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    6時半のラッコ

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    6時半のラッコ

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    TRPG
    「レコードユアレポート」
    (ムーキセキ 著)
    TRPGの探索者ならどなたでも遊べるシナリオです

    記された名前
    ・稲荷田狐

    #TRPG小説
    #TRPG

    レコードユアレポート■タイプライターからの挨拶
    |ではあらためて。ワタシは記録とお喋りが好きなしがないタイプライターだが、しばしよろしくお願いするよ。|
    |あなたのことを記録させて欲しい。|

    狐「僕も似たようなモノだけどね。よろしくお願いしちゃおうかな」


    ■あなたの『名前』
    |最初の質問だ。|
    |まずはあなたの『名前』を教えてもらえるだろうか?|

    狐「稲荷田狐。変わった名前でしょう?同じ名前の方にお会いした事はまだ無いね」


    ■あなたの『世界』について
    |ここには様々な世界からやってくるようでね。これを記録しておかないと。|
    |あなたの言葉で『あなたの住む世界』がどんな場所なのか説明してくれるかい?|

    狐「ごく普通の生活の中に、非日常が舞い込んでくる世界だね。魔法であったり、怪物であったりと、一般常識では理解されないようなモノに遭遇するよ。…そうだなぁ、僕が一番最初に事件に巻き込まれた時は、自殺した方を運ぶ電車に詰め込まれたっけ。そういえばあの時の言葉って、僕にとって重要な約束に繋がるものになってるね…」
    (何かを思い出すかのように背もたれに寄りかかり、ため息と一緒に笑う)
    狐「…ふふっ、死にたがり様、か。綺麗に否定できないから、困るなぁ。なるべく知られたく無いんだけどね」


    ■簡単な自己紹介
    |次は、あなたの基本的なことについて教えて欲しい。つまり『簡単な自己紹介』をというやつだ。|
    |年齢や立場や種族や姿形……。あなたが思う、自分を構成する当たり前のことについて、好きなように記録して欲しい。|
    |後々それについて詳しく尋ねることもあるかもしれないけれども。|

    狐「年齢は三十五歳。職業は探偵だね。種族?人間だよ。もっと言うなら純粋な日本人。見た目は背が高くて痩せ型で、髪の毛は銀色に染めているね。そうだなぁ、よく驚かれるのがこの目の色かな。母親譲りの黄色っぽい目をしている。そんなに珍しい顔立ちではないハズだよ」

    |ではここからは、質問をランダムにしていこう。|
    |ワタシのキーから、好きなアルファベットを選んで欲しい。それに基づく質問をしよう。|
    |とはいえ急に言われても困るだろうから……おすすめの方法としては、先ほど教えてもらったあなたの名前を、アルファベットを順に押していくのはどうだろう。|
    |もちろんそこにあるサイコロを振るのも良いね。|
    |いくつか質問を終えたら、記録を完了させよう。|

    狐「じゃあ、下の名前のkitsuneで行こうかな」


    ■K キット。あなたの使う道具。装備。愛用品。
    |あなたのよく使う道具、愛用品にはどんなものがある?|

    狐「仕事で使用する物にはとにかくタフさを求めてる。探偵業はそんなにお行儀の良い仕事じゃないからね、とにかく頼りになる事が必須条件。後、やたらと嵩張る物も避けるかな。更に付け加えるなら使い捨てても惜しく無い物、悪目立ちしない市販されている物を選んでいる。目立つとそれで追跡しているのがバレるからね」
    狐「趣味で使う物は…。何だろう?これといって愛着のある道具ってあったかな…?人からプレゼントされた物は仕事で持ち歩かない、くらいしか無いかな」

