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    akatubaki0305

    @akatubaki0305

    太中小説の進歩や SSを投稿します!

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    akatubaki0305

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    浮気しただざに愛想尽かして別れを告げるちゅやのお話です。(ラストはハピエンです!)メモ書きなので誤字等そのままです💦このお話はモブ♀がかなりでしゃばるので苦手な方はご遠慮下さい💦すみません💦
    メモ9 これでメモはラストです。
    後に編集して支部に投稿します!

    #太中
    dazanaka
    #中モブ

    懺悔せよ(仮) 買い物を終え、自宅に戻った中也と美香。

    「よし!買ってきた物此れで全部?」
    「そうだな。と云うか買い食いばっかりしてたから碌に買ってねぇけど」
    「へへっ!まぁ良いじゃない!今日は逢引デートづて事で。買い物はついでだよ」
    「そうかよ。んで?その逢引デートは楽しかったか?」
     中也は美香に微笑みながら話す。
    「勿論!とても楽しかったわ!」
     美香もまた、笑って答えた。

     夕食の時間まで各々で過ごし、今日買ってきた食材で仲良く夕食を作り楽しく会話をしながら食事をする。
     二人は、今日一日極々普通の恋人らしい休日を過ごした。

     その夜、何時もの様に寝室に向かおうとした美香はピタリと足を止めた。
    「ん?どした?」
     美香の行動に気付いた中也が問う。

    「‥‥ねぇ、中也。今日は一緒に寝ようよ」
    「は?‥‥いや、其れは」

     美香が来てから中也はずっと長椅子で寝ていたのだ。美香の言葉に戸惑いを見せる中也に美香は慌てて言葉を繋げた。

    「あ、その、誘ってる訳じゃなくて‥‥この家で二人で過ごすのも今日で終わりにしようと思うの。だから‥中也ともっと話したい」
     美香の言葉に一瞬、目を見開いた中也だがふっと気を抜き「そうか」と微笑んだ。
    「覚悟を決めたンだな」
    「うん」
    「いいぜ!お前の話、ちゃんと最後まで聴いてやるよ」
     中也は長椅子から立ち上がると美香と共に寝室に向かった。
     寝台の端と端に横になり、お互いを見つめる。此れが今の二人の距離なのだ。

    「あのね、私、とても大切に想ってた恋人がいたの。私の事を凄く大事にしてくれる人。だから私も凄く大事にしてたの。でもね、彼、他の子ともエッチしちゃう人で。初めて其れを知った時は凄くショックだった。でも彼に『他の子は単なる遊び、愛してるのは美香だけだよ。嘘じゃない。他の子とヤるのは美香が一番だと再確認するためだよ。解ってくれるよね?』って云われて。何を云ってるのか解らなかったけど此処で私が他の子と遊ばないで!なんて云ったら厭な顔して別れを告げられるかもって思うと嫌だって云えなくて‥‥失いたくなかったから」

     涙が出そうなのを堪えながら話す美香に、何処ぞの莫迦野郎みたいな男が他にも居るのかよ、と胸を痛めた。

    「でもね。ある日見ちゃったの。彼が女の子とホテルに入っていくのを。今までは友達が教えてくれてたから実際に見たことなかったから我慢出来たけど、実際に自分の目でその現場を見たら堪えれなかった。その場で彼に直ぐに別れようと電話したわ。彼は受け入れなかったけど、私も限界だったの。そのまま電話を切って街をブラブラしてたら悲しみより悔しさが増してきて、私だって浮気してやる!ってなったの」
    「それであの娼婦みたいな誘い?あれはかなり危険だったぞ?」
    「ふふ、本当だね。夕方からずっと彼処にいて次来た男の人に声をかける!次来たら声かける!って意気込むけど怖くてただ突っ立てる事しか出来なかった。莫迦だな私と思って帰ろうとしたら中也が現れたの。私と同じ恋に傷付いた目をしてる、そう思った時にはもう声をかけてたんだ」
    「‥‥‥‥」
    「中也は優しいからこんな私を受け入れて懐に入れてくれた、ありがとう」
    「‥‥いや、俺は」
    「今日会った『元同僚』さん、元同僚じゃなくて彼が中也の恋人だった人でしょ?」
     美香の言葉に中也は何故?という顔をした
    「ふふっ、解るよ。何でもない様な顔をしてたけど、彼と別れる時、中也の瞳があの日と同じだったから」
    「‥‥そうか」
    「中也、心から愛せる人なんて一生の内何度も現れないんだよ。だからね、心から愛してる人には本心を云おうよ。私もね、明日彼に会って話そうと思うの。他の子と遊ぶのは嫌だって‥‥そして、矢っ張愛してるのは貴方だけだって、そう伝えようと思うの」
    「美香」
    「中也もそうでしょ?今も彼を愛してる。だったら逃げちゃ駄目。一緒に前に進もう?」
     美香の優しさに心が癒される。

