ラウグエSS する時のラウダはまるで十代の学生みたいに性急で、激しい。つられて俺も喘いだり叫んだりするから、最中のことはあんまり覚えていなかった。鱗のように浮き上がった赤い火傷の痕が体中を這うように光るのだけが、ずうっと瞼の裏に後を引いてのこる。
「さすがに疲れたな」
「あんなに鍛えてるのに?」
尋ねるラウダの方はあまり息を切らしていない。回した腕で感じる左胸の鼓動も、俺よりゆっくり、規則正しく脈打っている。前は(と言っても比較対象は学生時代の体育の時間とかだけど)こうじゃ無かったから、これもパーメット後遺症、というやつなのかもしれなかった。
「兄さんのこんな風になるなんて、なんか夢みたい」
こんな風、は多分さっきまでの行為諸々を指しているんだろう。その証拠に弟の頬は少し赤らんで、再び火傷の痕が浮き上がりかけていた。
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