    |あなたの愛用の道具達をどんな風に思う? もしそれが失われたら、あなたは感傷を覚えるのだろうか?|

    狐「…頼れるとは思うけど、壊れたりしても感傷は覚えない。こうハッキリ言葉にすると僕は冷たい人間だね」

    |すまない、少し私情が入ったかもしれない。ワタシも道具だからつい気になってしまってね。次に行こうか|

    狐「お互い少し傷ついたかもね」


    ■I アイ。あなたを示す言葉。一人称。
    |あなたは自分のことを示す時、どんな表現をする?|

    狐「一人称は僕。仕事では私を使うね」

    |どうしてそれを選んだか、覚えているだろうか?|

    (不機嫌そうにタイプライターを一瞥する)
    狐「……子どもでいたかったから。大人になるなんて真っ平ごめんだったから」

    |ワタシがワタシとしたのは、カタカナだとよりマシーンっぽいとおもってね、そういうキャラ付けなのさ。では、次に行こうか|


    ■T トラベル。旅。非日常へ出向くこと。
    |日常活動範囲とは違う場所へ出向くことはあるかい? あなたにとってそれは良いこと?悪いこと?|

    狐「毎日が非日常のようなものだね。活動範囲なんてあって無いようなもの。尾行しろと依頼されたら何処へでも行くよ。…行き先は大概、修羅場か地獄か、犯行現場だけどね」
    狐「それが良いか悪いかは僕には分からないけど…。ただ、前の所長には、もっと外の世界を楽しみなさいって言われるんだけど。…わかんないよ」

    |あなたが今までにした旅で、印象深い出来事や出会いなどがあれば、教えてくれないだろうか。|

    狐「質問の趣旨とは違うんだけど、人生は片道切符の旅だと思っている。色んな人に出会いますよ。良い人にも悪い人にも。尊敬出来る先輩にも、喜びも悲しみも分かち合いたいと思う友人にも…。傷付く事もある旅だけど、もう少し先にまで行けそうな気はしてる」

    |あなたにとって、これも旅なのだろうか? 少なくとも非日常ではありそうだ。では、次の地へ行こうか。|

    狐「長い旅の一幕だね。それもタイプライターと」


    ■S セーブ。維持するもの、守りたいもの。
    |あなた自身を賭してでも、あなたには守りたいもの、守るべきものはあるかい?|

    狐「あるよ」

    |どんなものか、詳しく教えてもらえるだろうか?|

    狐「子どもの幸せ。…極端な事を言うとね、子どもの時に受けた愛情って、その人の一生を左右すると思っているんです。惜しみない愛情はその子の人生を良い方向に導けるし、その逆も然り」
    狐「その子が愛情を欲しがっているなら与えたいし、抱き締めて欲しいなら抱き締めてあげたいし、泣いているんだったら側にいて慰めてあげたい。守られているんだって、感じて欲しい」

    |ちなみにこの記録はいつセーブして中断しても構わなかったりするよ。あなたのペースで進めて欲しい。では、次に行けるなら行こう|

    狐「インクリボンも王様もセーブポイントもいらないね」


    ■U ユニオン。あなたの仲間。
    |仲間はいる? いるならあなたの視点で紹介してもらえないだろうか?|

    狐「一番身近な所からいくと、探偵事務所の人。よく怒られてるよ」
    狐「そうだなぁ、これも仕事といえば仕事なんだけど、早乙女さんと希乃さん」

    狐「まず、早乙女智雪さん。警視庁の捜査一課の刑事さんなんだけど、優しくて、強くて、頼りになる人だよ。早乙女さんを見るとね、僕、すっごく嬉しくなってね、よじ登りたくなっちゃう!僕、だーい好き!」
    狐「…それにね、あの人との約束を守りたいし、あの人自身も守りたい。そう決めてるの」

    狐「次に希乃穂波さん。警視庁捜査一課の鑑識さんだよ。最初こそ怖い人だなーって感じたけど、これが付き合ってみると面白い人なんだよね。仕事熱心な所が結構好きなんだけど、今の所伝える勇気は無いなぁ」
    狐「…いつか、人の生命について聞いてみたいね。きっと何かを教えてくれると思っている」

