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    kusare_meganeki

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    kusare_meganeki

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    ギャラガーとサンポのSS
    全てが捏造。こういうことあったらいいなっていう、妄想。
    ⚠️完全無接点の二人の会話
    ⚠️捏造、妄想
    ⚠️ピノコニー編全部ネタバレ
    ⚠️妄想

    ギャラ+サンポのSS美しいものには、それなりに理由がある。夢幻の中にあるものならば、尚更だ。
    薄暗いフロア、浮いた装飾。中央には、巨大なティーポットから注がれるように溢れている夢の泡の噴水がある。その辺りには、小さな鯨が揺蕩うように浮かんでいた。
    見る者が見れば幻想的な雰囲気だろう。しかし、あたりに散らばるナイトメアの残骸が、惨状を物語っている。
    これが、美しい夢の足元で息を潜めている“本物”の夢だ。ピノコニーのファミリー連中が謳っている様な、綺麗で楽しい夢境などただの戯言でしかない。
    サンポは匕首を片手で弄びながら、周囲の存在に警戒を払う。静まり返ったフロア、自分以外の息遣いは聞こえてこない。恐らく、ここ一帯の安全は確保出来たのだろう。
    密航者としてピノコニーの夢境に潜り込もうとしたが、些か軸がズレていたようだ。まさか、上辺ではなく深層に降り立つとは思ってもいなかった。
    地に足をつけているソファに腰を下ろし、サンポは深く息を吐いた。全く、熱烈な大歓迎を受けた。
    夢境での感情干渉により、暴走したナイトメア劇団。
    記憶域にある潜在意識の欠片の積み重ねである、記憶域ミーム。
    そんな仕事熱心な彼らは、夢境に降り立ったばかりのサンポを「これがここでのサービスだ」と言わんばかりに襲ってきたのだった。ベロブルグにいた時、シルバーメインでもそこまで手荒ではなかった。
    (まぁ所詮は有象無象……まだ人間として知性ある相手の方が厄介というものです)
    それよりも、ここからどうやって上辺の夢境に浮上するかが問題だ。ガーデン・オブ・リコレクションのメモキーパーであれば、一つ二つ抜け道を持っていそうだが、サンポはただの愚者だ。しかも、仮面すら持ち合わせていない弱者。
    この夢境を走り回り、どうにか綻びを見つける以外に方法はなさそうだ。
    もしくは‪──‬。
    「ここの管理者様の靴でも舐めれば……特別サービスを受けられますかね?」
    「期待しているところすまないが、俺はここの管理者じゃない。ただの、保安官だ。残念だったな密航者」
    革靴の踵が、床を踏み鳴らす音。そこに、カチ、カチと金属音が聞こえてくる。それは、サンポの背後で立ち止まった。ソファに背を預け振り返れば、そこには一人の男が立っていた。
    焦茶色の髪は、手入れをしていないのか無造作に跳ねている。無精髭と、どこかくたびれた目元の皺。アザレア色のネクタイは、だらしなく垂れている。腕まくりされ、見える肌‪──‬左腕に刻まれた古傷に目が止まる。それから、その手に握られたジッポライターを見る。先ほど聞こえていた金属音は、キャップの開閉音だと気がついた。
    「保安官、と言いましたね?それでは、あなたはハウンド家の人間ですか?」
    「そうでもないし、そうでもあるな」
    「……ああ、なるほど。ワンちゃんってことですね」
    「ははは!正解だ」
    サンポの言葉を笑い飛ばした男は、移動して対面に座り込んだ。そして、ライターのキャップを開けて、閉じる。
    「密航者、お前さんの名前は?」
    「相手に名前を聞くときは、ご自身から名乗るのが礼儀ですよ。ハウンド家のワンちゃんは、随分と躾がなっていない様ですね」
