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    エクフェスで出したいのですわ〜〜

    モブエク 寒気でぱっきりとした夜空に、シールのように月が浮かんでいるのが分かる。この時期は景色だけでなく匂いもどこか鮮明で、自分の服から洗剤の香りが微かに漂ってくるのを感じた。
     「今日の月、すごいね」
     「そうだな」
     モブの言葉に、エクボは静かな返事を寄越した。最近は、日が落ちるのもとんと早くなった。文化祭やら何やら、祭りごとが多いからこそか、友達と遊んだ後の静かな帰り道は、妙に悲しくなる。
     暗がりの中で、随分大きくなったエクボの体だけが、淡く、それでいて威圧感すら放ちながら光を発している。最近のエクボは、かなり力がついているらしい。霊幻の除霊依頼を手伝ってやっているうちに霊力をためたのか、日に日に巨大化し、今では小柄なモブの上半身をまるまる飲み込めるほどの図体になってしまった。
     肥大化していく力の割に、最近のエクボは物静かだ。この大きさのエクボとも、ここまで静かなエクボとも一緒に過ごしたことがなかったので、新鮮だった。
     「エクボ、平気?」
     いつもの柔らかく平坦なトーンでモブが言うと、大きな目玉がこっちをぎょろりと見た。
     「ん……何が?」
     「なんか…………元気ないから」
     そう言うと、光球は下を向き、やがてフーーッと長いため息をついた。
     「……冷えてきたな」
     「え?う、うん」
     「こういう時、俺様も結構、人肌恋しくなるんだ」
     「……えっ」
     「あ、変な意味じゃねーし、これ霊幻とかには言うなよ!馬鹿にされるのがオチだろ
     ……不思議だよな、もう人間じゃねーのにな」
     茶化すような言い方だったが、そんなに軽いものじゃないことをモブはよく分かっていた。エクボは上を向いて、張り付いたままの月を見た。随分急にしおらしくなる親友の姿に、モブは小首を傾げる。それでも、大事な友達なので、
     「エクボ、何でも言ってね。僕でよければ、力になるから」
     と、言った。エクボはなんともいえない表情をしてから、やがて喉からしぼりだすように、

     「そ、だな……」

     と、呟いた。
     それが昨日の会話。





     ***





     暗い自室に、突然眩しいほどの光が射し込んで、モブはその眩しさにゆっくりと瞼を開けた。
     「おーい、シゲオ〜!起きろ〜!朝だぞ朝、もうメシ、出来てるってよ」
     馴染み深い声が降ってきたので、その方を向くと、目の前いっぱいに緑が広がった。で、でかい。未だにエクボの、このサイズには慣れない。モブはまなこを擦りながら、「あれ?」と呆けた様子で呟いた。
     「律、今日は来ないんだ。いつも起こしにきてくれるのに」
     「……先に下で飯、食ってるってよ」
     エクボは一拍遅れてから、そう言った。そっか、とモブは言う。
     パジャマ姿で下の階に降りると、確かに食パンが皿の上に乗っかっていた。食卓には、家族全員いる。
     「おはよう。兄さん」
     律が言った。おはよう、と返すと、律は微笑み返した。それで終わった。
     父は仕事前に新聞を読みながら朝飯をかき込む。母親はしばらく忙しない動きで家事をこなしていたが、やがてひと段落ついたのか、卓についた。
     「茂夫、よく噛んで食べなさいね」
     「うん」
     「今日、放課後どこかに遊びに行く?」
     「まだ分からない。決まったら連絡するよ」
     「そう」
     「…………」
     「…………」
     「…………、……?」

     あれ……?今、何か……
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    piyozaku_D

    DOODLEルシファーの手によって生み出された雄の🐮獣人🎸の話です。直接的な描写ありませんが出産・妊娠表現があります。やっぱり🐮パロってミルク出すのが醍醐味なので色々設定盛り込んで🍼出してもらいました。説明文長いかもです。すみません。最後ら辺🍎も喘ぎます。小スカもあります。ご注意ください
    もぉもぉご褒美パニック♡この世には人間と動物。その他に獣人という存在がある。獣人が生まれたのは遥か遠い昔のこと。それは見た目は二足歩行で人間のような立ち姿であるが、角や翼が生えていたり、口吻や嘴があったりと多種多様である。その動物の生態をそのまま受け継ぐことができ、空を飛べる者もいれば、鰭を使い長時間海に潜れる者もいる。
    乳牛の獣人もそのうちの一例である。通常の乳牛同様、生乳を出し、それは牛乳となって色々なところで売られるのだ。だがしかしこれで酪農業界が安定、ということにはならなかった。乳牛獣人を飼育していない酪農家も、乳牛獣人が飼育されている酪農家も経営困難となり潰れるのは珍しい話ではない。雌の個体が圧倒的に少ないのである。通常の乳牛の雄の場合は、肉牛として育てられるが獣人の場合は力仕事としてどこかに体を売られてしまう。このままではまずい。酪農業界の未来が危ない、と皆が嘆いていた闇に光を照らしたのが、酪農業界のベテラン、ルシファーだった。
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