     そうだよな、俺は自分の気持ちを太宰に何にも伝えてねぇ。伝えずに一方的に別れを告げて逃げている。今の俺はダセェな。

    「‥‥俺も明日、奴と話すよ。情けねぇ俺に付き合ってくれてありがとな、美香」
    「お互い様だよ。私も中也が居てくれたから前に進む勇気でた。ありがとう」

     それに、彼も中也と同じ目をしていた。美香はそう思ったが中也には内緒にした。

    「中也、おやすみ」
    「ああ、おやすみ」

    ──

    「はぁ~~」
    「太宰!貴様は出社してから溜息ばかりで全く働いてないではないか!」
    「国木田く~ん、私は今落ち込んでいるのだよ」「そんなこと知るか!」

     国木田が怒声をあげているが太宰の耳には入ってこない。

     昨日、社を飛び出した後太宰は中也のセーフハウスに向かった。美香が中也と一緒にいることは解っていたが中也に会いたいと思う気持ちが止められなかった。だが。
     セーフハウスの玄関前に立った時に部屋から香る良い匂い。夕食の支度をしているのだろうが‥‥その香りは二人の生活を漂わせていた。其処に確かにある二人の生活が、太宰が入り込む事を拒んでいる様に感じた。

     完全なる敗北だ。
     もう私は中也に触れることも出来ない。

     太宰は悲痛な顔つきでセーフハウスを後にしたのだった。

    「‥‥はぁ」
     太宰の度重なる溜息に国木田は我慢の限界を超え「太宰!仕事をしないならせめて外に出て人助けをして来い!」と半ば強引に太宰を外へ放り出した。

    「んも~乱暴だなぁ国木田君は」
     ぶつぶつと文句を云いながら一階にある喫茶店へ入ろうとした時に外套の衣嚢が震えた。もしかして、そう思った太宰は慌てて衣嚢に入っていた端末を取り出した。

    「メール 1件」

     太宰はごくりと唾を飲み込むと画面を押した。

    『話がしたい。今日、うちに来れるか』

     メールの送り主は中也だった。

    「!中也~」
     中也からの連絡に柄にもなく嬉しくなる太宰、中也からのメールを何度も読んでいるとまたメールが届く。

    『此方の都合を押し付けて悪い。都合が悪ければ俺が其方に行ってもいい』

     何処か他人行儀なメールに少し胸がズキリとしたが急いで返信する。

    『中也の家に行くよ。今すぐ』
     ピコン 返信したら直ぐにまた返信。
    『まだ仕事中だろうが 働いてから来い』
     中也らしい返信に、太宰は思わず笑みを漏らす。『解ったよ』と返信をした太宰は
    「よし!人助けに行ってこよう!」端末を衣嚢にしまうと意気揚揚と街へ向かった。

    ───

     太宰は中也のセーフハウスに着いたが呼び鈴を鳴らせないでいた。
     部屋の中から香る料理の匂いに戸惑っていたからだ。
     あの子と食べる料理なのかな‥‥でもこの匂いは。

