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    hiko_kougyoku

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    hiko_kougyoku

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    若やまささ+雨緒紀……他
    「痛みと慈しみ」④
    ※雨緒紀の物語・完結編
    ※やまささと言い張る。
    ※捏造あり。かなり自由に描きました。
    ※名前付きのモブ有。
    ※途中流血・暴力描写あり。

    痛みと慈しみ④  5

     死者が何かを語ることはないものの、今はその墓に向かって問いかけたい心持ちだった――長次郎はどこに行った、と。
     北流魂街七十五区に再び足を踏み入れた雨緒紀は、長次郎の霊圧を追って昨日と同じく作兵衛の墓前へと訪れていた。目に映る景色も鼻腔をくすぐる枯れ葉の匂いも何一つ変わらないはずなのに、雨緒紀の胸は凪いだ湖面のようだった昨日とは違い、燻っていた熾火の熱を思わせる静かな滾りを湛えている。その滾りが皮膚を這い上がる痺れとなり、霧散する霊圧の残滓を知覚すると、雨緒紀は自分の顔から表情が失せてゆくのを感じた。
     不自然に途絶えた霊圧は、長次郎がこの場所で消息を絶ったことを物語っていた。しかも自分の意思ではなく、誰かの手によって。ならば誰が、一体何のために? 次々と浮かび上がる新たな疑問に、いっそふもとの集落をしらみつぶしに探すかと考えていた時だった。作兵衛の墓の傍に立つクヌギの木の後ろから男が一人、顔を出したのだ。
     ずんぐりとした丸顔の男の、薄く開いた唇から見える口内には前歯がなかった。誰だ、こいつは。まるで自分を待っていたように都合よく表れた……。見覚えのない男に訝しんでいると、丸顔の男は唐突に「誰かをお探しかい?」と尋ねてきた。
    「……ああ、人を探している。薄い色の着流しを着た、若い男だ。昨日ここで会ったのを最後に、どこかへ行ってしまったようだ」
     突然目の前に現れた、どこか怪しい雰囲気を醸し出す男にどう答えようか迷った雨緒紀だったが、ここは素直に質問に答えることにした。その答えを予見していたのか、にたりと口元を歪めて満足げに笑った男は「知ってる」と答える。
    「白い髪のガキだろ? 山を下りて最初の家に入っていくのを見たぜ」
     入っていくのを見た? 霊圧はここで切れているというのに……。男の返答に頭の片隅で引っかかっていた不審が加速してゆくのを感じたが、今は長次郎を見つけ出すのが先だ。心情を顔に出さぬよう唇を引き結んだ雨緒紀は、金銭や物といった見返りを要求する素振りを見せない男へもう一度目を向ける。男は薄気味悪い笑みをそのままに、じっとこちらを見つめている。
    「……情報、感謝する」
     一言そう言ってその場を去ったが、べっとりと背中にまとわりつく嫌な視線はしばらく消えることがなかった。