    「すまないな、俺は駄犬なんだ。礼儀がなっていないのは、大目に見てくれ」
    どうにも、会話のテンポが掴めない。軸を握られたまま、のらりくらりと躱されている。サンポは顔に笑みを保持したまま、内心で警戒を最大に引き上げる。
    ハウンド家とは、ピノコニー五大クランの一つだ。簡潔に言えば、警察としての役割を担っている。本来であれば、彼らに見つかった時点で強制退去だ。しかし、目の前の男はその素ぶりを見せない。
    何か、別の目的があるように思えたサンポは、それを逆手にとろうと考えていた。上手くいけば、彼の手を借りて上部の夢に行けるかもしれない。
    それに、何より。
    (“ただの”ハウンド家の犬だとは、到底思えない)
    何か、おかしいと思う。目の前にいる男が、その輪郭そのままと受け取って良いのか、漠然とした疑問がサンポの中にある。
    だが、それを考えている暇はない。何より、このピノコニーに来たのは謎解きをしたいからでも、時計屋の遺産を横取りしようとしているわけでもないのだから。
    「俺の名前はギャラガー。さっきも言ったが、ハウンド家の保安官をやっている。……さて、改めて名前を聞いても?」
    「僕はサンポ。サンポ・コースキと申します。商人をやっております」
    「商人がこの夢に一体何の用だ?確かに、ピノコニーの夢は色んなものがある。服、車、装飾品、味の変わらないスラーダ……だが、知らなかったのか?夢の中で買ったものを現実に持ち込むには、別途料金を支払わなきゃならん。そしてそのサービスを受けられるのは、正式にリバリーホテルに泊まっている宿泊客だけだ。お前の様な密航者は、夢の中に入り込めてもそのサービスは受けられない。何かを仕入れに来たって言うなら、諦めることだな」
    「それは残念……。ですが、僕の目的はそこじゃない。とある人物に会い、僕にとって大切なものを取り返すために来たのです」
    「ほう?借金取りも担っているのか?」
    ニヤリと笑い、ギャラガーは的外れなことを言う。絶妙にズラされる会話の軸、相手に食ってかかっては思うツボだ。にこりと笑顔を返し、サンポは肩を竦めた。
    「このサンポ、相手に借金を背負わせる商売など致しません。誠心誠意、お客様のお役に立てる商売を心掛けていますとも。そりゃあ勿論、物によっては値が張るものもございますが……その分!必ずお客様の人生に彩りを与えてくれるとお約束出来ますので!」
    「なるほど。そりゃ良い商人さんだ。さぞ、顧客も多いんだろうな」
    「ええ、サンポは行く先々で良いお客様と……そして良き友に恵まれます。ギャラガーさん、貴方のような、ね?」
    「ほう、俺がお前の友人か。随分と気軽に言ってくれるじゃないか」
    「この状況で、出逢えた人との縁は大事にしたい。ピノコニーを知っているハウンド家の保安官ともなれば、この夢境からの出方もご存知では?」
    「はは、なるほどな!」
    怠そうに笑い、ギャラガーは手を叩いた。面白いと言葉を漏らし、サンポへと手を差し出してくる。
    「友と呼ばれるのは悪くないが……生憎、駄犬だろうが猟犬としての責務は果たさなきゃならん。だが、それと同時に俺は話を聞ける賢い一面もあってだな……。正直に話せ、お前がこのピノコニーに訪れた理由を」
    その言葉とともに、彼の顔から笑顔が消えた。気怠げな瞳の奥は、暗い。
    今の対話で、どうやら様子見は終わりらしい。その時点で強制退去に持ち込まれなかった。つまり、ギャラガーにとってサンポは対話相手に相応しいと思われたのだろうか。
    「……何か、企んでいるようですね。駄犬であり猟犬……しかし、首を垂れるべきファミリーには牙を向ける気があるようで」
    「さぁ、どうだか」
    「ま、いいです。僕の目的を素直に話したとして、貴方はそれに協力をしてくれるのか……その確証が欲しいですね」
