a波音が遠くから寄せては返し、白い砂浜が真昼の太陽に照らされ、きらきらと眩い光を放っていた。空気はじっとりと重く、じりじりと肌を焼くような暑さが、そこに立つ四人の身体を包み込む。
サクッ、と軽やかな音を立て、彼らは甲板から砂浜へと飛び降りた。その背後には、旅を共にしてきた海のオーケストラ号が、波間に揺れながら停泊している。
フレドリクソン、ロッドユール、ヨクサル、そして遥か未来、ムーミンパパとなるムーミン――四人は新たな島の地を踏みしめ、潮の香りに混じる未知の気配に、無言の期待を寄せた。
「数日間、この地で準備を整え、次の航海に備えようか。」
フレドリクソンがそう告げると、それぞれは違う足取りで砂浜を離れ、島の奥へと散っていった。出航までの僅かな時間、自由に己の時間を過ごす様に。
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