Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    syako_kmt

    むざこく30本ノック用です。
    成人向けが多いと思うので、20歳未満の方はご遠慮下さい。

    ☆quiet follow Yell with Emoji ❤ 🌓 💋 🌹
    POIPOI 226

    syako_kmt

    ☆quiet follow

    むざこく30本ノック⑤
    24日目
    部下が犬になりまして

    #むざこく
    unscrupulousCountry
    #むざこく30本ノック
    random30Knocks

    部下が犬になりまして さて。社会的地位の高い人間が犬になるという奇病の原因は未だ究明されず、またチワワになるのではないかと無惨は戦々恐々だったが、今回ばかりは長が犬化した為に、かなりの不具合が多方面で生じた為、何とか再発防止しようという動きもあり、以来、無惨は犬になっていない。
     無惨の気持ちとは正反対に、めちゃくちゃ可愛いチワワだったので非常に残念に思っている黒死牟。似たチワワを飼うことも考えたが、家を留守にしていることが多く、何日も帰れないこともあるのでペットは飼えないと諦めたのだ。もっといっぱい写真に撮っておけば良かったと、スマホの画面を見ては切ない溜息を吐く日々である。
     確かに無惨は顔が良いが、あのチワワの面影は全くない。あの大きな潤んだ瞳、丸い額、大きな耳。可愛かったなぁ……と思わずスマホの画面を撫でる。威勢良くキャンキャン吠える気の強さは犬でも人間でも大差ないが、可愛さは雲泥の差である。いくら顔が良くてもチワワのような愛らしさは人間のオッサンにはないのだ。
     そんな黒死牟の態度がものすごく不愉快な無惨は人差し指で黒死牟の額を弾いた。
    「私だって残念だ。お前が犬になったら、どんな犬種になるのか見たかったのに」
    「私がですか?」
     自分が犬になるなど想像できない。無惨はじっと考えながら黒死牟の髪をわしゃわしゃと撫で始めた。
    「やはり大型犬か……シェパードかな?」
    「言われると思いました。それかドーベルマンとかでしょ?」
    「うん」
     使役犬だよなぁ……と黒死牟は苦笑いしていたが、無惨に頭を撫でられていると、何だかちょっと犬になってみたい気もしてきた。そして、自分が犬になった時のことを想像してみる。
     例えば、無惨に害をなす者に噛みついてみたり、威嚇して吠えたり、無惨の傍らに控えて睨みを利かせたり……と考えた時、黒死牟はふと気付いた。そして、その答えは無惨が口にした。
    「お前は犬になっても、今と変わらないだろうな。私の忠実なしもべだからな」
    「えぇ……」
     無惨の手を引き寄せ、手の甲にそっとキスをした。
    「忠犬としての役目は敵を排除することだけではありませんよ。添い寝もしますし、愛玩動物としても立派にその役目を果たしてみせます」
    「そうだな、私が犬になっていた間、お前のことを可愛がってやれなかったからな。今日は一晩中可愛がってやろう」
     黒死牟は長い髪を大型犬の尻尾のように嬉しそうに揺らして、無惨と共に寝室へ入っていった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖🐕💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    syako_kmt

    TRAININGむざこく30本ノック⑤
    20日目
    公務で宿泊するホテルを決める際に朝食が洋食のホテルと和食のホテルかでお互い譲らない議員と秘書
    公務で宿泊するホテルを決める際に朝食が洋食のホテルと和食のホテルかでお互い譲らない議員と秘書 無惨は朝が弱い。早く寝れば良いのに、酒を飲んだり、映画を見たり、本を読んだり、夜更かし癖がついているのだ。そのせいだろうか。出張先でホテルを探す時に、いかにホテルで快適に過ごすかを追求する癖がある。
     まず部屋の広さ。バスルームが広く、景色が良いか。アメニティがどうか。そして、クラブラウンジがついていることが必須であり、ラウンジで酒を飲みながら軽食を取るので、ダラダラと夜更かしをし、翌朝なかなか起きられず、朝食はビュッフェでコーヒーとフルーツを取って終わりである。
     片や黒死牟はと言えば、朝がめちゃくちゃ強い。というよりも、ホテルを探す際、フィットネスジムがついていて、大浴場とサウナが欲しいのだ。どうしても旅先では高カロリーで栄養価の偏ったものを食べがちなので、軽く汗を流したいとジムを利用するのだ。勿論、無惨も連れていく。そして朝、ビュッフェでも良いのだが、出来れば和食か洋食か、しっかりと定食スタイルになったものを食べたいのだ。
    1359