    「そうだな……俺の目的の邪魔にならないのなら、好きにしていい。サンポ、お前が上部の夢境に行く手伝いもしてやる」
    「もし、貴方の邪魔になると分かれば?」
    「俺はハウンド家の保安官。それが答えだ」
    ギャラガーの返答に、サンポは息を吐いた。まぁ、その通りだ。
    これ以上、管を巻いたとして得られることもない。彼の目的は不明瞭だ。しかし、サンポの目的自体はこれからピノコニーで行われる、調和セレモニーには何の影響も及ぼさない。接触する相手はその招待客ではあるが、逆に“彼女”が好き勝手しないかどうか心配なくらいだ。
    どちらにしても、この場ではサンポが完全に受け側だ。情報も、立場も、ギャラガーの方が上。素直に話し、そこから相手を丸め込むしかない。
    そして、サンポにとってこの状況は‪──‬悪くないものだった。リスク無くしてリターンは無し。言葉での応酬、荒事、なんでもいい。きっと、楽しめるだろう。
    まぁ、平穏に済むのならばそれに越したことはないが。
    「僕は今回の調和セレモニーに招待されたある人に会う為に来ました。名前は花火……どうです、聞いたことはあるでしょう?ハウンド家の人間ならば、誰が招待されたのか聞かされているはずです」
    「……ああ、知っている。仮面の愚者からの来賓として招かれていると、記憶している」
    「その通り。そして僕は彼女に出会い、仮面を返してもらう為にここに来ました」
    「……お前も、仮面の愚者なのか?」
    その問いに、サンポは笑みで返答とした。
    「僕の仮面、実は奪われ隠されていまして……その在処を知っているのが花火までは、情報があるのです。ただ、そこから先は彼女に会わなくては分からない。というところで!なんと、調和セレモニーに招待されてしまった。僕としても、急を要する事態なので……こうして無理を通して馳せ参じたということです。勿論、セレモニーの邪魔は致しません。僕としては、仮面さえ手元に返ってくればいい」
    「なるほど、分かった」
    「あれ、信じてくれるんですか?」
    すんなりと話が通り、サンポは肩透かしを食らった気分になる。もっと疑われると思っていたのだが。
    しかし、ギャラガーはライターをのキャップを一度開閉した後、立ち上がった。
    「ついてこい。ここの出口を‪──‬表の夢境へ、連れて行ってやる」
    「は?まさか、質問も無し?嘘でしょ、貴方素直すぎませんか」
    「分かるのさ、言っていることが嘘かどうかぐらい。これでも、バーテンダーもやっているんだ。客の話し相手として、培われた能力ってやつだな」
    「…………」
    完全に、掌の上だった。きっと、自分は苦虫を噛み潰した顔をしている‪──‬それが正解だと言わんばかりに、ギャラガーはニッと笑う。
    カチリと、ジッポライターのキャップが音を立てた。
    「調和セレモニーの邪魔をしないっていうなら、それでいい。仮面のない愚者なんて、ただの愚か者だからな」
    さっさと立てと、ギャラガーから視線で命じられる。
    ここから出られるのならばなんでもいいが‪──‬しかし、ハウンド家の猟犬として密航者を見逃す理由として、セレモニーを邪魔しなければいいとは。
    もしかすれば、このギャラガーという男はセレモニーに目的があるわけではない。もっと別のことに、目的を据えているのではないか。セレモニーとは、その為の前舞台に過ぎない。
    (どちらにしても、これ以上は関わるべきではないか……)
    表の夢境に出してもらえるというのなら、それでいい。サンポは立ち上がり、歩き出したギャラガーの後をついていく。
    フロアを出て、夢の泡と装飾が浮いては沈む廊下を歩く。壁には等間隔にドアが設置されていて、そこには客室だろう部屋番号が振られていた。ようやくここで、リバリーホテルの夢境だとサンポは理解する。
    「なぁ、お前は夢をどう思う」
    「なんですか、急に」
