俺の彼氏が小さくなってもイケメンなことについて「ますたー、ますたー。」
幼子の呼ぶ声がする。舌っ足らずで自分を呼ぶ声。それはとても可愛らしいが、なんだろう、このいたたまれなさは。
サンソンが小さくなった。原因は不明。第一発見者は俺。中身は大きいサンソンそのものだったから良いものの、ほかのサーヴァントから生ぬるい目で数日見られた。解せぬ。本人は一人で平気といっていたが見てる方はハラハラドキドキだ。何せ今の彼は何をするにも大人が必要だからだ。
「ますたー、デートの日でしたよね」
「…」
さすがサンソンと言うべきか。お国柄か。それはさておきこの状態デートするのはいささか難がありそうな気がしなくもないが、楽しそうなサンソンを見てるとダメだと言えるわけもなく。
「立香、買ってきました。食べましょう」
そうして差し出されたものはアイスクリームで。結局当初のデートプランは変更。これはさすがのサンソンも「今の僕と一緒にホテルに入ろうものならますたーが犯罪者になってしまう」ということでわかってくれた。とは言えどもそこはサンソン。生前は女性関係もそれなりにあったと聞く。男の藤丸から見てもかっこよいのだからこればかりはどうしようもない。
さっきから周りの視線が痛い。その視線の先はサンソンだ。分からなくもない。そんな時だった。サンソンとすれ違いになった女性が転けそうになったのは。慌てて駆け寄ったその時には既に女性はサンソンの手に腰を抱かれていて。
「マドモワゼル、危ないですよ」
その光景に藤丸立香は目をおおって心の中で叫んだ
俺の彼氏(サーヴァント)がイケメンすぎて辛い!