甲高いジリリリリという音が部屋中に鳴り響く。女は寝ぼけ眼で時計を掴むと音を止めた。
「あと、ごふん……」
女の瞼が再び落ちようとした時、再びジリリリリという甲高い音が鳴った。
「うあ~」
二つ目の時計の音が部屋中に鳴り響く。二つ目の時計を止めたところで、ようやく女はようやく起き上がった。
「今日は早く出ないといけないんだった……」
ベッドから這い出てあくびを一つする。その時、またジリリリリという音が響き渡った。
「支度しないと……」
女は三つ目の時計を止めてようやく覚醒した。女が完全に目を覚ますには三分おきに設定された目覚まし時計が三つ必要なのだ。