統ばる「なあエース、おれら兄弟だって」
「うん」
「みんな顔似てるって言ってた。当たり前だけどな兄弟だし。やっぱそんなもんなんだ。誰も疑わなかった」
「ああ」
「ほんとに血なんて大したこたねえんだ。だから、合ってた」
「なにが」
「エースが。エースが全部正解だった。あんな変な酒飲んだときはほんとかようさんくせえってどっかで思っちまったんだ。でも間違ってなかった。ほんとにおれら、兄弟なんだ」
背中の岩の上からスナネズミの足音が聞こえる。
ひやーっと漂う冷気も、ゆったりさざめく砂の波も遠くで歩くサソリも何もかもが星の明かりに貫かれていて、ルフィに手も足も絡ませて抱きしめて眺めていた。
光にぶん殴られてる、グレイターミナルが火にのみこまれた時よりずっと明るい、昼より眩しいじゃねえか、久々のふたりの夜がこんなにきれいだなんてもう明日死ぬかもしれねえ。
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