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    さいさい

    なんでもかんでも

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    POIPOI 24

    さいさい

    PAST初出時のものです。https://www.pixiv.net/artworks/33511860(現在非公開)のキャプションとして載せた文章。RZ1前捏造
    Scapegoat(初期版)ユグドラシルへは公務の合間を縫って一度だけ踏み入ったことがある。自分の「オリジナル」がどういうレプリロイドであったのかを確かめるために。ネオ・アルカディアの最深部にあるというそれは巨大な機械仕掛けの大樹だった。驚くほど簡単に目的のレプリロイドは見つかった。大樹の根本に埋められるようにして、そいつはひっそりと目を閉じていた。自分に瓜二つであった。部品も、装甲も、造形も何もかも全てが。なんだ、こんなものか、と思った。同じ言葉を声に出して言った。「なんだ、こんなものか。」「こんなって、それはひどいな。」どこからか声がする。ネオ・アルカディアに属する者でもここはほんの一部の者しか立ち入ることは出来ないはずの場所に、誰かが潜んでいることなど有り得ない。思わず周囲を見回すと、弱々しく今にも消えそうなエルフが一体居た。「返事をしたのはキミかい」まるでそうだ、とでも言いたげにエルフが体を揺らせた。「キミがエックスだね」なんだ、このなれなれしいエルフは。思わず顔をしかめると、エルフは悪びれもなく、まだこの世界に来てから間もなくて右も左も分からないんだと、そう言ってのけた。本当に自分が話している相手がどこの誰かもわからないようだ。仕方なしに名乗りを上げた。「ボクがこのネオ・アルカディアの統治者エックスだ。失礼な言動は謹んでもらおうか。さて、エルフ。キミは何者だい。返答次第ではただでは済まさないぞ」エルフはしばらく考えていたようだったが、やがてこう言った。「ボクに名前なんかないんだ。ずっとここにいたんだもの。エックスさまが来てくれたから、これでやっとボクは外に出られるよ」体を揺らし、あまりにも無邪気にそういうものだから、拍子抜けしてしまった。もしかしたらこのエルフはオリジナル・エックスが封印された時、巻き添えを食ってしまった哀れな者なのかもしれない。それ以上相手にする気は失せてしまい、捕まえて外に出してやることにした。敵対意志を持っていないエルフの一体くらい外に放しても問題はないだろう。「ありがとう、ボクを外に出してくれて。エックスさま、大変だろうけどそんなに気負わないでね。」エルフは言うだけ言ってふっと姿を消した。全く、変なエルフだった。それからずっと後になって気づいたが、あれが本物の「エックス」だったのではないだろうか。もし仮にそうだったとしても、あの言葉は今も理解できずにいる。
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    さいさい

    CAN’T MAKEUndertaleとかいうゲームの二次創作
    リーンカーネーション(序/オルタネート・ブランチ)「行きなよ。もらった可能性がある可能性のお返しに、ぼくはこのドアを開けてあげる。ここに残るのはぼくだけでいい。ぼくが見ているきみたちが本当はただの板に書かれた絵だったとしてももう大丈夫。誰かの思い出と両手にいっぱいの傷とがあれば、夢想でも妄想でも可能性に浸りながら他の誰でもない今ここにいるこのぼくもきっと無限に幸せを噛みしめていられる。ごめんね。ぼくが最悪な目にも最低な目にも遭っていなくて。同じことはできないかもしれないけれど、思い浮かべることならきっとできる。同じ幸福は味わえなくても、その味を想像することだったら多分できるはず。……ほら、ぼくがきみを呼んでる」
    振り向かずに山を下り始めた背中が見えなくなる前にドアを閉じた。何も変わりはせず部屋の中は散らかったままになっている。窓が開きっぱなしのせいで吹き込んだ土埃が薄く積もり、床はどこもざらざらしていた。どこから片付け始めるにしても疲れすぎている。「とりあえず」ぼくはそう呟き、流し台に転がっていたケチャップの空き瓶をごみ箱に突っ込む。何事も何かをしなければ始まらない。
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    さいさい

    PAST多分Int…後の話
    一つだけ本当■Scapegoat#1〜#2前提の話をしています



    「お前……一体どういうつもりで会いに来ていたんだ?」
    「あれ、話したことなかったかな。キミの時間をほんの少しだけもらうために顔を出してたんだ。ボクがいなくなった世界も見ておきたかったしね」
    「それは聞いた。ボクが言っているのはそうじゃない。もっと解りやすく言ってやろう、お前はこのボクを揶揄い嘲るためにわざと無知な振りをしていたのか?」
    「……エックスさま、ボクが何を言ったって信じないだろ?」
    「信じる信じないの話じゃない。質問に答えろ」
    「本当に聞きたい?」
    「答えろ。早く」
    「……いいよ。全部話そう。ボクはキミを騙していた。記憶がないふりをすれば検査も記憶消去も受けずにユグドラシルから出られる可能性が高かったからだ。何の能力もないように振舞えば捕まえて研究する価値さえないと判断されると思ったからだ。事実キミはボクを黙認して、出入り自由に放っておいてくれた。おまけにファントム以外の子どもたちに会わせてくれた。あの頃もうシエルはネオ・アルカディアを出て行ってしまっていたけれど、他の研究者達や技術者達は相変わらずろくでもない研究をやってばかりで前を向こうとすらしないことはよく解った。それからエックスさまの庇護の下、理想郷が繁栄の只中にあることも身に沁みて感じた。どれもエックスを名乗ればできなかったことだ。正しく言えば、キミを通してボクが現実を見るための時間をもらうために隠し通したんだよ」
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