    階段を登る中で、ギャラガーは脈絡も無く問いかけてきた。彼の足が止まり、一段上から見下してくる。その視線を受け止めながら、サンポは笑みを取り繕うことなく、腕を組んだ。
    「何、ただの世間話だ。何せ、俺とお前は良き友人らしいからな」
    「……夢は夢でしょう。ただの幻だ。それがどれだけ精巧で、素敵で、理想に満ち溢れたとしても……決して現実ではない。逃げ場としては素晴らしいですが、人が前に進む為には不要だ」
    「なるほどな。一理ある」
    そう言って、ギャラガーは再び歩き始めた。
    「美しい夢に入り浸るのはいい。だが、それに囚われたら終わりだ。サンポ、お前も目的を果たしたらさっさと出ていくことだな」
    「言われなくてもそうします。時間は然程も……」
    そこで、サンポは言葉を止めた。時間がどの程度かかるかは、花火次第だ。あのキテレツ常識ガン無視少女が、簡単に在処を教えてくれれば良いのだが。
    「もう一つ、問わせてくれ」
    「はい?」
    「お前は、何のために人間は眠り……夢を見ると思う?」
    ギャラガーが片手で両扉を開け放つ。そこは、ホテルのロビーだろう場所に繋がっていた。長いフロントの前を歩きながら、彼は言葉を続ける。
    「生命活動維持の為。それならば、ただ寝るだけでいい。記憶の整理、それもあるだろう。しかし、夢は毎度形を変え、場面を変え、見る人間の理想を……もしくは、絶望を映し出す」
    がらんどうのそこには、敵対生物も存在しない。一番広い場所まで辿り着いて、ギャラガーは一つの場所を指差した。
    「あのスフェロイドサービスに乗るんだ。そうすれば、表の夢境に辿り着く」
    「本当ですか?まさか、リバリーホテルに出るなんてことは無いですよね?」
    「リバリーホテルは夢境と現実を繋ぐ架け橋だ。本物の夢境に、こうして投影されちゃいるが表には存在しない。黄金の刻か、ブルーの刻か……まぁ、何処かに出るはずだ」
    指し示された場所は、ロビーの端にある丸い球体だった。その下は奈落になっている。知識として、この広いホテルを移動する為に存在してる乗り物だと、サンポは知っていた。
    しかし、この夢境においてアレが正しく動作するのかは分からない。ただ、この状況でギャラガーを疑tたところで話が進まないのもの確かだ。
    やはり、彼の掌の上。この状況を悔やみ、本物の夢境に落ちてしまった自身の運の無さを、サンポは恨むことにした。
    「ここまでご案内ありがとうございました。さて、良き友であるギャラガーさんにはどう恩返しをしたものでしょうか……」
    「ああ、そういうのはいらん。なんだ、表で面倒ごとを起こさなければなんでもいい」
    「そうですか……まぁ、何か欲しいものがあれば何かご用命を!……あと、先ほどの質問。そうですね、人間が寝た際になぜ夢を見るのか……人間、人生は舞台、もしくは誰かの舞台に立った役者!ならば、夢の中でこそ本物の自分を生きてみたいとは思いませんか?それが吉夢でも、悪夢でも……“違う”自分をそこに投影して、その時だけはそれに浸る。僕は、そのように考えていますよ」
    「そうか」
    ギャラガーは納得したのか分からない、真顔で小さく呟いた。さっさと行けと、手でジェスチャーを送られる。
    一体彼が何を聞きたかったのか、よく分からなかった。しかし、このピノコニーで働くといことは夢と現実の境界が曖昧になるということだ。彼にとって、夢とはどういうものか分からなくなっているのかもしれない。
    人に借りを作りっぱなしになるのは癪だが、きっと今後彼と絡むことは無いだろう。花火から仮面の在処を聞き出したら、それを回収しにピノコニーから離れる。
    花火が関わっている以上、これ以上首を突っ込みたくはなかった。彼女は苦手だ。しかし、開拓者がピノコニーに訪れることをサンポはもちろん知っている。最悪、何かあった場合は助けに入ることも‪──‬。
    「夢の中で」
