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    r__iy1105

    田中新兵衛に心を狂わされた
    禪院直哉は可愛いと思う

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    r__iy1105

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    🦋垢で呟いていた告白してきた髙をフッた後に自分の気持ちに気付いた羂の羂髙。髙がモブと付き合ってる表現がある。そして、気が向けば続きを書く

    髙羽から好きだと言われて、私は短くそうと返した。
    千年間、体を移し替えていたが、引く手数多だったのは変わらなかった。
    だから、髙羽から告白された時に軽く溜め息を付く。
    相方である君もかと思いながらも、私は淡々と告白の返答をした。
    「私は、君の事を相方以上には思えないよ」
    「そっか。ごめんな、聞いてくれてありがとうな!これからも、相方としてよろしく」
    告白した髙羽は、何処かスッキリした顔をしていた。
    チクっとした胸の痛みに首を傾げつつ、髙羽との相方関係が保つなら、それでいいと思っていた。
    だって私を楽しませてくれる唯一の存在なのだから、相方で居てくれなければ困る。
    「君は私の唯一なんだからさ」

    そんな事があってから、暫く経った頃だったと思う。
    「羂索、俺帰りに予定あるから」
    「最近多いけど、ピンの仕事は受けるなって言ったよね?」
    最近、髙羽が一人で先に帰る事や残る事が多くなった。
    ピンの仕事の話は聞いていないし、テレビもラジオも配信もない。
    なら、秘密裏に行われている企画か何かだろう。
    そろそろ探りを入れてもいい頃合いだと思って、髙羽に聞いてみる事にした。
    すると髙羽は、あーと視線を逸らしながら言い淀む。
    やっぱりピンの仕事かと思って目を細めると、髙羽がもごもごと口を開いた。
    「あー、その。恋人出来てさ。今日は、デートなんだよね」
    「は?」
    思っていた以上に大きな声が出て、自分でもびっくりした。
    髙羽に恋人って、何。
    だって、髙羽は私が好きだった筈だった。
    だから私に告白だってして来たのに、何で他の人間に現を抜かしているのか意味が分からない。
    「だから、そろそろ帰らないとぉおお!?」
    そそくさと帰ろうとする髙羽の襟を掴んで、思い切り引き寄せた。
    急に近くなった私の顔に、髙羽が一瞬だけ視線を向けて直ぐに逸らした。
    耳を見れば赤く染まっているし、やっぱり私の事が好きだと言う事がひしひしと伝わってくる。
    「ねぇ!君さぁ!私の事が好きって言ったのに、知らない奴と付き合ってんの!」
    「いや、だって、羂索。俺の事フッたじゃん!?」
    「諦めないでよ!そこは、振り向かすとか努力するモノじゃないの?」
    自分で言っていても理論的じゃないのは分かっているし、私が髙羽の事をフッたのだ。
    それは変わらない事実ではあるが、だからと言って髙羽が私を諦める理由にはならない。
    こんなに簡単に私を諦めて、どこの馬の骨とも知らない人間に現を抜かすなんておかしな話だ。
    「髙羽は、私が好きなんでしょ?簡単に諦められる様な気持ちだったわけ?それな、君にがっかりだよ」
    「……羂ちゃん。あのね、俺。気持ちを伝えてフラれたら、きっぱり諦めて相方として隣に居ようって決めてたんだ。だからさ、ごめんね。そろそろ時間だし行くから」
    襟を掴んでいた私の手を髙羽が掴んで離させて、襟を直してからリュックを掴む。
    「じゃ、羂索。またね」
    そのままリュックを背負って、髙羽は私の方を振り向く事なく部屋を後にした。
    「たか……」
    引き留める言葉が見付からずに、部屋を後にした髙羽に伸ばした手は空を切るだけだ。
    「……あれ?もしかして、本気で髙羽を好きだったのか?」
    真っ直ぐに私を見つめたた髙羽の目は、揺らめく事はなかった。
    人は動揺や感情が揺れ動けば、目に出てしまう生き物だ。
    それがなかったと言う事は、つまりそう言う事なのだろう。
    『きっぱり諦めて相方として隣に居ようって決めてたんだ』
    頭の中で反芻する髙羽の言葉に、胸の奥を鋭い刃物で突き刺されている様に痛い。
    グサグサと言葉がナイフになって、胸を何個も貫いていく。
    「気付くのが遅すぎた……」
    ズルズルとその場に座り込んで、髙羽をどうにか取り戻す方法を考える。
    髙羽の反応を見るに、まだ私の事が好きなのだろうだから間に合う可能性が高い。
    だからもう一度、私に振り向かせればいい事ではある。
    簡単な事なのに、私にはその方法が分からない。
    千年生きて来た中で、振り向かれなかった事はないのだ。
    「え?どうすればいいんだろ。分からない?この私が分からない?」
    ドロっと縫い目から液が染み出て、ズキズキと脳が痛む。
    「髙羽。あの言葉は撤回するから、もう一度私を好きになってよ」

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