「じゃあ俺はこれで」
水上はそう言って片手を上げると、早足で作戦室を出ていく。
「お疲れさん」
「お疲れさんです」
「お疲れさまでーす!」
「気ぃつけや」
皆の返事を受けた背中はどこかウキウキと楽しげに見える。そんな水上を見送ったあと、隠岐は生駒を振り返って首を傾げた。
「水上先輩、最近帰るの早ないですか?」
「実は俺もそー思っててん」
生駒も同様に首を傾げる。2人してハテナを頭に浮かべたとき、南沢が元気よく手を上げた。
「はいはいはーい!おれ知ってます!すわさんと将棋してるらしいです!」
「え、ホンマに?」
「あ、これ言っちゃダメなんだっけ?」
南沢はハッと口に手を当てる。けれどすぐに「まぁもう言っちゃったものは仕方がないですよね!」と舌を出して笑った。「いやアカンやろ」と細井が呆れた視線を向けた。
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