。

    ◇◆◇

    「ほら」
     スイっと目の前に差し出された彼の手の意図が掴めずキョトンと見つめていたら。差し出してきた本人も先ほどジュースバーでお揃いで買ったウブのみ入りのスムージーを空いたもう一方の手に持ちながら、一緒になって首を傾げていた。
    「ん、手出して」
     今度こそ意味が分かって、不思議な心地でそろりと手のひらを出すと何故だか可笑しそうに笑って彼はオレの手を指と指を絡めるように握ってきた。
    「…知らない繋ぎ方だぜ」
    「恋人限定だからな」
    「こいびとげんてい…」
     ギュッと繋がれた指先を眺めてから、隣に並ぶ彼を見ると少し気恥ずかしそうにしながらも歯を見せて笑っていた。空のような、海のような色の瞳が煌めいて。
    「いつも、手を繋ぐときはキミの背中ばかり見ていたが…この眺め…凄くいいな」
    「オレさまも、漸くお前の手の感触以外を感じられたなって幸せ感じてるわ」
     感慨深く思い、気持ちを素直に伝えると。さっきまで余裕そうに笑っていた目の前の男の瞳が少しだけ狼狽えた後に、目尻を下げながら言葉を返してくる。そう言われれば確かに、キバナが手を繋ぐときはいつだって彼が前を歩いていて目を合わせることすら殆どなかった。
    「…何だか、今ならどんなもの見ても全部楽しくなりそうだ」
     少しだけ思い切って自分の指をしっかりと絡め直してグイッと彼の腕を引き、その頬へと触れるだけの軽い口付けをする。ぼしゃんっとキバナの手から飲みかけのドリンクカップが落ちる。その大惨事であろう音が耳の端に聞こえてきたが、オレは目の前いっぱいに広がる男の表情を見ることで忙しかったので、少し悪いとは思ったが無視することにしたのだった。
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    肴飯のポイ箱

    DOODLEワンドロ
    少年kbn君と同年代🚺dndちゃんの話。
    ※先天性女体化です。
    心より行動が先にくる1人と、心が来てから一気に行動し始める1人の話
    お題『初恋or意識し始め』
    まずは一手 昼下がりのナックルシティ。ジムリーダーになって一年とちょっと。自分に割り振られた仕事をなんとか回せるようになってきたキバナは、最近になって漸く入ることを許された宝物庫内の書庫に昼休憩はもっぱら入り浸っていた。保存の観点から外に全く出される事のない書庫は、知的好奇心が強いキバナにとっては大分豪華なオモチャ箱のようなものだった。
    「(今日は午後から休みだし、入室許可も取った。絶対閉まるギリギリまで入り浸ってやる!)」
     少し浮き足だった歩みで書庫の扉を開け、少し埃っぽい空気を吸い込む。この、何とも言えない紙とインクの香りがキバナは大好きだった。
     ナックルジムの書庫は少し不思議な形をしている。吹き抜け式の円柱型の室内には螺旋階段がぐるりとドラゴンの体のように巻き付いている。その螺旋に沿って壁に本棚が埋め込まれている。光を最低限取り込む為に作られた丸い天窓には、月と太陽をモチーフにしたステンドグラスが嵌められており、外の光を透かして淡い彩光を放っている。
    2021

    肴飯のポイ箱

    DONEワンドロ
    お題「駆け引き•取り引き」
    立ち止まって周りを見たら不安になってしまった1人と、立ち止まった先でずっと待っていた1人の話。
    ※イズオーバー後同棲設定
    すっごい…難産でした…でも楽しかった!
    よーいどん すっかりと夜の帳が下りたナックルシティの片隅。夕食もシャワーも終わらせたキバナは、リビングでのんびりと読書をしながら膝に顎を乗せてくるフライゴンの頭を撫でて存分にリラックスモードだった。間接照明によって柔らかい明るさに包まれた部屋の中では、他のポケモン達ものんびりと寛いでおり平和の一言だ。ただ、少し引っかかる事があるとすれば同棲している恋人の様子が変だったこと。仕事から帰って来たと思えば夕飯もそこそこに共有してる書斎に引き篭もってしまった。
     まあ、何かに集中したい時には同じような事は度々あった。キバナもたまにやる。ただ、今回は表情がいつもより鬼気迫ったというか焦っていたというか。
    「…ふりゃ」
     撫でる手が止まっていた事にちょっと不満げな声でフライゴンが拗ねる。それに謝るように撫でる動きを再開すると、満足そうに目を細めて擦り寄ってくる。そんな可愛い姿に、今日は甘えただなぁ。なんて思いながらキバナは読書を続ける。
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