梓紗「いつき〜!みてみて〜!」
樹「おかえり梓紗くん紺碧くん。何かあった?」
紺碧「依頼のお礼でって貰ったものなんですけどこれ、何ですか?」
樹「わ、すごいね。これは魔法で作った飴だよ」
梓紗「え!食べれるの?キラキラしてて宝石みたいだけど…?」
樹「うん。魔法を使って花を調合するとこうやって綺麗な色のお菓子が作れるんだよ」
紺碧「たしかに綺麗な桜色ですね」
樹「うん。この魔法、結構難しくてね。こんなに綺麗なのが作れるのもすごいよ」
梓紗「今日ね!ケーキ屋さんのお手伝いしてたの!」
樹「わ、じゃあケーキ屋さんの人が作ってくれたものだね?」
紺碧「みたいですね。ひとつひとつ手作りなのが評判のケーキ屋さんだってお客さんも言ってました」
梓紗「お店のケーキ全部かわいいの!今の時期は桜とうさぎモチーフのケーキをたくさん作ってるって言ってたよ!」
樹「季節によって違うのいいね。僕もそのお店気になるな」
梓紗「じゃあ今度いつきも一緒に行こ?その人、いつでも来ていいよって言ってた!」
紺碧「今度は客として行きたいな。俺もあのケーキ気になる」
樹「2人はケーキを作る手伝いをしたの?」
紺碧「いえ、お客さんにケーキを売る側の手伝いです」
梓紗「制服も季節に合わせて変えてるんだって!かわいいピンクの制服着せてもらったの〜♡」
樹「ああ…ふふ、それなら2人が選ばれたのも納得かも」
紺碧「…そうですか?」
樹「うん。2人は初めての人と話すのだって上手でしょ?だから選ばれたんだと思うな」
梓紗「えへへ!お客さんもお店の人も喜んでくれたよ!」
樹「それはよかった。ところで紺碧くんもピンクの制服着たの?」
紺碧「いや、さすがに俺は着てないですよ。何種類かあったから差し色程度にピンクが入ってるのは着ましたけど」
梓紗「あおいもピンクベースの方着ればよかったのに〜」
紺碧「お前より俺の方が似合ってたら嫌だろ?」
梓紗「そんなの絶対ないから!ピンクが1番似合うのは僕なの!」
紺碧「冗談だよ」
樹「ふふ、2人は仲良しだね」
梓紗「あ!それでね!この飴もらったの!」
樹「その人は本当にお菓子を作るのが好きなんだね」
紺碧「自分の作ったもので笑顔になってくれる人がいるのが嬉しいって言ってました。それで何だか同じものを感じるからって俺たちに依頼したらしいです」
樹「わ、そんな人に依頼してもらえるなんて嬉しいことだね」
梓紗「うん!その人もすごくニコニコしてくれたよ!」
紺碧「そのために何でも屋をやっているんだろ俺たちは」
樹「ふふ、紺碧くんはいい子だね」
梓紗「僕は!?」
樹「もちろん梓紗くんもだよ。何でも屋はみんないい子だよ」
梓紗「えへへ〜。あ、そうだ!いつきにもこの飴あげる!」
樹「いいの?」
紺碧「はい。いっぱいもらったからせっかくならみんなにもあげようと思って」
梓紗「春のおすそわけ!」
樹「ありがとう。桜の季節は短いからこういうのもいいね」
梓紗「そういえば今年は全然お花見してないかも?」
紺碧「言われてみればたしかに」
樹「最近みんな忙しそうだからね」
梓紗「うーん…またみんなでお花見したいなぁ」
樹「じゃあしようか」
紺碧「いいですね」
梓紗「みんな呼んだら来てくれるかな?」
樹「うん、梓紗くんが呼んだら来てくれるよ」
梓紗「えへへ、そうかなぁ」
紺碧「なら、飴配るついでに呼んだらいいんじゃないか?」
樹「ふふ、その飴がお花見のお誘いみたいだね」
梓紗「わ〜!なんかオシャレ〜!そうしよ!」
紺碧「じゃあ樹さんは来てくれるってことでいいですか?」
樹「もちろん。僕もみんなとお花見したいから」
梓紗「いつきありがと!」
樹「いえいえ。他のみんなも誘ってみてね」
梓紗「うん!引きずってでも連れてくる!」
紺碧「引きずるな引きずるな」
梓紗「じゃあ浮かせてくる!」
樹「はは…それは梓紗くんにしかできないことだ…」