    related works

    syako_kmt

    TRAININGむざこく30本ノック③
    15日目
    陽光のもとに並んで立てるようになった二人が、それぞれ何を思って何を語らうのか
    「ほら見たか!これで恐れるものなぞ何もないわ!」とかつてないほど昂るのか、「案外大したことないわ、つまらんな」と吐き捨てるのか、「太陽の方がやはりお好きで?」「白昼にも月は出ておるわ馬鹿者」みたいな気楽な会話になるのか
    陽光のもとに並んで立てるようになった二人が、それぞれ何を思って何を語らうのか  それは初恋の憧れに似ていた。
     手の届かない遠い存在という意味か、遠い昔の燦爛とした断片的な記憶のせいか、その強い「憧れ」が根底にあるから黒死牟とは意気投合したのかもしれない。
     自分たちにとって太陽とは最も忌むべき存在であり、その反面、強く憧れ、恋い焦がれた存在であった。
     今でも朝日を見ると、今際の際を思い出し身構える。しかし、その光を浴びても肌が焼け落ちることはなく、朝が来た、と当たり前の出来事だと思い出すのだ。

    「今日も雲ひとつない晴天ですね」
     黒死牟が車のドアを開けると、その隙間から日の光が一気に差し込む。こんな時、黒死牟のサングラスが羨ましいと思うのだが、まさかサングラスをしたまま街頭に立ち、演説をするわけにはいかないので日焼け止めクリームを丹念に塗り込む程度の抵抗しか出来ない。
    2129

    syako_kmt

    TRAININGむざこく30本ノック③
    13日目
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう 今日もやっと1日が終わった。
     朝から晩まで、あの鬼上司2人に扱き使われたのだ。
    「おい、零余子!」
    「はい!」
    「零余子!」
    「はいー!!!!」
     多分、この数年で確実に親より名前を呼ばれている。これまで割と要領良く生きてきたので、こんなに怒鳴り散らされることはなかった。
     初めは鬼舞辻事務所に就職が決まり大喜びした。
     今をときめくイケメン政治家、鬼舞辻無惨の下で働けるなんて……その上、彼は独身。もしかして、もしかする、未来のファーストレディになれるようなルートが待っているかもしれない!? と馬鹿な期待をして入職したのだが、それは夢どころか大きな間違いだった。
     毎日怒鳴り散らされ、何を言っても否定され、無惨だけでも心がバキバキに折れそうなのに、これまたイケメンの秘書、黒死牟が更にエグイ。まず行動原理が「無惨様のため」なので、無惨の怒りを買った時点で、どんな言い訳をしても通用しない。こちらに非が無くても、無惨に怒鳴られ、黒死牟にネチネチと嫌味を言われ、最悪のコンボが待っている。
    3210

    syako_kmt

    TRAININGむざこく30本ノック③
    17日目
    黒死牟が髪をバッサリ切った時の無惨様のリアクション
    黒死牟が髪をバッサリ切った時の無惨様のリアクション 何か理由があって髪を伸ばしているわけではない。
     長い髪って手入れが大変ですよね、と言われるが、実はそうでもない。短い髪の時は月に一度は散髪に行かないといけなかったが、長い髪は自分で毛先を揃えるくらいでも何とでもなる。女性と違って髪が傷むだの、枝毛がどうだのと気にしたことがないので、手入れもせず、濡れた髪を自然乾燥させることにも抵抗がない。それに短い髪と違って、括っておけば邪魔にならないので意外と便利だし、括っている方が夏場は涼しいのだ。
     つまり、ずぼらの集大成がこの髪型だった。
     特殊部隊に入った時、長髪であることにネチネチと嫌味を言われたこともある。諜報活動をする時に男性のロングヘアは目立ち易く、相手に特徴を覚えられやすいから不向きだと言われ、尤もだなと思ったが、上官の物言いが気に入らなかったので、小規模な隠密班を編成する際の長に選ばれた時、全員、自分と背格好が近く、長髪のメンバーだけで編成し、危なげもなくミッションを成功させたことがある。だが、自分の長髪にそこまでこだわりがあったわけではなく、単なる反発心だけである。
    2382

    recommended works