詐欺師は、ランドゥーに愛でられる。ふかふかのベッド、暖かい毛布。部屋の中は綺麗で、ホコリひとつないのが当たり前だ。必要最低限、しかし十分すぎるほどに置かれた家具に囲まれて、サンポは目を覚ます。窓から注ぐ日は、外が快晴であることを示していた。身体を起こせば、気だるさが肩にのしかかってくる。
ぼうっとする頭は、目覚めるまでにもう少し時間を要する。服1枚着ていないサンポの素肌には、大きな歯型やキスマークが刻まれていた。
「あ、ンポポ起きたんだね」
ノックも無しに扉が開く。聞こえてきたのは少女の声であった。寝ぼけ眼で、サンポがそちらに視線を向ける。猫耳の着いたニット帽、その下から見えるクリーム色に近いブロンドの髪。水色のポンチョの下には、白いプリーツコートを着ている少女が立っていた。
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