ふたりはマレロロ・ひとりお遊戯肚内巡り 一
むかしむかし、或る小さな国にあまり仲のよくない姉妹がいました。ふたりは国のお姫さまで、先王亡き後協力して国を治めねばなりませんでした。妹は常日頃から姉と仲良くしたいと考えておりましたが、姉が閉した扉を開けることはありませんでした。姉には強大な魔力がありました。しかし、その力を上手く制御できずにおりました。だから誰かを傷つけることがないよう、ひとりぼっちで城の奥深く隠れていようと思ったのです。ところが或る日、小さな国に異国の脅威が襲いかかりました。
閉じこもってばかりもいられないと、姉は扉を開け放ち姉妹は力を合わせて脅威に立ち向かって、国は守られたのでした。力を合わせて闘った事で、春の雪解けのように姉妹のわだかまりは溶け消えて、ふたりで立派に国を治めました。 ――輝石ノ国古典童話集一篇『國護りのふたり姫』より。
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