    「ふう」
     太宰は息を整えてから、しっかりとした力で呼び鈴を鳴らした。

     ピンポーン
     
     部屋の中から見知った気配が近付いてくる

     ガチャリ

    「やあ中也」
    「おう、上がれよ」
     
     何時もと変わらない様で、何処か緊張した様子の中也に太宰も落ち着かない。
     廊下を歩く中也の後ろ姿が愛おしくて今すぐ抱きしめたいと思う気持ちを堪えながら太宰は黙って歩いた。
     太宰はリビングに入り辺りをキョロキョロと見回した。
    「‥‥彼女さんは?」
    「あ?ああ、いねぇよ」
     太宰は中也の言葉に安堵したが、微かに感じる彼女の香りに胸がざわついた。

    「飯食うだろ?」
     リビングの横のキッチンから中也が尋ねる。
    「えっ、いいの?‥‥あの子も一緒?」
    「いや、帰ってこねぇよ」
    「そうなんだ‥‥中也の料理久しぶりに食べるね」
     太宰はゆっくりとキッチンに近付いて中也の後ろ姿を眺めた。
     手際よく食事の準備をする中也が愛おしくて堪らない。
    「‥‥視線が五月蝿ぇ」
     太宰の視線に堪えられなくなった中也は太宰を振り返ることなく言葉を投げた。
     そんな中也の耳がほんのり赤くなっている事に気付いた太宰は、今、この手で中也を抱きしめられない事に胸を焦がした。
    「だって‥‥久しぶりに近くで中也を見れるんだもの。そりゃ五月蝿い位見ちゃうよ」
    「‥‥皿、持っていけよ」
     太宰の言葉には応えずに中也は料理をダイニングに運びだした。

    「「いただきます」」
     食卓に着いた二人は手を合わせて食事を始めた。中也と食事をする時は何時も手を合わせていたなぁ、と思い出しながら太宰は箸を持った。
    「こんなに沢山の蟹料理‥‥嬉しいよ」
     余計な事を云って追い出されたくない太宰は手探りで言葉を吐き出す。
    「‥‥おう」
     
     黙々と食事をする中也や見つめる太宰は手は強く握られていた。

     中也からの話って何だろう。
     この食事の意味も解らない‥‥もし、私との最後の食事だとしたら‥‥もし、あの子と結婚するなんて云われたら‥‥どうしよう。
     私は祝福してなんてあげれない。
     あの子を殺してしまうかもしれない。

     だって、中也は私のものだから。

     私だけの中也なのだから。

    「おい!」
     中也の声に思考の渦から戻ってきた太宰を見て中也は呆れた様に溜息を吐いた。
    「探偵社員がンな人を殺しそうな目してンじゃねぇよ」
    「‥‥だって」
    「あ?」
     怖くて聞きたくない、でも
    「中也‥‥話って何?」

     意を決して太宰は中也をまっすぐ見つめる。その眼差しを受け、中也は静かに目を閉じた。
    そして、ゆっくり目を開けると中也も太宰を真っ直ぐ見つめた。

    「俺は‥‥」
    「‥‥」
    「‥‥俺は女遊びする太宰が嫌いだ」
     中也の言葉を聴いた太宰は椅子から立ち上がる。
    「!中也、あのね」
    「黙って聴いてろ!」
     そんな太宰を一喝した中也は太宰に座れと命令し、太宰は素直に椅子に座り直した。

    「女の匂いがする太宰が嫌いだ。女の匂いをさせながら俺に触れてくる太宰が嫌いだ。俺だけを愛さない太宰が嫌いだ。そして‥‥女に嫉妬してる俺も嫌いだ。俺が女だったら大事にしてくれたのかもと思う俺も嫌いだ。接吻キスは俺だけにしかしないって云ったのに‥‥嘘つきな手前が大嫌いだ」

     睨みながら言葉を放っていた中也の顔が次第に苦し気になり、その目には涙が。涙は中也の意思とは関係なく頬を伝って落ちていった。
    「中也」
    「‥無理だ。悪い、今日はもう帰ってくれ」

