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    子供騙しだと侮らない事だ

    #司類
    TsukasaRui

    ワンライ『指切り』(第98回お題拝借) 止まらんばかりに溢れ続ける演出案。
     自分の案を元に輝かしいショーを魅せてくれる仲間達。
     もっと、もっと楽しくて素晴らしい物を届けたい――

    ―――ピピピ…目覚ましの音で目が覚める。
     どうやらうっかり机で寝落ちしてしまったようだ、少し肌寒い。
     緩慢な動作で起き上がり準備をする。
     昨晩考えた演出案も忘れること無く、家を出た。

    「………」

     何だろう、今日はやけにカバンが重い。
     中身はいつもと同じはず…なんなら家を出た時より重くなっているような気さえする。
     教室まであと少し、早くカバンを下ろしてしまいたい。
     いつもよりやけに長く感じる廊下を、重たい荷物を背負い歩、


    ―――ピピ…体温計の音が鳴る。
     小さい画面には38.7の数字が浮かんでいた。
     ため息を漏らしながら、保健室のベッドの上で赤い顔をして寝込んでいる恋人の顔を覗き込む。

    「体調管理を怠るなといつも言っているだろう…全く」

     昨晩いい案が浮かんだので相談をしようと隣の教室へ足を向けた。
     その時目に入ってきたのは、明らかに体調不良です、と身体全体に書かれている状態で歩いている恋人の姿だった。
     呆気に取られてしまっていると、その体がぐらりと傾いた為慌てて走り寄りそのまま保健室まで運んだのである。

    「……ぅ……ん…」
    「…目が覚めたか」
    「……つか、さ………くん…?」

     全く何が起きたか分からないといった表情でこちらを見上げてくる。
     どうしてそんな状態で学校まで来る事が出来たのだろうか。

    「お前が倒れそうになっていた所を、保健室まで運んでやったんだ」
    「そう、だったんだ……すまなかったね」
    「別に構わないが、謝るのならまずは体調管理をしっかりしろ」

     言い聞かせるように告げると、類は眉を下げ上目遣いになる。
     晴れてソウイウ仲になった頃から多用される必殺技。
     …そ、そんな表情をしても、流されないからな……

    「…きらいになって、しまったかい」
    「この程度で嫌いになどなるか。まあ、怒っていないといえば嘘になるが」
    「……どうしたら、きらいにならないでくれる?」
    「だから嫌いにはならないと……」

     熱が出ていて辛いのだろうか、他の要因だろうか、その瞳の涙は溢れそうだった。
     今の状態では、言葉だけでは伝わらないようだ。
     昔の妹の姿を思い浮かべながら、小指を差し出した。

    「……これは」
    「ちゃんと食べてちゃんと寝ること。約束できるなら、嫌いになどならない」
    「………………う、ん」

     不安そうな顔をしながら、小指を差し出してくる。
     震えているそれに己の小指を絡め、唄う。

    「指切拳万」
     嘘ついたら赤ピーマン飲ます。指切った。

    「なっ…」
    「甘みのある赤ピーマンなのがせめてもの情だ」
    「う…うぅー…」

     本人としても意図的に約束を破る気は無いのだろうが、絶対に約束を破らないという自信もないのだろう。
     複雑そうな表情を浮かべる類に布団をかけてやる。

    「まずはその体調を治すところからだ」
    「……もう……わかったよ…………」

     布団を口元まで被りこちらを見上げてくるので、頭を撫でてやる。
     あれだけ熱があったのだ、辛かったのだろう…直ぐに寝息が聞こえてきた。
     先程に比べ呼吸は落ち着いている。
     ひとまず安心していると、ガラガラと保健室の扉が開く音がした。
     先生が保健室に戻ってきたのだろう、安心して類を任せられる。
     早く良くなってまた元気な姿を見せて欲しい、祈りを込め額に口付けし保健室を後にした。
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    たまぞう

    DONE先にポイピクに載せます。
    日曜になったら支部に載せます。
    将参のお話。この間のとはセカイは別になります。
    ちょっと痛いシーンがありますがそこまで酷くないです。
    寧々ちゃんが森の民として出ますが友情出演です。
    最初と最後に出ます。
    何でもいい人向けです。
    将校は参謀と同じ痛みを感じて(物理的)生きたいというよく分からないお話ですね。
    誤字脱字は見逃してください。それではどうぞ。
    将参(友情出演寧々)「ねぇ、その首の傷痕どうしたの?」
    「っ、っっ!?」

    仕事の休憩中に紅茶を飲んでいた時のこと。
    正面の窓から現れた少女に私は驚き、口に含んでいた紅茶を吹き出しそうになった。

    「っ、ごほ…っ、げほっ、ぅ………。来ていたのですか…?」
    「うん。将校に用事があって……というか呼ばれて」
    「将校殿に?」

    森の民である緑髪の少女ーーー寧々は眉を顰めながら、私の首をじっと見つめている。そこには何かに噛み千切られたような痕があった。

    あの日のことを話そうか、少し迷っている自分がいて。
    どうしようかと目線を泳がせていると、寧々が強い力で机を叩く。

    「ほら!話して!」
    「………わっ…!わかり、ました」








    あまりの気迫に押された私はぽつりと語り始めた。
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