     丸顔の言っていた家というのは、昨日雨緒紀が山を出た時に見たあの民家のことだった。家と呼ぶにこじんまりとしており、強いて言えば小屋という表現の方が適しているその建物はしんと静まり返っており、人の気配を感じられなかった。
     本当にこんな場所に長次郎が? 疑問に思いながら離れた場所でしばらく様子をうかがっていたが、やがて雨緒紀は足音を立てずに家へと近寄り、周囲をぐるりと一周する。入り口は南側、格子窓が東と北にそれぞれ一つずつ。家の裏手には他の家がそうしているように薪がうず高く積み上げられており、建物に遮られているせいで日の当たらない地面は冷たく湿って色が濃く、うっすらと苔が生えている。人目を避けるようにひっそりと建っていることを除けば、何の変哲もない家。しかし先ほどから背筋を撫でるこのおどろおどろしさは一体どこから流れてくるのだろうか……。
     雨緒紀は東の格子窓の下にしゃがみ込むと被っていた笠をわずかに持ち上げ、視界を広げる。眼前に広がる山には葉が落ち、丸裸になった木々がその痩せた幹をさらして佇立している。そのうちの一本の枝先には数枚、目が覚めるような朱の紅葉が最後とばかりに風に揺られており、その極彩を目に焼き付けた雨緒紀は肺の空気を入れ替えるため一度だけ大きく深呼吸をする。滞留していた不穏を吐き出すと、四方に神経を張り巡らせたまま立ち上がり、格子の間から家の内部を覗き込んだ。
     入り口が閉められ、日の入らない室内には薄い闇が立ちこめていた。その闇の中、しつらえられた囲炉裏と置かれた燭台が一層濃い影を浮かび上がらせているだけで、誰かが居る様子はない。あの男にからかわれたのか? 思いながら視線をずらし、部屋の奥に目を向けた時だった。何かが床に横たわっているのが飛び込んできて、心臓を鷲掴みにされた。
     暗がりには不釣り合いな淡い色合いが、雨緒紀の網膜にゆっくりと染み込んでゆく。良く晴れた秋の空を思わせる白藍色の着流しを着た人間が、四肢を投げ出して仰臥しているのだ。ぴくりとも動かないその頭部には筵(むしろ)が掛けられており、死者を葬る時を思わせる光景に血の気が引くのを感じた雨緒紀は、競り上がる焦燥のまま家の入り口を開け放ち、中へと踏み込んだ。
    「長次郎!」
     駆け寄って膝をつき、横たわる体を注意深く観察する。微かに上下する胸郭が呼吸をしていることを教えてくれてひとまず安堵した雨緒紀は、その顔を見ようと筵に手を掛ける。だが、ふと視界の端に入った手を見て差し込まれた違和感に、めくり上げようとした腕を硬直させた。
     日に焼けて浅黒い手は前腕まで傷が絶えず、鍛錬によるまめがあるものの白さが際立つ長次郎の手とはおおよそ異なる様相だった。ごくりと生唾を呑んで下腿を見ると、そこも同じように黒く、土で汚れた足には履いているはずの足袋がなかった。
     本能的に飛び退いたのと、横たわっていた男が筵を跳ね除けて起き上がったのはほぼ同時だった。薄闇に露わになった顔は長次郎のものではない。両腕を突き出し、一直線に睨みつけてきた男は死に物狂いの形相で雨緒紀に飛び掛かって来た。かっと見開いた目には底なしの怯えが見て取れ、八の字に下がる眉と相まって止めようのない恐怖を押し込めているように感じた雨緒紀は、それが男の本質だと悟ると斬魄刀の柄に右手を掛ける。
     その動作を見た男が体をこわばらせ、体勢を崩した一瞬を見逃すことはしなかった。刀から離した右手を振り抜き、情けなく歪んだ顔を横から力いっぱい殴りつけると、男は低い呻き声を漏らして床に倒れ込んだ。頭を押さえる男を放置して建物から出ようと振り向く。
     まず目に飛び込んできたのは戸口に立ち塞がる二つの影。逆光の中でも分かるほど醜悪な笑みを刻むその顔は間違いなく先ほど山中で雨緒紀に声を掛けた丸顔の男だった。もう一人の四角顔の男が鎌を手にしているのが見えたが、雨緒紀は躊躇うことなく地面を蹴り、二人へと駆け出した。
     真っ向から立ち向かってくる雨緒紀を捉えた男たちの目に、殺意が灯る。直後に鈍い光が閃き、男が鎌を振り上げるとどうするべきか考えるよりも先に体が反応した。踏み出した足に力を込めて立ち止まり、鼻先を滑る刃をやり過ごすと鞘から斬魄刀を抜き、居合切りの要領で鎌を弾き飛ばした。
