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    tp0_g4

    @tp0_g4

    よんきしの絵とか文の落書き&練習置き場
    ※カプはランジクとヴェパシのみ

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    ランジク

    12/6:イルミネーション 物資補給の為にグランサイファーが立ち寄った島では、多くの街が聖夜の準備を終えており、辺り一面イルミネーションに彩られていた。滞在した街の装飾は独自の魔法で灯されているらしく、時間帯に合わせて光り方を変え、夜中でも眠りの妨げにならない程度に淡い輝きを放ち続けている。
    「少し、散歩しないか?」
     何となく寝付けず部屋で過ごしている時に、防寒着を羽織ったジークフリートさんに声を掛けられたのがつい先程のことだった。そこまで急がなくていいと窘められながらコートを着て、外に出るとキンとした空気に出迎えられる。
     郊外の森の一部にも装飾が施されており、柔らかい光と静寂の中を2人で歩く。何かを話すわけでもなく、俺は黒を纏った背中について行った。
     開けた場所に出ると、他に比べて丁寧に光が飾られた樹木があった。立ち止まった彼に、ジークフリートさん、と呼びかけると観念したように口が開く。
     「夢見が少し……な」
     長い時間が経ったように思えた。隣に並び、イルミネーションに視線を向けるふりをして、ぼんやりとそれを眺め続ける横顔を盗み見ると焦げ茶色に隠された瞳は何処か、遥か遠い場所を見つめていた。名前のわからない感情が、胸の奥から込み上げる。
     自分の手の甲で、そっとジークフリートさんの手の甲に触れた。いいですか?と尋ねてしまう俺を映す月色の瞳は穏やかに揺れ、聞かなくても良いんだぞ、と優しい言葉をくれる。
     「身体が冷え切ってしまう前には、宿に戻りましょう」
     それまではいつまでも付き合おうと、傍にいようと心に秘めて手を握ると、ジークフリートさんも応えてくれた。
     「ありがとう、ランスロット」
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