ずるくて甘い 尸魂界へルキア奪還に向かってからというもの、なんとなく浦原商店からは足が遠のいていた。別に、浦原に言った言葉が本心からでなかったわけではないし、まして浦原を軽蔑したわけでもない。
ただ、浦原が下げた頭を上げて帽子を被る直前に見えた、何かを耐えるような表情が脳裏に焼き付いて離れず、自分でも理解できない焦燥感と胸を焼く感覚をどう扱うべきか分からない。どんな顔をして会えばいいのか分からないだけだ。
だが、それを理由にこれ以上会うことを引き延ばしていると、浦原がどう捉えるのかはなんとなく分かっていた。当然のことをしたからだと冷静に割り切るだろうが、それでも勘違いして欲しくはない。そろそろ何かしら理由でもつけて会いに行くか。
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