     ごとん、と天井で物が跳ねる音がする。顔を上げ、男が動揺を浮かべたのを確かめた雨緒紀は、前ががら空きになった男の体に渾身の体当たりをお見舞いしてやった。
     被っていた笠が落ちてゆくのを目の端にしながら、男たちを見る。突然の衝撃に体勢を立て直すことができなかった四角顔の男は、数歩ふらりと後ずさると支えようと手を伸ばした丸顔の男を巻き込んで倒れ、揃って地面に転がった。その無様な姿を確かめてから家を出ると、更に別の男が立っていることに気付き、雨緒紀は足を止めた。
     地面から伸びるように立っていた男の、その右目は潰れていた。残った左目はしかめられ、嘲笑とも愉悦とも取れる醜怪な表情を浮かべた男は、飛び出してきた雨緒紀を一瞥するとすぐに家の中へと目を向け、あからさまな舌打ちをしてみせた。
    「亀之助のやつ、しくじりやがって」
     家の中で呻く男に向かって忌々しげに吐き捨てると「市六さん、すいやせん」というか細い声が返ってくる。その間にも幾分か冷静さを取り戻した丸顔と四角顔が立ち上がり、こちらを睨んでいた。前方に三人、背後に亀之助。四人か、と口内で呟くと、目に険を乗せて市六と呼ばれた男を見返した。市六はにやりと笑う。
    「ずいぶん派手にやってくれたじゃねぇか」
     雨緒紀はそれには答えなかった。「単刀直入に聞く。あの着流しの持ち主はどこだ?」と無表情を保ったまま尋ねると、市六はねっとりとした声でただ一言「さあな」と言った。
    「わざわざ仲間を囮にして私を引き付けるなど、手の込んだことをしたものだ。お前たちの目的はなんだ」
    「知りたければ山本重國を連れてこい。首だけでもいいぜ」
     せせら笑う声を聞き、雨緒紀は自分の眉間の皺が深くなるのが分かった。
    「……なるほど。長次郎をさらったのはそういうことか。だがその要求は呑めない」
    「山本がガキ一人のために来るわけねえよな」
    「知らないのか? お前たちがさらったガキはただのガキではない。山本の右腕だ」
     雨緒紀が言い放つと、市六は瞠目して「なに?」と唸った。面食らった様子の顔に、今度は雨緒紀のほうが余裕の笑みを見せる。
    「長次郎が危険と知れば、山本は即座にここに来てくれるだろう。しかし右腕を奪われたあいつは厄介だぞ? それこそお前たちなど……」
     刹那、すぐ後ろで奇声が弾け、雨緒紀の言葉を遮った。振り返ると床に伏していたはずの亀之助が大仰な構えで棒を振り上げ、猛然と突き進んで来たのだ。恐慌状態になっているのか、乱れた髪の下の顔には混迷と戦慄が貼りついており、逸る亀之助は勢いだけを頼りに雨緒紀の脳天に棒を叩き込もうとする。
     捨て身の攻勢を冷静に見つめていた雨緒紀は、軽く息を止めると一歩だけ横にずれ、猛攻をひらりとかわした。勢いを止めることができずに前のめりになった亀之助がえ、と呆けた顔をしたのは一瞬のことで、素早くその腕を掴んで捻り上げた雨緒紀は、手から落ちた棒きれが地面に落ちる音を聞く前に背後から刀を首筋に押し当てていた。
    「亀之助!」
     丸顔の男が声を上げる。あっという間のできごとにすっかり青くなった顔をねめつけると、雨緒紀は肺に澱んだ空気をぶちまけるように、朗々と言い放った。
    「山本は……いや、我らは決して小悪党の要求には屈しない」
     左側に家が来るように構えた雨緒紀は、亀之助を引き寄せ、外壁に沿いながら後ろに下がる。長次郎がどうなっているか分からない状況で、いくら刀を持っているとはいえ四人を相手にするのは分が悪い。人質をとることと、家という障害物を利用して左側からの攻撃を殺すことに成功すると、三人がいる右前方のみに注意を向けながら雨緒紀は周囲に鋭い視線を放つ。
    「この男を助けたくば、お前たちがさらったガキを……長次郎を連れてこい」
     声が響き渡ると、男たちは緊張のあまり顔から表情を消し去った。