    狐「えっと…。これは仲間とは違うかもしれないんだけど、もう一人女の子がいるかなぁ」
    狐「藤堂椿ちゃん。探偵の先輩の藤堂和真さんの養女さんだよ。多分、明るく振る舞ってはいるけど、本当は凄く寂しいんじゃないかな…?」
    狐「あの子に関しては、本当に色々思う所があるんだけど…。いつか、いつかね、刹那的な幸せじゃなくて、しっかりと守られていると感じる喜びと安心を知って欲しい。僕と違って、まだ間に合うんだから…」

    |あなたは周りの仲間から、どのように思われていると思う?|

    (足を組み替えて意地悪な笑みを浮かべる)
    狐「あたまのおかしー探偵さん。…僕の素顔は裸を見るより難しいよ」

    |あなたの生きている時間は、きっと一人ではないのだろうね。次に行こうか|

    狐「一人で生きて、一人で死ぬつもりだったんだけどね。いつの間にか、縋りつきたい人も、守りたい人も出来たよ。そうそう、この間は学校の先生にも会ったっけ」


    ■N ネーム。名前。あなたの個体識別名。
    |周りからどのように呼ばれている? コードネームや二つ名などがあれば、それについても教えて欲しい|

    狐「大体は稲荷田さんって呼ばれるかな。下の名前で呼ぶ人はあまりいないね」
    狐「仕事柄偽名を使う事が多いから、そっちを考えるのも一苦労するよ。有名人の名前を拝借したりするけど、さすがに米酢玄師(こめずげんし)は止められたね」

    |あなたの名前の由来や意味、込められた願いは知っている?|

    狐「さぁ、知らない。そんなのあるの?」

    |ワタシにも実は愛称があってね『ミス・タイプライター』という。性別由来ではなく『ミスタイプ』という不吉な意味を付ける厄払いらしい。でもミスタイプは許して欲しい。では、次へ行こう|

    狐「良い厄落としだね」


    ■E エモート。感情表現。
    |あなたの喜怒哀楽には、どのような強弱があるだろうか? 例えば、一番強い感情の種類はどれだと思う?|

    (冷淡な表情でタイプライターを見下ろす)
    狐「…怒りと悲しみじゃないの?」

    |あなたの感情は、どのように発露されることが多い?|

    狐「いつもは饒舌で軽口が絶えないくせに、不機嫌になると途端に無口になる。…後、急に口調が畏まるとも言われたね。言葉に出やすいみたい」
    狐「それと…、気を許した人には、その、甘えたくなったり、意地悪したくなっちゃうかな。アレ、僕、思春期なの?」

    |あなたの様々な表情が見れたらいいのだけど、ワタシには笑わせたり怒らせたりする機能がなくてね。ディスプレイという別の方法があると聞いたからそちらで頼むとするよ。では、次に行こう|

    狐「僕はこちらの方が好き。顔の無い機械から言葉が紡ぎ出されるなんて、なんかロマンチックな気がする」


    ■最後の質問
    |ここまで質問に答えてくれてありがとう。|
    |最後の質問だ。|

    |質問に答えて記録を残したこと、こうやって過ごした時間を、今のあなたはどう思う?|

    狐「楽しかったよ。自分がどういう生き方をしてきたのか、整理出来た気がする」


    ■記録の終わり
    |最後に、ワタシにできないことをあなたに頼みたい。|
    |写真を撮ってくれないだろうか?|

    狐「ふふっ、写真かぁ。良いよ。綺麗に撮れるかな…?」

    |ここまで本当にありがとう。あなたの記録が残せて、ワタシはとても嬉しい|
    |それでは、記録はここまでだ。お疲れ様。|

    狐「お疲れ様。じゃ、またね」
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    ・稲荷田狐
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    |あなたのことを記録させて欲しい。|

    狐「僕も似たようなモノだけどね。よろしくお願いしちゃおうかな」


    ■あなたの『名前』
    |最初の質問だ。|
    |まずはあなたの『名前』を教えてもらえるだろうか?|

    狐「稲荷田狐。変わった名前でしょう?同じ名前の方にお会いした事はまだ無いね」


    ■あなたの『世界』について
    |ここには様々な世界からやってくるようでね。これを記録しておかないと。|
    |あなたの言葉で『あなたの住む世界』がどんな場所なのか説明してくれるかい?|

    狐「ごく普通の生活の中に、非日常が舞い込んでくる世界だね。魔法であったり、怪物であったりと、一般常識では理解されないようなモノに遭遇するよ。…そうだなぁ、僕が一番最初に事件に巻き込まれた時は、自殺した方を運ぶ電車に詰め込まれたっけ。そういえばあの時の言葉って、僕にとって重要な約束に繋がるものになってるね…」
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