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    さいさい

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    さいさい

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    Z4後捏造Integ後

    Distiller(仮)-1元凶(過去ツイ、アカウント消去):
    ・いいこと思いついた 未来の私、複製vsガワだけ複製書いてみろきっと読みたいはずだぜ(私が)12:51 PM · Sep 28, 2022 @ctabyaEphemeral
    ・突如NA地下で目覚めたピュンパくん(生還幻覚)がフワッとしたトムさんの助言を元にエックスさま探して三千里したり海に行ったり山に行ったりアクティビティを満喫しながら何らかの陰謀に巻き込まれていく回(存在しません)7:15 PM · Sep 28, 2022 @ctabyaEphemeral

    元凶のネタまで全く届いてないけど書き始めたところまで。
    下書き状態です。



    「まさか排熱性能まで使い物にならないとは思ってなかったよ」
    率直な感想を漏らすとシエルからは本当に申し訳なさそうに謝罪された。機体性能を過信していた自分のミスだ。別に責める気はなく、本当にただの感想のつもりだったが、かえってそれが気にさせたようだ。
    「半日以上も赤道直下にいるなんて思ってなかったのよ。しかも直射日光のあたる環境でしょう? 何にしても考慮漏れね。どうする? 銅板でも貼っておく?」
    銀はすぐ手に入らなくて。シエルはそう言いながら放熱板として使えそうな素材を探すために工具箱を漁っている。いくらパーツを追加しようが耐久限度を超えれば何の意味もない。そもそもは何の対策もなく炎天下をうろついていたことが発端だ。日光を遮るようなものはなく、おまけに無風という悪条件が重なり、呆気なく熱暴走を起こして砂漠の真ん中で行き倒れる羽目になった。突然こちらの応答が止まりアラートが上がった瞬間に何もかも放り出してシエルが駆けつけてきた。曰く、「物凄いスピードで」走らせてきた四輪駆動車で無事回収されたというわけだ。
    彼女が焦るのも無理はない。半年前の事件以降、何かあった時のためにと死活監視とデッドマン装置を取り付けたせいだ。予告なしにこちらの生存応答が途絶えて一定期間が経過すれば、人格を為すモジュール全てが破壊され配線は一つ残らず焼き切れる。当然そのタイムリミットを超える前にその処理を止めなければ本当に死んでしまう。一定期間、というのはどのくらいだかシエル以外に誰も知らない。自分を含め、下手に知られれば逆にその状態を利用される可能性があったからだ。
    当初は再度自爆機構を組み入れさせるつもりだったが、あのエルフが頑として首を縦に振らなかった。そのせいでいつ終わるとも解らない水掛け論が延々続き、結局、シエルが仕方なく出した折衷案を飲んで双方折れるまでに季節は春から夏に変わっていた。しかしそれはもういい。少なくとも『エックス』という人格を誰にも利用させないための目的は達成している。
    「しばらく出歩くのは止めておこう。それならキミの手を煩わせることもないだろう」
    「そう。なら何もしないでおくけれど……ここにいるなら作業部屋に隠れていた方がいいわね。そして一切顔を出さないこと。じゃないとあなたの熱狂的なファンが押し掛けてきちゃうから」
    それを聞いて思わず苦笑いした。熱狂的なファンと生温く言い換えているが、その実過激なネオ・アルカディア再興派の襲撃を指している。ラボの付近一帯に住む住民達は比較的シエルを慮ってかこちらの所在を知らぬ存ぜぬで通しており、よしんばここへ戻っていても外部に漏れることがないよう大っぴらに騒いだりなどしない。
    そのはずが一度だけ、ここにいる間にどこからか嗅ぎ付けたらしい群衆が何十人と押しかけてきたのだった。ほとんどは『エックス様』への謁見を希望する善良な一般市民だったが、その中には過激派も混じっていたらしくあわや大惨事になるところだったそうだ。朝方疲れた顔で戻ってきたシエルは煙ですすけており、ゼロに至っては応急処置と思わしきダクトテープが至る所に貼られていた。それを見、驚愕のあまり思考が数秒完全に止まってしまっていた。騒ぎになっていた夜間、ずっと呑気にメンテナンスを受けていたせいで何一つ気付くことが出来なかった。そのことは未だに後味悪く記憶にこびりついている。
    本当ならあまりここに居たくはないが、他に留まる場所もない。十分気を払うしかないだろう。
    「解ったよ。エルフにも来るなと言っておく」
    「あ、ちょっと待って。海に行くのはどう? あまり人が来ない静かな場所よ」
    長い長い夏が始まる。たまには休暇も悪くない。

    (おそらく続く)
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    さいさい

    PAST初出時のものです。https://www.pixiv.net/artworks/33511860(現在非公開)のキャプションとして載せた文章。RZ1前捏造
    Scapegoat(初期版)ユグドラシルへは公務の合間を縫って一度だけ踏み入ったことがある。自分の「オリジナル」がどういうレプリロイドであったのかを確かめるために。ネオ・アルカディアの最深部にあるというそれは巨大な機械仕掛けの大樹だった。驚くほど簡単に目的のレプリロイドは見つかった。大樹の根本に埋められるようにして、そいつはひっそりと目を閉じていた。自分に瓜二つであった。部品も、装甲も、造形も何もかも全てが。なんだ、こんなものか、と思った。同じ言葉を声に出して言った。「なんだ、こんなものか。」「こんなって、それはひどいな。」どこからか声がする。ネオ・アルカディアに属する者でもここはほんの一部の者しか立ち入ることは出来ないはずの場所に、誰かが潜んでいることなど有り得ない。思わず周囲を見回すと、弱々しく今にも消えそうなエルフが一体居た。「返事をしたのはキミかい」まるでそうだ、とでも言いたげにエルフが体を揺らせた。「キミがエックスだね」なんだ、このなれなれしいエルフは。思わず顔をしかめると、エルフは悪びれもなく、まだこの世界に来てから間もなくて右も左も分からないんだと、そう言ってのけた。本当に自分が話している相手がどこの誰かもわからないようだ。仕方なしに名乗りを上げた。「ボクがこのネオ・アルカディアの統治者エックスだ。失礼な言動は謹んでもらおうか。さて、エルフ。キミは何者だい。返答次第ではただでは済まさないぞ」エルフはしばらく考えていたようだったが、やがてこう言った。「ボクに名前なんかないんだ。ずっとここにいたんだもの。エックスさまが来てくれたから、これでやっとボクは外に出られるよ」体を揺らし、あまりにも無邪気にそういうものだから、拍子抜けしてしまった。もしかしたらこのエルフはオリジナル・エックスが封印された時、巻き添えを食ってしまった哀れな者なのかもしれない。それ以上相手にする気は失せてしまい、捕まえて外に出してやることにした。敵対意志を持っていないエルフの一体くらい外に放しても問題はないだろう。「ありがとう、ボクを外に出してくれて。エックスさま、大変だろうけどそんなに気負わないでね。」エルフは言うだけ言ってふっと姿を消した。全く、変なエルフだった。それからずっと後になって気づいたが、あれが本物の「エックス」だったのではないだろうか。もし仮にそうだったとしても、あの言葉は今も理解できずにいる。
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