      *

     そろそろ昼になろうかという頃。各隊舎を回っていた金勒は、七番隊舎の門前で思わぬ人物を見つけ足を止めた。
    「尾花、こんなところでうろうろしてるなんて珍しい。どうした」
     呼び止められた弾児郎は、見つかったとばかりにばつの悪そうな顔を浮かべると、頬を掻きながら「ええと、ちょっと散歩かなぁ?」と首を傾げた。自分のことにも関わらず曖昧な言い方に相変わらずの大雑把さを垣間見た金勒は「俺に聞くな」とため息交じりに返す。今度はふにゃりと気の抜ける笑みを見せた弾児郎に、それ以上小言を言う気も失せてしまった。
    「お前も長次郎が心配なのか?」
     おもむろに尋ねると、弾児郎は笑顔をそのままにこちらを見返す。細められた目の奥には、悪戯が見つかった子どもの光が宿っている。そのまつ毛がわずかに伏せられ、曇りのない瞳の表面に薄い影が落ちると、それまで漂っていた明朗さが落ちてゆくのを感じ、金勒は無意識に羽織の下で腕を組んだ。
    「確かに長次郎も心配だけどな、おれは雨緒紀のことも気になる」
    「王途川か?」
    「あいつ、痛くても痛いって言わないし、自分のことを考えない意地っ張りだから……」
     確かに雨緒紀は自らを語るような人間ではない。己の考えは語るが思いは語らないと言うべきだろうか。心の奥底にしまい込んだ情を押し殺し、そこから目を背け、偽り、そうして孤高を求めていた雨緒紀。しかし先ほど少し腫れた頬を見た時に、護廷十三隊の道理を見極める男の中で何かが変わったと金勒は確信した。
     凛とした光を湛える瞳は、長次郎が元柳斎への忠節を口にする時の光に似ている。己の進む道を見つけ、走り出そうとしている人間が持つ魂の灯だ。
    「確かにあいつは一人で無茶をしがちだ。この間の件も周りが見えなくなっていたように思える。だが今回は大丈夫だろう。あの王途川が山本に行かせてくれと懇願し、頭まで下げたんだ。あれには驚いた。執行が王途川に何かしたんだろう?」
     断定的な口調で尋ねると「まあ、ちょっとな」と苦笑交じりの声が聞こえる。
    「その乃武綱を焚きつけたのはお前だろ?」
     お互い様だと言わんばかりに片眉を上げた弾児郎を、金勒は無言で見つめ返した。背中に衝撃が走ったのは、弾児郎がにやと唇を歪め、こちらの腹を探るような不敵な笑みを浮かべたのとほぼ同時だった。背中を思い切り叩かれたのだ。
    「おかげで乃武綱も大人しくなってくれたんだ。なかなかやるな」
    「褒めても何も出んぞ」
     弾児郎の調子に合わせて言ってのければ、豪快な笑い声が返って来た。こいつは雨緒紀と違って裏表がなくてやりやすい。そう思っていると、ひとしきり笑った弾児郎が「で、お前も散歩か?」と訊いてきた。「落ち着かないって顔してるぞ」と続けられた言葉に自分の内心を読み取られた気分になった金勒は、同じくして当初の目的を思い出した。
    「否定はしない。あとは山本からの伝言だ。そろそろ四楓院が戻ってくるから、集まれる隊長は一番隊舎に集まれとのこと。それを伝えに回っていたんだ」
     すると、弾児郎の笑みが凍りつき、一瞬のうちに焦りがあらわになる。何か不都合でもあるのか? 差し込まれた疑問の正体を明確にすることができない金勒は、ひっかかるものを感じながらも指摘しなかった。
    「俺は執行に伝えてから向かう。お前は先に行け」
     言いながら七番隊舎の門をくぐろうとした時だった。本格的に慌てだした弾児郎がまずいという顔をすると金勒の前に回り込み、通せんぼのように両手を広げて立ち塞がった。
    「乃武綱は、溜まった報告書を片付けるから一人にしてくれって言って部屋に籠ってる。声を掛けちゃ駄目だ」
     いかにも怪しい話に、頭の中の疑念が膨張してゆく。今度こそおかしいと確信した金勒は、さっきから冷や汗を垂らす弾児郎を凝視する。
    「あいつに限ってそんなことはありえん。お前、何か隠してるな?」
     低く唸ると、鋭い視線に耐えられなくなったのか弾児郎は気まずそうに目を逸らし、明後日の方向を向いてしまった。その一瞬を隙と見て弾児郎をぐっと押しのけた金勒は、あっ! と不意を突かれた短い声が上がるのを耳にしながら七番隊舎へと駆け込む。続けざまに「行くなって!」と必死な声が飛んでくるが構うことなく庭へと回り込み、縁側へと上がり、乃武綱の部屋の障子戸を勢いよく開け放った。
     そこにいるべき長躯はなく、薄暗い部屋はがらんと静まりかえっていた。一歩二歩と室内へ踏み込むと、足袋が畳を擦る音だけが鼓膜を揺らし、その物寂しさに拍車をかける。
     嫌な予感はしていたものの、実際に目の当たりにすると真っ白になった思考をどうすることもできず、呆然と立ち尽くすことしかできなかった。だがすぐに現実に戻ると、競り上がる苛立ちを顔に滲ませ、机の上に散らかしたままの書類と、傍らに置かれた墨が乾ききった硯を睨みつけた。
    「そういうことか」
     呟いた言葉に、自分の眉間に刻まれた皺が一層深くなる。
    「あれほど言ったのに……あの馬鹿、抜け出しやがったな!」
     無人の空間に、怒気を孕んだ金勒の声が響く。すぐ後ろでは追いついた弾児郎が、見つかってしまったとばかりに息を吐く音が聞こえた。

    《続く》
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    hiko_kougyoku

    DONE若やまささ+千日、逆骨
    「世のため人のため飯のため」④
    ※やまささと言い張る。
    ※捏造あり。かなり自由に書きました。
    ※名前付きのモブあり。
    世のため人のため飯のため④  4

     逆骨の霊圧を辿ろうと意識を集中させるも、それらしき気配を捕まえることは叶わなかった。そういう時に考えられるのは、何らかの理由で相手が戦闘不能になった場合――そこには死亡も含まれる――だが、老齢とはいえ、隊長格である逆骨が一般人相手に敗北するなどまずあり得ない。となると、残るは本人が意識的に霊圧を抑えている可能性か……。何故わざわざ自分を見つけにくくするようなことを、と懐疑半分、不満半分のぼやきを内心で吐きながら、長次郎は屋敷をあてもなく進む。
     なるべく使用人の目に触れないよう、人が少なそうな箇所を選んで探索するも、いかんせん数が多いのか、何度か使用人たちと鉢合わせるはめになってしまった。そのたびに長次郎は心臓を縮ませながらも人の良い笑みを浮かべ、「清顕殿を探しております」とその場しのぎの口上でやり過ごしているうちに元いた部屋から離れてゆき、広大な庭が目の前に現れた。どうやら表である門の方ではなく、敷地の裏手へと出たようだ。
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