    ジッポライターの、キャップの閉じる音がする。
    「死と絶望は存在しない」
    腹を貫く衝撃に、サンポは一瞬全ての意識が飛び掛けた。背中から、何かが蠢いている気配がする。
    「人は一体何のために夢を見るのか。俺たちは一体、何のために夢を創り上げたのか……」
    遅れて、脳が痛みを知覚した。腹から噴き出るものは、血ではなく透明な液体だ。それは泡となって、宙に浮き始める。
    「邪魔をするなよ、部外者。見逃してやるが、これが最後だ」
    振り返ったサンポの視界に映ったのものは、異形。無数の目が、こちらを見ている。
    其れ其の物が、死だ。それを理解したと同時、サンポは意識を失った。



    「おい、兄さん。おーい、大丈夫かー?」
    朧げに聞こえてくる声が、サンポの意識を揺らす。目をゆっくりと開ければ、見えた景色は電飾の明るい天井だった。遅れて、雑踏や話し声、賑やかな音楽が聞こえてきた。
    (……生きて、いる)
    腹の中が気持ち悪い。先ほど、確かに死んだと思った。何せ、凶刃で腹を貫かれたのだ。人間ならば、生きているはずもない致命傷。
    ‪──‬夢の中で、死と絶望は存在しない。
    ふと脳裏によぎったギャラガーの言葉に、サンポは顔を顰めた。
    アレは、何の飾り気もない警告だ。見逃す、だが邪魔はするな。花火と接触すると言ってこの仕打ちとは‪──‬仮面の愚者は、組織ではない。ピノコニーが送った招待状が、彼女の元に届いたのは、恐らく偶然ではない。誰かが意図的に呼んだのだ。
    それならば、あの男は‪──‬。
    とにかく、これ以上首を突っ込むのは碌なことにならないとサンポは思考を切った。
    「おい、本当に大丈夫か?目を覚ましたってんならいいけど……ハウンド家、呼ぼうか?」
    「いえ……大丈夫です。お騒がせしました……」
    吐き気を堪え、サンポは身体を起こす。どうやら、ベンチで意識を失っていたようだ。通りすがる人がサンポを見ている。
    「あまり無理をするなよ……」
    その言葉をくれたのは、ピピシ人だった。彼が起こしてくれたのだろう。
    「ありがとうございました、声をかけていただいて……手間をかけさせて、すいません」
    「いや、良いんだ」
    「ところで一つお聞きしたいのですが……ここは、どこの夢境でしょうか?」
    「ん?なんだ、そんなことも知らない……スラーダでも飲み過ぎたのか?気をつけろよ」
    「はい……はは、すいません。ようやく、このピノコニーに来れたので嬉しくて」
    「まぁ、気持ちは分かる。……ここは、ピノコニー十二ある夢境の中でも、一番豪華絢爛と言われる夢境。黄金の刻だ」
    ピピシ人の言葉を受け、改めて周りを見る。購買意欲を誘う看板が軒を連ね、生きている看板がそこらを通る通行人に付き纏っている。欲と金の渦巻く黄金の刻。
    間違いない、表の夢境だ‪──‬内心で安堵のため息を吐いたサンポは、体勢を直してベンチに座った。
    「ありがとうございます、素敵なピピシ人さん。貴方のおかげで、僕は楽しい夢のひと時を悪夢とせずに済みました」
    「良いんだ、人助けは大事だからな」
    「ところで……僕、一つ良い情報を持っているんです。ここだけの話というやつですね、助けてくれた貴方へ是非!恩返しの気持ちでお話しさせていただきたいのですが……」
    そう言って、サンポは懐から手作りの冊子を一部取り出す。まぁ、とりあえず目の前にいるピピシ人への商売をアテに、手どころを増やさせてもらおう。金は、何かとあれば便利だ。花火と接触して、何をさせられるか分かったものでもないし‪──‬。
    そう考えながら、サンポは軽快にトークを回す。
    『これがあれば一目瞭然!ピノコニー夢境散策Book!』は無事、ピピシ人が買って行ったのだった。
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