     中也は勢いよく椅子から立ち上がるとリビングから出ていこうとした。
    「待って!」
     慌てて中也を追った太宰は中也を後ろから抱きしめた。
    「ごめん、ごめんね中也」
    「‥‥離せ」
    「嫌だ」
     太宰は中也を抱きしめる手の力を弱め、優しく此方に振り向かせた。
     涙が止まらず、中也の目は赤く潤んでいた。そんな中也の目蓋に口付けを落とした太宰は中也を正面から抱きしめた。
    「私が愛してるのは中也だけだよ。接吻もね、気持ちいいなと思うのは中也だけ。中也とする接吻は甘くて蕩けるんだ。甘くて甘くて、もっと欲しくなる。こんなに愛おしいと思いながら接吻をするのは中也にだけ。中也にだけなんだ」
    「‥‥‥‥」
    「私との接吻を中也は大事にしていてくれたんだね、私との接吻を嬉しく思い、私の愛を信じてくれていたんだね。そんな可愛い事考えていてくれたのに、最低だね、私は」
    「‥‥ちげぇよ」
     言葉では否定しているが、中也の手は太宰のシャツをギュッと握っていた。
    「もう、違わないでしょ?」
    「五月蝿ぇ。愛してるのが俺だけなら何で他の女と接吻したんだよ」
    「‥‥嫉妬、して欲しくて」
    「‥‥は?」
    「女の子と接吻したのは中也に嫉妬して欲しかったの!女の子と浮気したって知らん顔の中也に嫉妬して欲しかったんだよ。私最低だよね。ごめん。でもこれだけは信じて?私はずっと中也を愛してるよ。本当だよ?愛しているのは中也だけ。中也もそうでしょ?」
    「太宰‥‥」
     中也はシャツを握りしめていた手をそっと離した。そしてゆっくり太宰を見上げる。
     その顔は‥‥歪んでいた。

    「手前、マジでクソだな」
    「中也?今大事な所だよね!?そんな可愛くない科白を吐く所ではないよ!」
    「いや、ちょっと引いたわ」
    「ん!?中也!?」
    「クソだとは思ってたが此処まで人間失格野郎だったとは」
    「おーい!中也くん??」
    「‥‥よりを戻すのはちょっと考えさせ「駄目!」」

     太宰は中也の頬を両手で包むと
    「中也!私誓うから!もう二度と女の子に声かけな‥‥いや、うん、あのね」
    「おい、誓えよ」
    「ち、誓うよ。女の子とは遊ばないから!」
    「女に声かけないって云おうとしてただろ?変えンなよ!」
    「いや、私が女の人に声をかけるのは息をするのと同じだから」
    「じゃあ息すンな、ンで死ね!」
    「ちょっと落ち着こう!何であんないい雰囲気だったのにこうなるの!?」
    「手前のせいだろうが!」
    「だって」
    「おい!太宰!」
    「な、何さ」
    「‥‥一回しか云わねぇからな」
    「え?」
    「俺に許して欲しいなら俺が今から云うこと守れよ」
    「‥‥解ったよ」
    「太宰、俺以外の奴と寝るな、接吻なんてもっての他だ」
    「勿論だよ!」
    「仕事は真面目にやれ」
    「ん?」
    「自殺は週一だな」
    「中也くん?」
    「あとは」
    「まだあるの!?」
    「手前が愛していいのは俺だけだ」

     顔を真っ赤にしながらも目を逸らさず、太宰を見つめる中也に太宰の頬も緩む。

    「うん、私が愛するのは中也だけ」
    「‥‥太宰、愛してる」
     聞き逃してしまう程の小さな声だが、中也の愛の言葉は太宰の心にしっかり届いていた。
    「ふふ、私もだよ。中也愛してる」

     太宰は中也を優しく抱きしめた。

    「中也、接吻したい」
    「‥‥」
    「中也、接吻したい」
    「‥‥」
    「中也、接吻」
    「す、すればいいだろ!」
    「違うでしょ?中也、接吻したい」
    「手前‥‥」
    「中也、接吻したい」
    「‥‥俺も、接吻したい」
    「よく出来ました」

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