頭痛が混ざる。
ピンクと水色のグリッターに沈んだ部屋だ。
からだを起こすと大きなケーキがあった。
甘い匂いとおんなくさい、鉄はおんなの股のにおいだ。
腹が減ったからばりばりばりと伸びない腕を伸ばして掴む。
生暖かいケーキを両手でぎゅうっと潰して齧りついた。
瞬間スパンコールの極彩色が弾け飛び、頭の後ろが冷たくなった。
「起きたかよ寝坊助」
鼓膜に何かへばりついたみたいに音がくもってる。
灰色の天井の小さなシャンデリアからほこりがちらちら落ちてきて、ああおれはのけぞって頭を打ったんだ。
目を擦ってまたからだを起こすとエースが不機嫌な顔でおれを見ていた。
「こんなことしといてよく眠れるよな」
「エースなんでサボの家にいんだ」
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