3分1食べて押し付けられて殺意しかなかった「明日休みだよな?」
「そうだけど、なに」
ふぅん…と顎に手を添え考え込んでるコイツにウンザリする、明日は安眠を謳歌するのだコイツに邪魔されたくない…というかなんで人の休み分かってんの、怖すぎ。
「悪いけど明日は付き合う気ないから」
さっさと帰んなよと犬猫を追い払うかのようにぷらぷらと手をふり自分もさっさとこの場から退散する。
下手に凸られても面倒だし帰宅を諦めてホテルで安眠するか、はたまた安眠を貪るのを諦め早起きして何処かに隠れるか、、あ〜…非常にめんどくさい。
「おはよう、意外と早かったな」
「……なんでいんのよ」
結局帰宅を諦め、高い出費をし安全を確保した筈なのに、チェックアウトギリギリにドアを開けたら、いた。
わざわざ隠密まで使ってたのか気配に気が付かず普通に開けてしまった。ストーカーだろここまでくると
「なんで休みの日までアンタと顔合わせなきゃイケないわけ?わざわざホテル泊まったのに巫山戯んなよ…」
「まぁ…ご愁傷さま?」
「はっ倒すよ」
マイペース過ぎるS級様に頭が痛くなる
「どうせ帰るだけだろ?なら付き合ってくれ」
「……帰って寝直すって選択は?」
「ないな、諦めてくれ」
まぁ、悪い様にはしないから…と言いながら肩に下げてた荷物を取り上げられたかと思えばバチバチと音を立てて何処かに消えた
…だんだん能力バケモンじみて来たなコイツ
「じゃ、行くか」
所詮B級どう抵抗しようが、S級に適うわけが無かった
「いらっしゃいませー!!」
「すみません、2名で」
「……」
強制ジェットコースターで体力を削られ向かった先は飲食店で、わざわざ竜に乗り移動しなくても近場でよかったろと突っ込みたいが込み上げてくる胃酸を吐き出さない様にするのに必死だった
奥の席に案内され出されたお冷を一気に呑みほし、机に突っ伏す
「なんでお前平気なの…なにS級様だからなんでもありなわけ?」
「慣れじゃないか?」
「このガキ…」
早速メニューを広げ吟味し始める
ホテル代と休日を潰された腹いせに1番高いやつ頼んでやろうかと思ったが、流石に食べれる気がしなかった
今食べたら確実にマーライオンする
「食べないのか?」
「この状況みてそれが言えるのすごいよね」
「軟弱だな」
「まじでこのくそガキ」
ピンポーンと間抜けな音を聴きながらはやく終わってくれと願うばかりだった
布団が恋しい…
「おまたせしましたーー!!!」
「……は?」
30分近く待たされ飲食店でこの待ち時間はヤバくないか?と思ってたら店員が桶を持ってきた、しかもかなりデカい
机に置かれた桶からはみだし、山を作っている白飯に顔が引きつる、そんな白米の盛り方漫画か仏壇でしか見たこと無いんだけど
「ご注文は以上でよろしいでしょうか」
「はい」
ごゆっくりどうぞーと去っていく店員に縋る様な視線を送っても仕方ないだろう…僕もご自由にってコイツ置いて帰りたいもん、切実に
「………絶対助けないからね」
「安心しろ、昨日から食ってないからイケる」
意気揚々と割り箸片手にせっせと桶から皿に移し食べ始めるコイツからどう逃げるか頭をフル回転させる
明日食べ過ぎで動けませんなんて情けない電話をするなんて絶対に嫌過ぎる